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2つの短編と1つの中編からなる「ジョーカーゲーム」シリーズ。
本著のタイトルを3篇の中から選ぶのではなく、2話目の「舞踏会の夜」から採られたと思われるところがお洒落。
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時代が進んで戦争行為そのものが始まってしまうとスパイの存在意義が少なくなっていくだろう。しかも大戦時の軍国主義に染まった日本においてはスパイによってもたらされた情報が正しく評価されずらくなっていくだろうという中で、本シリーズを更に続けていくのは設定として辛くなっていくのが自明ではある。流石に一定のクオリティを保っているが戦争末期まではいかなさそう。
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現在、実写映画公開中のジョーカー・ゲームシリーズ最新作「ラスト・ワルツ」。
表紙に描かれたスーツ姿の結城中佐の背中が、なんとも渋い。
そういえば実写映画の方は結城中佐を伊勢谷友介が好演していて、この表紙はともかく、文中で登場する結城中佐はもうすっかり彼の姿で変換されるようになった(笑)
さて、ラスト・ワルツである。
ある意味、シリーズの「起承転結」の「転」に当たるだろうシリーズ4冊目となる今作は、収録話数が3つと、これまでのものに比べたら2話分少なくなっている。
つまり、一話一話の話がちょっと長め。そういうことだ。
本のタイトルであるラスト・ワルツは、その真ん中、二番目にドーンと登場してくれる。
恐らく、表紙も相まって、このラストワルツを踊るのが誰なのかは、シリーズをずっと読んできた人はすぐに分かることだろう。
作中、一度たりともその名は登場しないものの、あたかも作戦中のD機関のスパイがかき集めるような断片的な情報から、それが彼の人であることは疑いようがない。
そしてこうも思う。
「やっぱりこの人、超かっこいい!」
ダブルジョーカーの「柩」を読んだときも大層震えたものだが、やはりこのシリーズは彼の存在あってのものだと痛感させられた。
やることなすこと、やってきたことなしてきたこと、全部かっこいいってんだからホントに憎い!
要するに、この話は、読者にもなかなか語られない彼の人の過去をまた少しだけ知ることができる貴重な一話だったということだ。
実は前作「パラダイス・ロスト」がちょっとつまらなかったわたし。
1作目ではがっつりD機関側を、
2作目ではD機関に嵌められる側を、
3作目では第三者からを、
それぞれ描いているようで、これまでの3作は全て視点が異なる。
当然なのだけど、やはり、D機関をがっつり描いてくれた方がD機関好きのイチ読者としては嬉しいわけで、必然、1作目(ジョーカー・ゲーム)が今のところ一番面白かったという評価になる。
そして4作目、これは視点が全てミックスされていた。
つまり今までの3作で3つの視点を描き、今回はその3つの視点でそれぞれの話を書いた=3話収録、そういうことなんじゃないだろうか。
結論からして、正直面白かった。
3点と4点の狭間で、でも1作目には及ばないという意味で3点を付けたけれど、気持ち的には4点でもいい。
ラスト・ワルツの次に収録されている「ワルキューレ」という話がある。
この話を最後まで読むと、どうしてこの本のタイトルがラスト・ワルツなのか気付かされると思う。
ラスト・ワルツは何も、二番目の話だけを意味しているわけではなかったのだ。
これまでD機関は破竹の勢いで陸軍内部での地位を築いてきた。
けれどそれは、あくまで日本国家という国が主体性を持って存在して初めて成り立つこと。
ワルキューレの主人公は最後にこう独りごちる。
――少し遅い。
――日本は、もはや手の施しようがないところまできている。
ゆえに、「D機関の連中がいくら優秀なスパイだとしても」日���という国の落としどころはもはや見つけられない、と。
この言葉は、シリーズが舞台としている時代背景を鑑みるに、なるほど的を射ていると言わざるを得ない。
いよいよきたか、と思った。
さてそろそろ、このシリーズのクライマックスが来るか、と。
何事も、終わる前が一番盛り上がるものだ。
何故なら、盛り上がったからこそ落ちる(=終わる)ことになるのだから。
パラダイス・ロストで描かれたミクロ視点でのD機関の危機なんかじゃない。
もっとマクロの、如何ともしがたい時代の趨勢によって訪れる危機……それによって、どうやらD機関は終わりを迎えることになりそうだな――。
それが、今作を読み終えたわたしの率直な感想だった。
最初に、「ある意味、シリーズの「起承転結」の「転」に当たるだろう今作」と言ったのは、まさにこれが理由だ。
そういう意味で、今作は是非シリーズ好きな方に読んでもらいたい一冊。
余談だけど、映画公開に併せて「ジョーカー・ゲームの謎」という本が出版されている。
これが非常に面白い!!!
スパイの歴史を(偏った思想で・笑)解説してくれていて、日本のスパイの発端が江戸御庭番に遡るだとか、幕末の御庭番が果たした役目だとか、ちょっと幕末好きにもたまらない内容がてんこ盛り。
(ついでに言えば黒田藩校の母校の名前まで出てきてビックリ!)
より深くシリーズを楽しめると思うので、暇な方は是非一読をお勧めしたい^^
それにしても結城中佐、ホントに格好いいね(*´Д`*)
実写の伊勢谷さん演じる結城もめっちゃ格好いいし、是非実写の方も続編「ダブル・ジョーカー」お願いします!
あ、「柩」は是非とも、入れてくださいね(笑)
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読みやすくて、サクサク読めました。
結城中佐を匂わせた部分が今回はちょっと少なめかなと感じました。
結城中佐は改めてすごいと思えるエピソードもあり、そしてかっこよかったです。
どの話も最後の真の目的の部分は、予想をいつも裏切られました。
このシリーズはもっと読んでみたいですね。
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ジョーカーゲームシリーズ最新作。安定感のある作品ではありました。ですが、今までの作品並(あるいはそれ以上)の出来を期待してしまうと、ちょっと物足りなさも。
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相変わらずの面白さ。文句なしの質の高さ。もっと続きが読みたいが、泥沼の戦争に巻き込まれてしまう姿は見たくないかも。
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D機関と呼ばれるスパイ組織が旧日本軍に存在し暗躍していた。ある者はロシアを、ある者はドイツを相手に任務を遂行していた。そこで起こる暗殺事件や情報漏洩。D機関のスパイは目立たぬよう事件を処理していく。
描かれる時代が太平洋戦争突入に近づきスパイの活躍出来る時期の終わりが近い。そのためか前作以前に比べると雰囲気が暗い。それでもスパイが暗躍する様は格好良い。007のような派手さは無いが楽しめる。
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「ジョーカーゲーム」シリーズ最新刊。二つ短編と一つの中編。今までと趣の違うエピソードで全く飽きさせず一気読み。このシリーズが秀逸なスパイミステリーだと改めて。映画化でスパイを亀梨が演じてるらしいがちょっとイメージが違う。
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「ワルキューレ」の、ちょっと芝居がかった感じが楽しい。三谷幸喜の『マジックアワー』思い出しちゃった。笑
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ネタ的には段々苦しくなるだろうから、柳さんも資料集めとか大変だろうなあーとか余計なことも考えてしまうのですが、今巻もかっこいかったです!
瞬読。
どんどん続いてください。
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D機関が暗躍する「ジョーカー・ゲーム」シリーズ最新作。
時代は確実に動いている。
情勢は刻々と変化している。
ああ今回も面白かった。
騙されたし、騙されなかった。疑ったし、信じてた。
「アジア・エクスプレス」のような列車閉鎖状況って好き。
そろそろシリーズを初めから読み返して、彼らの諜報活動をもう一度振り返りたい。
歴史の大きな流れにそって。
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ジョーカー・ゲームシリーズ、4作目にして相変わらずのクオリティの高さです。今回もスパイたちの騙し騙されの激しい頭脳戦に、ワクワクドキドキさせてもらいました。ほんま切れ者揃いやわ、D機関の面々。
しかし物語の中に確実に時間は流れており、日本の情勢は大分苦しくなってきております。このシリーズ、日本が敗戦するところまでやるのでしょうか・・・。
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てっきりコナンくん的に半永久的に続いてくものと思ってたので、時間軸をはっきりさせたことに少しの驚き。戦争の終結、D機関の終焉をどう描くのか、俄然興味がわいた。結末を期待できる本があるというのは幸せなものですね。
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シリーズ全部好き。D機関の人がたまに人間味が出るところと、こいつ絶対Dの人だと思ったらミスリードのときが好き。
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んーふふふふ。たまりませんなぁ。
ったくスパイってどうしてこんなにかっこいいんでしょうねぇ。
舞踏会の夜に、若かりし中佐と踊りたいもんだ。