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小説の実写化はどちらかと言えばカンベンしてくれ派なのだが、この作品はどうだろう!実写でも積極的に見てみたいと思えるものだ。
テレビに出たい、という誰しも多少は抱く小さな小さな欲望とその切なさ、必死さをこんな丁寧に描いている作品にはそうそうない。
細かな比喩表現も秀逸。脳が自然と納得するのがよくわかる。
宮藤官九郎脚本で華々しく、細かすぎて伝わらない丁寧さを込めて実写化、というプラン以外は認めたくない!
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外食チェーンの人事部に勤める主人公は、自社CMに出演するチャンスを逃してしまう。自宅ではTVを見ない生活をずっと続けていたのだが、そのことをきっかけに「TVに出たい」欲がムクムクと湧いてきて、ついには劇団にまで所属するようになる。
一方、彼の娘は小学校のクラスを束ねるリーダー。正義感が高じてトラブルに巻き込まれていき、それがやがて父親の劇団や別の事件と一体化していく……。
自分や娘と年齢が近いせいか、それぞれタイプこそ違うもののやけに親近感を持って読んでしまった。主人公の恭一が最後に夢をかなえるシーンとそれに向かう執念が、忘れていた青春の1ページを思い起こさせるようでもあった。
とにかくストーリーのテンポが抜群で、会話もいちいち笑える。さすが松尾スズキ、としか言いようのない面白さ!
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出てくるそれぞれの自意識の高さ&視野の狭さが身につまされる
松尾色濃厚な、曰く『芸能界冒険活劇』。
体調不良と仕事初めからのストレスで読み進めるのに時間がかかってしまった
2015年最初の読了。
【図書館・初読・1/8読了】
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なんだろう、何かドタバタしていて今一つな感じだ。
2015.1.18
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(あらすじ)
物語は、主人公のサラリーマン(恭一)が遅刻して一目散に走っているシーンから始まる。
彼の会社(焼肉屋)のCMにエキストラで登場する予定だったのだ。
走りながら彼は、高校時代に似たようなことがあったようなことを思い出す。
CMに出そびれた彼は、本当は自分はTVに出たかったことに気付き、エキストラ養成のプロダクションに入学を決意。
同じ頃、彼の一人娘・エリカは、学校で探偵団を組織し、クラスで行われているカツアゲ事件について捜査していた。
やがて父と娘の物語はリンクしていき、予想外の大事件に発展していくのであった……。
エリカさんの物語の方は、最初は探偵ごっこのようなものでしたが、やがてサイコな危険人物が絡んできてシャレにならない本気の事件に発展。
お父さんの物語の方は、エキストラ養成所の話で、基本的にゆるいものでしたが、会社内の人間関係や精神衛生問題あり、ドラマ制作上の裏側のリアルな現実ありの、シビアな現実も描かれていて勉強になりました。
お父さんがTVにトラウマがあってTVを見ない事情は分かりますが、その奥さん(美津子)もまたTVが嫌いという事実には、悲しい過去が。
その悲しい過去について、2回に渡って描かれます。
その時の挿絵が、悲しい出来事について描かれているのに、不謹慎ながら、ギャグマンガのようで笑えてしまうのが面白哀しい。
悲しいのにこんなに面白くていいのか、と思っていたら、最終回でそのシーンが回想されます。あの挿絵がいい効果を上げています。
TVのない家庭で育った娘さんがこんなキャラに育った、というのも面白いシミュレーションです。
しかし、有名な子役を全く知らないというのはあり得るのでしょうか?
新聞や雑誌や友人との会話などで名前くらいは知っていても良いと思うのですが。
最後、一応はハッピーエンドで、主要人物はめでたしめでたしで終わることができました。
あと、その後が気になるのが、上司であります。
TVに出たいという一点で共感し、一時は仲良くなったのですが、その後、偶然の幸運状態が続く主人公に嫉妬して目の敵にするようになる。
恵まれすぎる主人公に比べて、努力はしているけど実らない、裏目に出てばかり、というやられ役の日陰の存在となるのであった。
この上司にもその後、いいことがあるといいですね。
あと、モテチンも。
TVに出られた人も
まだ出てない人も
引退した人も
再出発した人も
うまくいった人も
まだうまくいってない人も
(佐野元春 Christmas Time In Blue 風に)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20131228/p1
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久しぶりに寝る間を惜しんで読んだ小説。最初は松尾スズキらしい小ネタの応酬でダラダラと芸能界っぽい話が続いていたが、話が事件性を帯びてからはもう、息もつけませんで!
ただのどうでもよいネタ話が最後の最後、胸に迫る切な笑いに。まさか伏線とは…!
いくつになっても子どもが異常者に追い詰めららるシーンは怖い。気持ちが子どもにシンクロして恐い。年齢的には追い詰める方に近いんですが。
テレビに出たい、なんて気持ち、浅はかすぎて下賤すぎて、とはいえ悪くはなさすぎて、どう考えてもスポットを浴びにくい欲望。そこを愛しいと思いましたか松尾スズキ。老人賭博色もちょこっと。
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やー面白かったです。
最初なかなか面白く思えなくて途中で読むのやめようかと少し迷ったけど、エリカちゃんでてきたあたりからグングン面白さが増してきて私の大好きな疾走感を味わいました。
一冊読むのにいつになく時間がかかってしまったけど、読んでよかったです。
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やはり松尾スズキだというかさすが松尾スズキというべき作品『私はテレビに出たかった』を読了。怪作『宗教が往く』で打ちのめされたのは何年まえだったか忘れたが、今回もやってくれてます。話の展開がまずーパー早い。またばかばかしくなるくらいドタバタなのだが、さすが作者が役者でもある故か話の展開が見事に目に浮かぶような、映像を感じさせる文章でページが埋め尽くされているところがすごい。おすすめです。
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私は、むかしっから大人計画が大好きで、バイトしつつ舞台に立ってたころからクドカンの大ファンだけれど、文章だけは松尾さんのほうが好きだし、ウマいなあ、といつもおもう。テレビブロスを買ってたころだって、いつも一番に(ていうか、一番最初にあるから、ってのもあるけど)松尾さんの連載を読んでた。
やっぱすごい。ほんとに笑えるし、お話はファンタジーでも伝えてることはとてもリアル。人と弱くて汚くて目をそらしたくなる部分を、笑い飛ばしながらも温かく見つめて、人間て愚かでかわいいな、と思わせてくれる。そういうところがみえる人って魅力的だな、とも。
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2015.6.16
久しぶりにこういうバタバタしたエンターテイメントのを読んだ。
後半の畳み掛けるような展開が非常に楽しい。
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面白かったです〜『老人賭博』の登場人物もイィ味出してます。初めは芸能界に憧れつつ上手くいかないお笑い系のお話と思ったけど、家族愛ありミステリーあり…で引き込まれました。
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何とかテレビに映りたくて奔走する、中年サラリーマンが主人公。
さえない中年が四苦八苦、毎回あと一歩のところでテレビ出演を逃し続ける前半のどたばた劇は、荻原浩のおかしさにも似ている。
これが途中から一転して、小学生の娘を取り巻く事件が勃発。子役もからめて上手くつながってはいるのだけれど、こちらに比重がかかりすぎ、前半の笑いが失速してしまったのは残念。タイトルどおりの路線をメインのままに突っ走ってほしかった。
それから、上司のその後も見たかったな。
作者について、テレビでのとぼけた味のある演技や、大人計画を率いていることは知っていたけれど、小説を読むのはは初めて。芥川賞候補にもなっているので、その辺りも読んでみよう。
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著者の作品、映画くらいしか、見たことがなかったので、新鮮だった。
テレビに出たいやつなんて変態だと言っていた人が、実は一番テレビに出たがりだった。
こういう矛盾が、人の中には溢れていて、自分でもその矛盾に気づかないことが多い。そして、苦しめられているのにも気づかないこともあるが、心ではどんどんその欲求は大きくなってきていて、いつか破裂してしまったりする。
物語は、いろんなところに盛ってあったりあり得ないような設定をしてあるが、随所に現れる、先に述べたような人の本質のようなものを表現している部分については、特別な人の話ではなく、自分の身の回りもしくは自分の中でも起こりうる話なのかもしれない。
たのしく読めた。
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この作者、気になってたが、初読でした。ドタバタは好きじゃないが、これは面白い。話が作り込まれてると感じた。
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テレビに出たくないやつは変態だって言葉はなんとなく分かる気がした。私もなんだかんだ言って映りたい!!色々な事件も沢山起こしながらも面白くハッピーに終われてよかったです