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2015/06/19 05:52

投稿元:ブクログ

今,私は早稲田大学で非常勤講師をやっているが,そこの社会学専任教員の石倉義博さん,そして以前関東都市学会の研究会で頻繁にお会いしていた東洋大学の西野淑美さんが執筆者として参加している本です。
謹呈本として私に送られてきましたが,手にした瞬間は「あ,震災関連本か」という目で見てしまいました。しかし実際に読み始めると,希望学とは東大社研(東京大学社会科学研究所)のプロジェクトで,すでに5冊が出版されているとのこと。そして,今回の釜石についても,震災以前の2006年からこのプロジェクトで訪れていたという。なので,もともとは研究ということではなく,以前からお世話になっていた人の安否を気遣う形で,震災後の釜石を訪れていたという。話を聞く間に,マスコミにも上がらないかれらの声を記録して行く必要があると感じ,プロジェクトが再始動したという。

序 釜石の希望学――震災前,そして震災後:玄田有史
第1章 釜石における震災の記憶:中村尚史
第2章 褒められない人たち:中村圭介
第3章 「持ち場」と家族:竹村祥子
第4章 釜石のある消防関係者の記憶:佐藤慶一
第5章 調査船の避難行動を担う――県職員(船員と一般職員)の場合:加瀬和俊
第6章 市職員へのサポート――復興過程における「補完性の原理」:塩沢健一
第7章 そのとき,政治は:宇野重槻
第8章 震災から避難所閉鎖までの5か月間の市民と市職員の奮闘:吉野英岐
第9章 「住まいの見通し」はなぜ語りづらいのか:西野織美
第10章 「住まいの選択」をめぐる困難さ:石倉義博
第11章 点と点,そして点――地域住民の希望:佐藤由紀
第12章 「ねおす」から「さんつな」へ:大堀 研
第13章 東日本大震災と釜石市――1年間のあゆみ:佐々木守
第14章 鉄の絆の震災支援――北九州市の活動:東 義浩
第15章 釜石と共に生きる製鉄所として,地域支援と事業の復旧に取り組む――新日本製鉄釜石製鉄所:(編集・解説)中村尚史

震災ものを本として1冊読むのは初めての経験。私自身,東日本大震災もテレビなしの経験だったので,正直知らないことが多い。そういう意味でも,本書の読書は事実を知るということだけでも引き込まれるものであった。400ページに及ぶ本だが,読書期間は短かった。
本書のタイトルで「持ち場」という言葉を用いているのは,マスコミなどでもあまり報道していない,地方公共団体の職員についてその実態を知らせることに重点を置いているからだと思う。市職員などがインタビューの対象として多かったのは偶然によるところが多かったようだが,想像すればある程度分かることではあるが,当事者たちの声を読むと想像とは違った生々しさを感じることができます。
本書から学んだことは大きく2つあります。一つが本書のタイトルに関わるもので,恐らく編者たちが訴えたかったことでもあると思いますが,被災後の市職員をはじめとする公務員の活動についてです。被災後,公務員たちは勤務時間という枠を外し,自らがやるべきことを「持ち場」として認識しながら,かなり長い時間そこから離れることができなかった。��らの家族よりも優先してその場にいた被災者たちの対応をする。なかには三日三晩眠らず,家族の安否を確認したのが1週間後などという人が当たり前のようにいたという。その一方で,かれらはその対応の遅さを住民に責められ,マスコミに叩かれ,ひたすら謝罪しながら任務を全うしたという。
もう一つは上記の私の知り合い2人が携わった,住居に関する報告から。震災で自宅を失った人が自宅をどのように再建するかという問題。こちらに関しては,私の想像力が及ばず,初めて知ることが多かった。ミクロなスケールでは震災復興というものがいかに解決しなくてはならない問題が多いのかを知った。
学術研究者によるこういう仕事って本当に必要なんだなあと,こういう研究ができない私は素直に感じた。しかし,その一方では,こういう仕事さえすれば,無条件に評価されるのではないかと穿った見方をしてしまう自分もいる。オーラル・ヒストリーとは最近また注目されている社会学的手法ではあるが,本書には方法論的な議論や学術的な抽象的議論(理論のようなもの)はあえて排除されているようにも感じる。このての深刻な問題を扱うにはあまりにも学術的な側面はむしろそぐわないとでもいうように。やはり学術研究って難しいです。

2015/05/30 09:00

投稿元:ブクログ

 先日、東大社研 編 による「〈持ち場〉の希望学: 釜石と震災、もう一つの記憶」を読み終えました。
 いつも行く図書館の新着図書の棚で目についたので手に取ってみました。
 以前、編者のひとり玄田有史氏の著作で「希望のつくり方」という本を読んだことがあったので興味を惹いたのです。
 本書の内容は、釜石を舞台にした東日本大震災の記憶を社会学的観点から記録したものです。タイトルには「持ち場の」という枕詞がついています。著者たちは、震災が起こった直後、まさに自分がいたその場を自らの「持ち場」として行動した人々に着目し、その姿を聞き取り、記録として残しました。

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