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私欲を満たすための短期的な利益追求ではなく、崇高な目的や価値観に基づいて自分の内側・外側両面に対する意識を高めることにより、「コンシャス・ビジネス」(意志ある仕事)を行うための要諦をまとめた啓発書。
コンシャスな社員とは、自責と主体性をベースに、短期的成功に囚われない誠実さや、常に学習者として振舞う謙虚さを持つ個人であり、コンシャスな企業とは、対話によるコミュニケーションをベースに、衝突をWINーWINに変える交渉や、適切な約束による信頼関係を風土として備えた組織である。そしてこれら全てに通底する要素として「EQ」(こころの知能指数)が不可欠であり、さらに感情面を掘り下げることで「利他」や「無償の愛」といった精神世界に到達するという。
理論自体は既存書籍からの引用も多く、それほど目新しいものではないが、豊富なコンサルティングやセミナー経験を通じて様々なクライアントと接する中で著者が直面した「言うは易し、行うは難し」という問題意識が本書の起点となっていると思われ、机上の空論や理想論ではなく、確かに幾つかの具体的な行動に繋がる、読み応えのある内容になっている。
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真の学びとは、自分の未熟さを知り、人の有り難さを知る事。
ビジネスにもっとも必要なのはコンシャスであり、そもそも業績とは、そこで働く一人一人が自分が望む事を形にできる能力をどれだけ身につけたかでしか測れない。
幸せや充実感は喜びではなく意味を見出す事。つまり、崇高な目的を追い求める事で得られる。
コンシャスとは、現実を正しく捉え、自分の内側と外側の世界の両方に敏感になれる意志力を指す。
意志を強く持てば、もっと周りに意識を向け、状況を的確に判断し、自分の価値観に基づいてゴールまでの道筋をたくさん考えられるようになる。
人間の存在意義にまつわる核心的な問いをじっくり考え、その答えを自らの選択に生かす事。
今の情報化社会に必要なのは、高度な知識を持つだけでなく、強い意志を持った社員を集める事。
コンシャスな社員は、自分のやる事に責任を持つ。目先の成功のために人としてのモラルを破ったりせず、本心で話し、相手の本心も尊重して真摯に受け止める。トラブルが起きた時には自ら答えを導きだし、自分の言葉にも100%責任を持つ。自分の心の声に耳を傾け、それを効率よく表現できる。
世界の400社8万人に調査した結果、世界的に有能な経営者は次の12個の質問に対して社員がきっぱり「イエス」と答えられる職場環境を創れている。
1.仕事で自分に何が求められているかがわかっている。
2.スムーズに仕事をする為のリソースや設備を与えられている。
3.自分の能力を毎日十分に発揮できるチャンスがある。
4.この一週間で仕事を成果を感謝されたり、褒められたりした。
5.上司や同僚が自分を一人の人間として大切に扱ってくれている。
6.職場に自分の成長を応援してくれている人がいる。
7.自分の意見が尊重されている。
8.会社の理念や目標にとって、自分の仕事が欠かせないものだと感じる。
9.同僚も質の高い仕事に打ち込んでいる。
10.職場に友人がいる。
11.この半年で成長したと言われた事がある。
12.この一年で仕事から何かを学んで成長するチャンスがあった。
部下のやる気を刺激するだけではリーダーとしては不十分。そのやる気を外的なものから内的なものにシフトさせる事。
一流の経営者の7要素。
一貫した責任感、真の意味での誠実さ、根っからの謙虚さ、心の通い合うコミュニケーション、建設的な交渉術、完璧な約束、心を味方につける。
経営者や投資家の大半はビジネスを三次元ではなく、モノとしの「It」の側面しかとらえていない。コミュニティ(結束、信頼、尊敬)としての「We」、社員一人一人(充実感と使命感)の「I」を同時に捉える事。
経営幹部の意識を変えるのが企業を改善する最も効果的な道。
ビジネスにおいて、コンシャスな風土を育む事は必須条件。風土は企業を陰ながら支える存在であり、良い風土が築けて初めて戦略、目標、使命は達成できる。だが、リーダーとしての地位を確立できた人物にとって、自分が適応してきたこれまでの会社の風土は非常になじみ深いものであり、その風土をどれだけ変えられるかが成功のカギを握る。���の為に欠かせないのは、強い意志、つまりコンシャスを持つ事。
尊敬、誠実、自由、愛と言った本質的な価値観を全力で貫く事。コンシャスになれた時、これらの価値観が幸せや心の平穏、自信、尊厳に欠かせないものだと気付く。
犠牲はラテン語では「神に捧げるsacrificium」
仕事も遊びも信仰も結婚も育児も全ては幸せになる為の行為。
仕事とプライベートを両立させるというよりも、両方があってこそ幸せになれると考えた方が良い。
ほぼ全ての宗教と文化に共通する6つの美徳は、知恵、勇気、愛、正義、節度、超越性であり、これらは幸せな人生の核。
成功ではなく誠実さが、勝敗ではなく、確固とした価値観が幸せをもたらす。
80%の人がもし余りあるお金があっても働くと答えているのに、その大半が毎日仕事が苦痛で仕方がないと感じている。
振り返ってみて初めて、あれほど避けたいと思っていた出来事が、実はかけがえのない学びであったと気付く。
我々は支配的モデルがまかり通っている社会に住んでおり、幼い頃から成功した時にだけ満足度を覚えるように教えられている事が、相互学習モデルへの切り替えを困難にしている。
仕事とは愛を表現することに他ならない。
コンシャスビジネスへの道は、悟りを得る旅路に他ならない。自分の価値感を貫き、相手と誠実かつ建設的に向き合えれば、本当の自分とこの世で自分が成さなければならない事に向き合える。
十牛図の10番目の絵こそが「愛をもってビジネスを成す」そのもの。
人は成長するにつれ、自分以外の存在に目が向くようになる。つまり、自分を社会の一員と捉えられるようになる。すると、自分と自分の欲求だけでなく、まわりが何を望んでいるのかを考えられるようになる。その対象は家族を始め、自分が属するコミュニティに及び、相手の立場に立って考えられる力が身に付いて行く。それがさらに進むと、自分とは直接関係のない人たち、ひいては地球規模の物事に関心が向くようになる(世界の15%未満)。最終段階は悟りの境地(世界の7%程度)。命あるもの全てに関心が向き、あらゆるものと心が繋がっていると感じる。周りの人を自分と同じように愛する事ができる。何故なら他人は自分という光が反射したものに過ぎない事を知っているから。勝負はもはや勝負ではなくなり、敵はもはや超えなければならない壁ではなく、愛する相手。
「この世は目に見える思慮深い神である」プラトン
互いに尊敬し合い、耳を傾け合える環境でこそ心が満たされる。
幸せは「幸せになりたい」と思ってなれるものではなく、誠実さと生きる意味を知ってこそ手に入るもの。利益についても同じ。最低のビジネス手法は金儲けの事しか考えない事。利益は顧客を大切にし、正しいリーダーシップが発揮された結果生み出される。
自分が何の為に生きているかを知る事から魂は生まれる。これこそが自己に気付いた人間が自分に問いかけなければならない事であり、それを知ってこそ自己から脱却し、より大きな目的の為に身を捧げられる。リーダーが、それが可能である事をきっちり示せれば、社員は殻を破り意味のある働きをするようになる。そして自分がしなければならない事を認識し、本当の意味で企業の一員になっていく。
死を意識すると、全てがかけがえのないものに感じられ、どんな些細な出来事も愛おしく思えてくる。そして今という瞬間を意識して過ごせるようになる。
変化に不安や悩みはつきものだが、それらは全て成長のサイン。
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ケン・ウィルバーが序文と帯を書いているビジネス書。ウィルバーはすっかりそっち方面の人になっちゃったのね。内容は,正直よく分かりませんでした。
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ビジネスはこうあっていいんだと自分の中にあるビジネスに対してのネガティブな意識を変えてくれた本です。