紙の本
芥川賞をもらったそうで。。。なるほどね。
2017/07/30 20:37
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
大分県佐伯市の海岸沿いの過疎の町が舞台。 そこに生きるまたはそこに縁ががある人間(お互いゆるーいつながりがある)の何かあまりついていない人生のお話。 いかにも純文学っている感じで しっとり、じっくり(?)感じるものがないわけではないんだけどこれからどうなる(?)という未来があるわけでもなくて 多くの日本田舎みたいに ゆっくり死に絶えて行くのかなあ?的が暗さがある。 結局人生ってハードだよね。。。ということか。
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この人の今後は?
2015/10/23 16:33
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞受賞作で、新聞各紙では文芸評論家が絶賛、となれば読まぬわけにいかないが、現代と神話がリンクしたり、やたら比喩が多かったりで、やや凝り過ぎかなという感じ。異性からみたシングルマザー、それだけでも十分に成り立つ話と思ってしまうのは、凡人だからか。
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排斥と包摂
2016/10/01 17:57
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投稿者:十楽水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
総じてて男たちの影が薄い表題作は、母権的で「古い」世界から脱出した主人公が、カナダ人の夫と離婚して息子・希敏を連れ故郷・大分に帰ってくる。カナダ旅行の記憶と交錯しながら物語は展開していく。
近代と前近代、都市と土着、科学と迷信、開放と閉塞。主人公の生まれ育った土地が放つ後者の色合いに、違和感、馴染めなさを最初は感じた。喜怒哀楽を共にする、土着的な共通感覚は、デリカシーの無い視線で少数者を排斥する。無自覚であるため加害意識とは無縁、当然反省することなどなく、共通感覚は持続していく。だから異議を申し立てたい自分がいるのだが、読み進めるうちになぜか、命で笑い、泣くような女たちの姿に、排斥よりも包摂するような、包み込むような懐の深いものを感じ取ってしまった。
比喩が多彩。その一部に苦手さを感じたが、これほど海にまつわる表現が書けるのはすごいことのように思った。著者と海の関わりの深さが伝わってきた。
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2015年芥川賞受賞作ということで、読んでみたが。過去と現在が入り乱れて、人物像も掴めず、難解でしたぁ。
時間と心の余裕のある時に、一気に読める環境下ならストーリーに入れたのかもです。残念。
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芥川賞らしいといえばらしいのだが、読み手によって持つ感想は様々であろうこの作品。
第152回芥川賞受賞作。
初見です、小澤さん。
読みにくいわけではないのに、難解なのは物語の繋ぎ方かな。
シングルマザーのさなえとカナダ人との間にできた息子、希敏(けびん)。
泣いて騒ぎたてる希敏をミミズに例えた表現、わたしは好きですねー意地が悪い感じが
読後があまり心地よくなくて結果として好みではなかったです。
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芥川賞受賞の本を読んで感動した試しがない。
とりあえず、受賞されたので読んでみただけ。
もうちょっと伝えたいことがちゃんと伝わるように書けばいいのに!
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全て同じトーンで書かれている。同県ということもあり、方言などは懐かしみをもって読めたものの内容は自分にはフィットしなかった。途中でやめてしまった。
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うーん、よくわからんかった。タイコーをめぐる話、というか、それぞれの話の中にタイコーが出てくるんだけど....。???
寝ぼけながら読んだのが悪かったのか。
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第152回芥川賞受賞作。
大分県が舞台のタイトル作を含む4つの短編から成る。
結果的に自分には全く響かず。
最後の『悪の花』は良かったが、この作者、カッコ書きの補足説明がやたら多い。
補足的な位置付けなのだから無くていい。単に読み手のリズムを狂わせるだけ。
それから短い文章と長い文章が両極端。それによるインパクトはあるものの、イコール純文学にはならない。
時間軸の使い方は面白いと思うが全体的に期待外れ。
しばらくして再読してみたいとは思うが、、。
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表題作の「九年前の祈り」をはじめ、「ウミガメの夜」、「お見舞い」、「悪の花」の四つの物語からなる作品。
そのどれもが大分県佐伯市にあるリアス式海岸が作り出す海辺の限界集落を舞台として、それぞれの物語がゆるやかなつながりを持ちつつ、時間空間が収斂されてゆき、一点にストンと落ちてゆく。
人の営みがリアス式海岸の海とその土地にゆるやかに包まれる。そして他者との関わりのなかでしか生きていけない、他者との関わりのなかでこそ活きていける人間の営みが他人(ひと)を想う祈りに昇華してゆく。
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九年前の祈り 小野正嗣著 世の悪意に傷つく無垢な魂
2015/2/15付日本経済新聞 朝刊
今回の芥川賞を受賞した表題作が本書の半分を占めている。しかし、他の三編を含めて本書全体が、大分県のリアス式海岸沿いの地域を舞台に、えにしの糸で結ばれた一つの世界を形づくっている。
東京で同棲(どうせい)していたカナダ人と別れ、生まれた息子を連れて郷里に帰ってきた三五歳の安藤さなえが、昔なじみの「みっちゃん姉(ねえ)」こと渡辺ミツの息子が入院中と知り、見舞いに行こうとしている。ミツとは九年前に八人で行ったカナダ旅行で一緒だった。その旅先でミツから息子に対する心配を聞かされていたさなえには、他人事(ひとごと)と思えない事情があった。
さなえの混血の息子は天使のように外見は美しいが、しばしば癇癪(かんしゃく)の発作を起こし「引きちぎられたミミズ」のように手の付けられない状態になるのだ。そんな息子を心配する一方、もっと引きちぎってしまいたい衝動が自分の中にあることを彼女は自覚している。
見舞いの品に、母親の生まれ故郷の島で取れる厄除(やくよ)けで評判の貝殻を採りに行くのだが、その道中で九年前の旅の記憶が何度も甦(よみがえ)る。旅先で仲間がはぐれてしまったときに、ミツはモントリオールの教会で一心に祈っていた。そのミツの姿に象徴される「祈り」が、表題作だけでなく、本書を貫く主調音となって流れている。
過去の回想が頻繁に現在と交錯する叙述を追ううちに、次第に現在が過去と、そして異なる人物の抱える苦しみが、境界なく一体となって重なっていく感慨に読者は誘われるだろう。その符合は、他の作品でいっそう重ねられていく。入院中の母を心配しながら友人と旅に出て大分の海辺にやってきた大学生を描いた「ウミガメの夜」。兄に虐待されて育った男が、入院中の幼なじみの友人を見舞う「お見舞い」。そして最後の「悪の花」では、渡辺ミツの息子に世話になった老婆(ろうば)が入院中の彼の名を呼び続ける。
「祈り」とともに浮かび上がるのは、「悪の花」のごとく悪意や憎しみがはびこる人の世で、心から他人を思いやる精神の光である。あるいは周囲から傷つけられている幼き無垢(むく)な魂である。
日本の辺境といっていい舞台で、いずれも面影が浮かぶほど生彩に富んだ人物たちが織り成す物語たちは、こうして複合的な「祈り」のハーモニーを奏でて、本書の外部へ拡(ひろ)がり共鳴していく。たとえばそれは二十年前の、そして四年前の、大きな厄災に傷ついた人たちへの祈りともつながっている。
(講談社・1600円)
おの・まさつぐ 70年生まれ。作家。著書に『にぎやかな湾に背負われた船』『獅子渡り鼻』など。
《評》文芸評論家
清水 良典
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文藝春秋に掲載されたものを読んだ。
うーん・・・
現在,9年前,大分,カナダと脈絡なく往来するので疲れる。読むのがつらいお話でした。
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純文学の香りいっぱいの文体だなあ。凝った文章だ。
市井の苦悩に満ちた人生の描写。直木賞受賞作の「ホテルローヤル」を思い出した。
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神頼みって誰でも簡単にするけれど、つよい祈りの背後には大きなかなしみとか、深い傷とか、愛情とか、あるんだよね。ただならないもの。それが、手と手を合わせるように重なる、そんな話、なのかなぁ。
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この小説は、さなえという女性の気持ちに
寄り添い、理解しようと思うやさしさがなければ
なんでこういうお話を読み続けなくてはならないのか
わからなくなり、暗い気持ちになり、理解できず
そんな風になるのでは…というか、なりました
芥川賞はむずかしいですね