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本や映画のタイトルにもいろいろな工夫や苦労があるものだ、という読み物。
著者曰く「とっちらかった」本文もそれなりにおもしろく読んだが、いちばん興味深かったのは<ボーナストラック>の「我々には「言葉」が足りない」と、文庫版あとがきだったので、この増補文庫版を手にとってよかったと思う。
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本来、内容を端的にあらわすことを目的としてつけられる、題名。その題名が、ときにその本来の目的を超えて自己主張してくることがある。著者はそういう「記憶に残る」「素敵な」題名を総称して「ぐっとくる題名」と呼び、その仕組みと効能を解明する。とりわけ、長い題名でヒットしたB'zと岡村靖幸の曲名を比較しつつ解明した章などおもしろかった。印象に残ることばと出会うとつねにノートしておくという小西康陽は、「名前があって中身がある」とどこかで語っていたけれど、作家である著者もきっとそういうタイプなのだろう。
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文庫化して改めて買いました。
「増補版」、と書いてあるのが魅力で。
題名には正直、あまり関心がありませんでした。
好きな作家の本なら、題名関係なく買ってしまうし。
でも確かに、本屋に行ってフラフラと本を眺めてる時、ぐっとくる題名だとついつい手に取ってしまうかも。
そこでまた、読書の幅が広がったりするから、題名ってやっぱり重要。
個人的に「残りのマークだのパンサーだの」がツボでした。
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題名は私にはかなり重要なポイントで、特に小説や映画のタイトルというのは、それだけで購買力や観たいという欲求をプラスアルファする魔の手のようなものである。そこに目をつけた本書のタイトルに「ぐっと」きました。
以前、「テレビくん、どうも」という番組で、作家の長部日出雄さんが「松本清張の小説はタイトルが巧い。物語の内容に私は負けないが、タイトルの付け方に歴然とした差がある」という発言をされたのを思い出した。
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スター・ウォーズ・エピソード6の原題は当初revenge だったように記憶している。邦題はそれにならって「復讐」と付けらけたのだが、公開時にはreturnに変更されていたのではなかったか。そこだけ気になった。
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【引用】
・ 題名において、整合性がとれていることと、心に響くことは必ずしも両立しないのだ。(p17)
・現代に生きる我々は皆ある意味で、古語と現代語のバイリンガルなのである。ときに頭で翻訳しながら、ときに実感として古語を読むことができる。(p60)
・パロディとは、元とのギャップで楽しませるものだが、差がすぐに分かってしまうのではつまらない。 逆にずっと分からなくても成功とはいえない。まずぱっとみてパロディと分かって、そのあとだんだんと二者の落差が(薬のように)効いてくる。(p72)
・パロディというのは二次創作なので、面白さとひきかえに安っぽくなりがち。パロディでなおかつ品をも保つのは稀有なことだと思う。(p74)
・(「隠し砦の三悪人」に対して)どこまで明かして、どこから言わないか、さじ加減に優れた題名といえる。(p79)
・(「11人いる!」に対して)ミステリーの幕開けを告げ、緊張の針がマックスまで振れた瞬間が、この題には凝縮された。(p81)
・(「幸せではないが、もういい」に対して)この題名をみると笑ってしまうのはなぜだろう。これにも僕はポジティブなものを感じてしまうのだ。「幸せではない」のに。
「もういい」という台詞は、諦めなのかもしれない。だけどふっきったことを示す「もういい」もある。(p107)
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ブルボン名義の本は初めて読むかも。
ネタが主体の本かと思ったら、ちゃんと実用的な話でした。
読んでみるとなるほどーと思うことがいっぱい。
この「なるほど」と思わせるために、
どんな視点を挙げていくか、例として出す本や映画や楽曲はどれにするか、
そこの選択が難しいんだろうなあ。
硬軟とりまぜた広い知識・見識がないと説得できない。
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命令形の題名は、たしかに印象に残るものが多い。
「了解です!」って心の中で応答してしまう。(舎弟気質)
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その名の通り題名について語った本。作られ方別になっていてなるほどなと思う。好きなタイトルはこのタイプかとか。ささっと読める割におもしろかった。
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題名フェチ、言葉フェチ、あと題名をつけなきゃいけない必要のある方におすすめ♪
筆者のブルボン小林氏とは、小説家長嶋有氏のサブカルコラム用ペンネーム。彼の発想力と言葉のセンスが好きなので読んでみた。
本の題名とは、表紙と共に本の「顔」である。
特に本屋の本棚に陳列されている間は背表紙しか見えない。
題名と著者名、それだけで手塩にかけた「我が子」を手に取ってもらわなければならない。
そのために作家及び編集者はいろいろ工夫している。
なにしろ本の売れ行きに関わるのだ。
そんな「商品の題名」を「これはどういう意図をもってつけられたか」「どういうイメージをあたえるか」を鋭い洞察力を生かして推察。たまにつっこみながら楽しく紹介している。
例えば助詞の使い方に注目した『ゲゲゲの鬼太郎』
韻とリズムがもたらす快感を考えた『島耕作シリーズ』
読む前と読んだ後の題名の捉え方が180度違う『これからはあるくのだ』
へー、そんな角度から?と驚く。
軽く読める知的(オタク的)読み物としても、題名に悩む人のための実用書としても読める。
本以外の映画や音楽も取り上げられていて、最近の洋画の邦題はセンスないよな、という話に同感。
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本や映画など、そのタイトルでグッと来る、印象に残るものを取り上げ、それがなぜ心を惹きつけるのか?を分析するエッセイ。ただ、あくまでもブルボン流分籍。論理的というよりも、ちょっとニヤリとなる解き明かし。