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南アフリカの線路で見つかった顔の潰れた轢死体。アルバァト・スミスと思われる死体。彼と争った容疑者アンソニイ・スウェイン、そして婚約者マリオン・ホープをめぐって対立するスチュアト・クローリイ。ファンダム警部の捜査の結果逮捕され裁判にかけられたクローリイ。無罪判決。婚約者の裏切りを誤解し南アフリカを去るクローリイ。
スコットランドで再会するクローリイ、マリオン。懐かしいスウェインと再会を望むが殴打され殺害されかかったクローリイ。クローリイが死んだ事にしたロス警部の捜査。クローリイが告げる犯人の正体。
2009年4月18日初読
2010年7月14日再読
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第1部の南アフリカから始まって、第2部のスコットランドを舞台に、列車や自動車に乗りながらあちこちに捜査の旅に赴くという設定は、事件を追う警部とともに旅行&捜査をしているという趣があってなかなか楽しめました。そしてクロフツとくれば鉄道時刻表の調査にアリバイ崩し物ということで、それに若干の裁判ネタや冒険ネタ、恋愛ネタも加わって、楽しさ(?)テンコ盛りの物語であったと思います。
ただ、自分のような大雑把な人間には、地名の場所関係や乗り継ぎのための鉄道時刻の差などは、まあ何か辻褄は合ってるんだろう的にスルーにも等しい状態だったわけですが(笑)、何か捜査をしている雰囲気だけは味わえたのでこれはこれで良かったです。(笑)
逆に閉口したのは、本当の捜査なら当たり前のことですが、聴き込みや証言の裏付け捜査をきっちり実施しているところで、これでもかと裏付けを行っている場面なんかはいい加減にカットして先に話を進めてほしいと不届きな思いを持ったこともしばしばで(笑)、捜査手順や経緯を重視するあまり、人間関係や個性の描写がかなりなおざりになっている感が否めないとも思いました。ネタをテンコ盛りにした関係上、それぞれの章のテイストによって一人称の視点が変わっても良いとは思いますが、例えば恋愛ネタなど話が尻切れトンボになってしまった感じもあり、ストーリー性としてはずいぶん損をしている気がします。
ラストにはとても驚きました。いや、負け惜しみでいうのではないですが、序盤の状態からいってそんな可能性も頭をよぎらないではありませんでしたが(笑)、事件と登場人物が複雑化していく中で忘れてしまったんです。(笑)いや、負け惜しみでないんですけどね。(笑)
舞台設定とストーリーテイストの多様さに、驚愕のラストが楽しめる一作です。
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『栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック』
http://booklog.jp/edit/1/4041008271
にこの話がほんのさわり部分が入っていて、続きがとても気になった、ようです。
当時、地域の図書館にはないし、アマゾンでみるとマーケットプレイスの高額のしかなく、読めずにいました。
すっかり『フローテ公園の殺人』のことは忘れてはいましたが
最近、ビブリア古書堂シリーズ本編が最終回を迎え、別のスピンオフ作品も読んだときに
4年前の自分の感想をみて思い出し
ダメ元でネット検索してみたら、復刊されていて読むことができました。
南アフリカ~第2の舞台・スコットランドと壮大な話でした。
残りページが少なくなっても、全く解決の方向が見当つきませんでした。
1975年の作品とのことで、おそらく現代の捜査では、ありえないことなんだろうと思いますが。