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力作。
アメリカで起こった事は、日本でも起こるのか。そうならないように、政治に関心を持たなくてはいけない。
読んでいると、怒りが込み上げてくる。現代でも、一部の、権力者が大多数の弱者から富を吸い取っている構図が見える。
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これだけ好き放題に搾取されていて、よくアメリカで革命が起きないものだと思う。「無知は弱さだ」と言うドン・ダイソン医師の言葉は重い。
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米国の医療保険制度は薬価を政府が決められない点に欠陥がある。それにしても、ロビー活動費が巨額(兆円単位)なのと政財界が人的に結合(回転ドア式に往き来)しているのに驚いた。
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「無知は弱さになる」。本書の内容に、まさにその感を強くする。
オバマケアは弱者救済だし、海の向こうの国のことだ、日本は国民皆保険でアメリカとは違うと、対岸の火の感覚で読み進んでいったら、とんでもない。
『次のターゲットは日本』なる章では、背筋の寒くなる思いにかられた。TPP,国家戦略特区構想、年金資産の株式保有率の上限撤廃、等々の推進が政府により、今進められている。しかし、その対応いかんでは、日本の持つ貴いものが奪われてしまう、安穏としてはいられない、そんな思いにかられてしまった。
日本の将来、子供たちの未来を、真剣に考えようとするなら、本書を一度手に取ってみることをお勧めする。
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月40万のガン対抗薬支払いか、安楽死か。こんな選択を突きつけられると、ぞっとするよね。その中で、日本は負担金3割だから、お金の問題で治療が受けられないことが少ない。
国民皆保険は、全員がお金を持ち寄り、医療を受けたい人に費用軽減で提供されるもの。助け合いの精神からなる。
アメリカの場合、その持ち寄るお金は、企業に勤める人は企業が負担し、企業に勤めない人は自分で支払い、低所得者は負担なしとされる。一見、高所得者から低所得者への所得移動に見られるが、企業に勤めるという条件に仕込みがある。それは週30時間労働者という条件だ。
企業は、従業員の保険料を利益が減るから払いたくない。ごもっとも。
だから、週29時間にして、パートタイム扱いにしてしまう。なるほど。
中流層は、収入が減り、保険料という支出が増えるわけね。
下流層は、保険料はただかもだけど、持ち家が担保に入れられ、家を失う。
なんとも言えない制度だなあ。
やっぱり全員がWINWINになる話なんてないよ。どこかにしわ寄せがあると考えなきゃ。
日本ではどうか。
アメリカでは国民の2/3が服薬しているそう。アメリカでは、皆保険をビジネスとして扱っている。そこが日本と違う。
まあ、アメリカの圧力に勝てるか、というより、日本の政治家が政治家だけがおいしい話に丸め込まれないかがポイントのよう。リスクヘッジとして薬品会社の株でも買っておこうかな。
まあ、僕なんかは仕組みの中で生きていくしかないんだけどね。どうしようもないよね。
話とは別で思ったことが2つ。
医師は神ではないのに、治して当然という風潮。そこに目をつける訴訟弁護士。
医師にもミスはあるだろうよ。
死ぬも生きるも運命じゃねーか!
ITを使うにも、データを入力しなくては始まらない。そこに人手は必要。
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オバマケアという理想が実は大変な現実であることがわかった。米国の医師団体の言葉で「オバマケアはまるで、雨が降った時濡れないように、国民全員に傘を買って渡したような法律です。ところがいざ雨が降って傘を開いてみると、傘は布ではなく紙でできていて、どんどん穴があき、みなずぶ濡れになってしまう。しかも傘の代金は、国民から集めたお財布から支払われていたという・・・」が端的に本質を表しているかもしれない。
結局、「オバマ大統領の貧困ビジネスモデルは、公営化の下で民間に公的予算を流すという、実に無駄のない手法として、ウォール街と業会トップから高く評価されたのだった」と。
アメリカの医療福祉は営利商品としてどんどん変質しているが、皮肉なことにオバマケアによって、さらに進んでしまった。日本でもその流れは進んでおり、投資商品として運用される流れが、現政権では加速している。理想の殻をかぶった中身の本質を見なければ、大変な現実が、やってくるということを改めて認識した。
第二弾も書かれるとのことで期待したい。
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水野和夫氏の『資本主義の終焉と歴史の危機』の後にこれを読んだ。
まあ、救いようのない気持ちでいっぱいだ。
間違いなく、全世界、少なくとも日本を含むアメリカ周辺の国は沈没してしまうことになるだろうなあ。
一部の大金持ちが、自分達だけでも生き残ろうとして、国内に『貧困層という植民地』を作ろうとして成功しつつある。(それも、単なる延命措置にすぎないだろう)私も含めてほとんどが『植民地の住人』だ。そこから脱する方法を真剣に考えないといけないが・・・。
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この方の本は驚くほど怖いことが書かれているが、今回もまた怖い。
オバマケアについてだいぶ誤解していた。日本と同じ皆保険制度みたいなものと思っていたので。
でも、とんでもない。こんなの実現されてしまったらみんな破産するでしょうね。私は嫌だ。そんなの。
知らないということにつけ込まれて、あらゆることが勝手に動いていることもある。
自分を守るために、まず現状を知ることから始めないといけない。
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こんな題名ですが、日本沈没とはジャンルが違います。オバマケアと呼ばれるアメリカの皆保険制度を切り口に、自由の国アメリカの自由の一面を描き出しています。この一面がすべてではないでしょうが、こういう一面があることは否定できないと思います。
こういう一面が自分の利益になる思う一握りの人々が日本でも利益を得ようと考えれば日本の皆保険制度が変わっていく可能性もあるでしょう。
日本は自由に利益を追求できる国ではなく、サムライの国であって欲しいと思います。
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とても考えさせられる。オバマケア=皆保険制度という認識しかなかったので、日本の保険制度とのあまりの差に愕然。日本もかかりつけ医を作ろうとか、大病院は初診だと高くするとか、色んな制限をかけているけど、それでも保険上行けない病院なんてそうそうない。今後医療費の削減のために、日本でも様々な整備や改編をするんだろうけれど、大元の社会保障という考え方は失いたくないと思った。日本の制度も問題ゼロなわけではないだろうけど、それでも福祉がここまで充実していることは、もっと知って誇りに思っていいことだと思う。
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日本では当たり前の「国民皆保険制度」。
アメリカでは、ようやくオバマ大統領が業界団体の圧力を押し切って「オバマケア」を成立させました。
著者は取材を重ね、この「オバマケア」の実態を調査すると、「医療」という、人間にとってもっとも根源的なものがマネーゲーム化されつつある現状が浮き彫りになってきました。
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=5086
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オバマケアと呼ばれる、米国の皆保険制度の欠陥について書かれている。Too big to fail とされる業界では、他人の金でマネーゲームに興じるようになってしまう。失敗したら納税者に、成功したら報酬をもらう、というふうになりやすい。
今、米国では医療分野が新たなマネーゲームの場になりつつあるという。
内容的にはやや扇情的すぎるし、データの読み方など明らかに誤読しているところもある。インタビューした数人の話をもとに製薬業界による陰謀論をふくらませていっているようでもあり、内容的には信ぴょう性が低い?
まず、これはメディケア、メディケイドをセーフティーネットにした上で、民間保険を購入する、という今までと同じシステムである。ただし、職場から保険が提供されない者は全員が市場でこれを購入するので、皆保険となる。
問題点はいくつかあり、一つは企業が保険料の支払いをいやがって、加入義務のない週三十時間労働以内に収めようとするため、パートタイム労働者の労働時間が30時間以下に削られている。
商品の値段は全く規制されていないので、薬品、医療機器の値段は下がらない。一部の薬は保険対象外となっているため、安い保険しか加入できないHIV患者などは薬代が支払えなくなっている。
手続きも非常に煩雑で、医師の労働量は激増する。が、支払い率はメディケアなみの6割程度なので、この保険を受け付けていない病院がかなりのパーセンテージにのぼる。
これ以前から医療は弁護士からも食い物にされており、最も高い産婦人科の保険料はクリーブランドで15万ドル、ニュージャージーでは56万ドルにもなる。年収20万ドルの医師でも訴訟保険料17万5千ドルを支払うと手取りはほとんどのこらない。
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アメリカ、ヘルスケア、政治・社会と自分につながりや関心が高い分野なのですが…色々な意味で難しく感じました。これがベストセラーであることも少し不思議な気がします。一つの切り口ではあるのでしょうが、それでは他にどのような可能性がありえるのか?
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どこの国でも、患者はもっと自分たちの健康について知る努力をすべきでしょう。食べ物や生活習慣や病気のことだけでなく、自分たちの社会で医療というものがどんなシステムで動いているのかを。実は教育レベルの高い先進国ほど、こうしたことに無関心なのです。けれど国民にとって無知は弱さだ。気づかないうちにいろいろなものを奪われてしまう。(p.114-5)
アメリカの国民のわずか14パーセントしか医療保険のしくみを理解していないように、実は日本の私たちの多くも、当たり前のように手にしている「国民皆保険制度」について、正確に理解している人はとても少ない。
知らないということは、すきをつくることになる。ウォール街と経済界に支配されるアメリカ政府から日本絵hの、医療市場開放の圧力については知っていたが、混合診療解禁や投資信託など、すごいスピードで規制緩和を進める法改正の多さには驚愕した。(p.183)
無知は弱さになる。ドン医師「今の医療保険制度を、空気のように当たり前にあるものだと思わないことです。制度というものは、一度奪われると取り戻すのは本当に大変ですから。奪われないためには、自分の国の医療制度くらいは最低限知っておくことです。アメリカ医療にもメリットはありますよ。その実態をみると、どんな国の人でも、自分たちの医療制度に感謝することができるんです」(p.201)
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オバマケア導入後のアメリカの医療の状況について書かれています。
意図的なのでしょうが、タイトルにアメリカの医療制度を想起させるような要素が入っていないので、医療関係のヒトに注目されにくいのは残念ですね。(ソノ分一般のヒトには手にとってもらいやすいのかもしれませんね)
能天気にアメリカにも皆保険導入なのかと思っていたら、まるで違うようですね。
末尾(p.203)に
「続編『沈みゆく大国 アメリカ ~逃げ切れ!日本編~』につづく」
と、書かれていますので続編が楽しみですね。
この本に関する書評が書かれているブログを見つけましたのでご紹介しておきます。
https://healthpolicyhealthecon.wordpress.com/2014/12/24/%E6%B2%88%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8F%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB/
付箋は18枚つきました。