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なかなか入り組んでいて難しいけれど、基地問題の見えてない側面を知ることができた。悲劇と癒しの島というレッテルを貼られたその奥には、深刻な貧困の問題がある。辺野古移転を反対しているのは、辺野古以外の人たちというのもまったく知らなかった。上層部の人たちは、基地問題をつらつかせながら、資金を回させようとする。構造的差別の問題。沖縄ジャーナリズムは、2つの新聞に牛耳られ、内地のものはなかなか入り込めない。片鱗しか理解できなかったが、もっと知りたいと思った。
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日本のマスコミが絶対に放送しない内容で、とても興味深かった。
普天間基地にしても、辺野古にしても、反対してるのは沖縄の人ではないということは知っていたけど、全てお金の問題だということには驚いた。
反対すればするほど、補助金を釣り上げることが出来、釣り上げることが出来たらそれが成果につながる…なんて、なんて陳腐な争いをずっと続けるのだろうか。
しかも、辺野古移設はサンゴ礁の破壊につながるからダメだと現知事は言っているが、それと同時に那覇空港増設という自らサンゴの海を破壊することは平気でする。
沖縄の現状がおかしいことを、早くみんなに知ってほしい。
また、今回息子の中学の文化祭で、3年生がやっていた沖縄の寸劇にとても違和感を感じた。
それは、アメリカが沖縄に上陸してきて、日本兵にどれだけ怖い思いをさせられたかという寸劇だった。そこには、日本兵の悪さと沖縄の人たちの辛さだけが描かれていて、アメリカ兵のことは何一つ演じられていなかった。
3年生は修学旅行で沖縄に行ったのだが、正しい歴史を教えようとせず、ただ日本兵が悪い、日本が悪いという教えはいいかげんやめてほしい。
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複雑に絡み合った利害関係だったり、普段触れる機会のない情報に触れたり出来ました!
全てが動き出す一番の事態は、基地が減ること。これからもずっと色んな話を収集していきたいです。
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同僚のNくんから「読んでみる?」と半ば押し付けられた本ですが、沖縄に関するものの見方を少し違う角度から俯瞰して書いているようで、こういう考え方、見方もある、という感じの書き出しです。
いつものごとく、まだ読みかけて半分も進んでいませんか、読み切ったらまた書き足そうと思います。
一通り読みきりました。そして、これは不都合な真実でもなんでもない、ただの真実のある側面を描き表しているにすぎないと思いました。沖縄にある格差の固定化、拡大化は沖縄に目立ってみえたものかもしれないけれど、沖縄だけではなくどこの土地にも微妙に形を変えながら存在するのでは?と考えてしまいました。
深刻さの程度の違いなのかもしれない、そしてその程度が著しく大きいのかもしれないとは思う。だけど構造的な格差というのは日本の国の津々浦々まで行き渡っているんじゃないだろうか?と思います。沖縄にある格差の根源をことさら詳細に捉え、表現するならこの本の内容のようになるであろうし、それを不都合な真実、というと全国のいたるところに不都合な真実があることになるんだろうな。福岐阜県の不都合な真実、愛知県の不都合な真実、三重県の不都合な真実…
無意味だとか偏っているとか言いたいのではありません。こういう表現をすれば不都合な真実というのはどこにでもあるであろうし、一般にあまりえぐって見せない視点というのを一貫してあぶり出しているこの作品も知っておく必要があると思うのです。都合がいいことばかりじゃないし、いい人ばかりでもない、いろいろな人がいて、いろいろな価値観があって、物を裏の裏まで知っている人もいれば表層的にしか素人しない人もいる、ということに気づくことがまずは大事なんじゃないかと思うのです。
沖縄を題材にして、多くは語られない側面から沖縄を語っている作品として、沖縄について考える(語る)前に読んでおくといいかもしれません。
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沖縄の基地反対運動について、実際は、運動に参加している層は公務員の労働組合の人間が多数を占めていること、沖縄の官民の給与格差が大きいのにも関わらず、国からの振興金が公共事業に使われ、本当に必要とされていることに届いていないこと、などを主張し、沖縄の構造的差別とそれをもたらしている層を批判する本。
安全保障云々の問題から沖縄の基地問題を考えることが多かったが、本書のように沖縄経済や社会構造に焦点を当てている本に出会うことはなかった。その意味では貴重な本だと思う。沖縄の基地をめぐる問題は沖縄の社会構造や歴史、伝統に関わる難しい問題であることを痛感した。
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米軍基地があることで沖縄経済がなりたってる
ところもあるのかな。
沖縄振興予算
土建利権
軍用地借地料
中国の工作、影響をもっと知りたかったですが。
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基地をめぐる沖縄のリアクションにどこか病んだ雰囲気を感じてはいましたが、本書を読んで完全に病んでいるとわかりました。
基地をめぐる沖縄の反応の裏には吐き気がするような利権構造が横たわっている、それはわかりました。しかし一番驚かされるのは(対米課題や基地問題といった外政ではなく)沖縄の内政状況です。これまで数兆円規模の振興予算が注ぎ込まれたにもかかわらず沖縄内政は圧倒的な格差を生んでおり、(ジニ係数をはじめとした)さまざまな指数にそれがあらわています。基地問題によってある意味それがマスクされている。
色々と参考になった1冊でした。
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翁長知事の言動が、どうにも腑に落ちない。「オール沖縄」って、沖縄県民って、そんなにひとくくりにされる県民性なの? 辺野古の移設取り消しの理由にある、法的に瑕疵があったと思われるって、言う「思われる」って何? なぜ国連人権委員会で演説なんてしたの?
てなことで、読んでみた本。ただこの本は1月に出版された本なので、これらの疑問に対応した答えを用意しているわけないので、一応お断りを。でもなんとなく構造が見えてきた。
ざっくり言っちゃうと、沖縄には基地と振興予算をめぐる巨大な利権があって、一部の人たちにしか金が渡らない。だから格差社会化している。全国ワーストの生活水準の原因は、政府と一部の沖縄の既得権益者の強固な地盤を崩すことができないから、というような主張。
それでもって、オール沖縄とかいうスローガンのもと、すべての責任を政府や本土へ押し付けるのは、沖縄内部にある腐敗構造から県民の目をそらせるためで、なんの解決にもつながらない、ということが言いたいのだと思う。
翁長知事もその既得権益者からの支持を取り付けたから当選したのであって、県民の目を欺くことに一役買ってる、とまでは言ってないけど、ニュアンスとしてはそんな感じ。
詳しくは本書を読めばわかるので、深入りしない。
基地を無くしたら沖縄は豊かになると県民は思っているのかもしれないが、基地を無くさずこのまま振興予算を獲得し続けたいという既得権益者たちの影響力が強いので、まずそこを倒すことに目を向けなくてはいけない。
でも、こんなこと言おうものなら、こっぴどく叩かれるらしい。沖縄内部に原因を求める良識ある沖縄言論人の言葉も新聞や出版界では封殺されるようだ。許される発言ではないけど、百田尚樹が沖縄の新聞社を潰せと言った背景がわかった。
間違いなく、この本は沖縄では売れない!
もしかしたら本の流通経路から弾き飛ばされて店頭に並んでさえいないかもしれない。
でも、この本は本土の人間がいくら納得したところでほとんど無益。沖縄県民が読まないと意味がない。沖縄県民が変えるしかない問題だから。
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沖縄批判ではない。
既得権益を貪る「公」の体制の問題提起な一冊。
癒しの島、自然の楽園。そうした側面があるのも事実だが、この一冊を読むとそれらは瓦解するかもしれない。いや、それこそ沖縄幻想。本編でも書かれているが。
もはや、地場産業は公共事業と呼べる。
自主財源25%の沖縄と財政赤字千兆円の日本と、ズブズブの関係にアメリカが宜しくどうぞ。
基地返還が叫ばれるが実際、まったく使われていない基地に数千億円の税金が注入されている。振興資金でジャブジャブ。基地を置いてもらわないと、地主含め、特権階級の懐が温まらない。
沖縄における公務員がヒエラルヒーの頂点に立つ歴史的背景は琉球王国時代に遡るという。二人の農民で一人の士族を養うという恐ろしい隷属文化がいまだに脈々と続いていると。
本書は決して、沖縄を批判しているわけではない。対岸の火事ではなく、目を向ける良いきっかけになるように思う。
日本であり日本に非ず。
ウチナンチュがナイチャーと使うのも、少しばかり分かる気がする。
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文字通り沖縄の経済や米軍基地問題などについて解説した一冊。
従来の本土側からの見方だけではなく、沖縄側からの見方を知ることができて良かった。
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日経新聞支局長と元大学教員により、沖縄について書かれた本。一般の人が知らない沖縄の事情を詳しく調べ上げ、丁寧にまとめていると思う。人物名もはっきり書かれており、データも詳細で参考になった。
「基地の見返りとして沖縄に配分されている巨額の振興資金を含めて「公」や「権威」に依存して自立への道を自ら封じている保守的な沖縄の体制と、その体制を事実上支えている日本政府の姿勢が問題なのです」p16
「基地の見返りに投入されている振興資金は、保革を問わず沖縄では大歓迎されます。振興資金は、基盤の脆弱な沖縄経済を支える屋台骨だと考えられているからです。辺野古のある本島北部にも莫大な振興資金が投入されました。が、振興資金も特効薬ではありません。一過性の、麻薬のようなもので、それがなければたちまち痛みが出てきます。病巣は放置されたままです。振興資金は、一部の人たちを利するだけで県民全体には浸透しないという問題も抱えています。復帰以来、11兆円という巨額の振興資金が投じられてきましたが、全国最高の失業率と全国最低の県民所得、そして全国でいちばん深刻な所得格差は一向に改善しません。沖縄にとって最大の問題である「貧困」は、辺野古移設問題の陰に隠れて、表に出てくることさえ稀です」p16
「沖縄には、自分たちの現状を変えたくないという、真の意味での保守的な社会集団が存在するということです。「基地には反対だが、基地の見返りである振興資金に依存する公主導・官主導の経済はこのまま続けたい」という集団です」p17
「沖縄の基地を減らせば減らすほど、特別な振興予算もガソリンや泡盛の特別な減税措置も大幅に減らせます。沖縄振興だけのために1000人の職員がいる内閣府沖縄総合事務局も、沖縄振興のためだけの銀行である沖縄振興開発金融公庫もなくせます。その分、国民の税負担は減ります」p27
「(辺野古移設)沖縄側のキーマンは建設会社、東開発会長の仲泊弘次氏でした」p31
「(アメリカ統治「琉球列島に関する民事ハンドブック」)「琉球人は粗野な振る舞いから、日本人に「田舎から出てきた貧乏な親戚」と差別されている。潜在的な不和の種は政治的に利用できる」米軍は、「琉球」「琉球人」という言葉を多用して、本土と沖縄は違うという意識を植え付けます」p68
「琉球大学は米国主導でつくられ、創立記念日はリンカーンの誕生日です」p68
「米兵が「胡屋」「古謝」を誤読して定着した「コザ」が好まれるのも、米軍の上手な沖縄支配の名残でしょう」p69
「一見「反戦」に見える沖縄の声の本質は「反日」です。その結果、本土と沖縄が分断され、基地問題が内政問題化してきました。そのことは、在日米軍の安定運用を図る米国の狙いとピタリと重なっています」p70
「米軍基地の割合は本土77%(789平方km)沖縄23%(232平方km)です。本土には沖縄の3.4倍の米軍基地があります」p71
「沖縄以上の住宅密集地に米軍飛行場がある本土の普段の生活を是非、見てほしいと思います。そうすれば、なぜ日本一危険な米軍基地が、実は普天間ではなく厚木だと言われているのかがわかるはずです」p72
「普天間基地は終戦時の1945年に完成しました。一方、ニュースな��でよく取り上げられる普天間第二小学校は、その24年後の1969年に宜野湾市が危険を承知であの場所に建てたものです。軍事飛行場に隣接して小学校を建てた例は、世界でも沖縄だけだと思います。最も驚いたのは普天間飛行場所属のパイロットでしょう」p75
「県内市町村所得ランキングの上位を占めるのはすべて基地のある市町村です(1 嘉手納町、2 北谷町)。所得伸び率を見ると、トップは東村、2位は嘉手納町でした。つまり、基地さえなくなれば経済成長できるという話はこれらの数値を見るだけで眉唾だということがわかります」p87
「(沖縄は)高失業率・低所得が定着し、経営者が圧倒的に強い前近代的な弱肉強食の資本主義社会になっています。琉球大学OBのエリートを中心とした閉鎖的な支配階級が県内権力と一体化しているため、沖縄には県内権力を批判するマスコミや労組、学識者などの左翼勢力が育ちませんでした。女性や子供、障害者ら社会的弱者が放置され、中小、零細企業の労働者は搾取されています。これが沖縄における最も深刻な基地被害です」p90
「多額の税金をつぎ込んで実施されてきた振興策は、目だった産業をつくれませんでした。公民館やホール、公園や野球場、運動施設、大規模な観光施設などに使われ、中小企業や個人には回らず労使関係をゆがめました」p92
「(日本銀行那覇支店レビュー)県内ではオーナー企業や中小企業の割合が高いこともあって労働組合の組織率が全国比で低いことが挙げられる。この結果、雇用・賃金に関する経営サイドからの不利益案件が、大きな抵抗もなく実行されており、こうした労使関係の枠組みが、県内の労働分配率の低さなどといった取得環境の悪化に繋がっている」p93
「沖縄のジニ指数は0.339と全国一です」p94
「所得が1000万円を超える納税者の割合が、沖縄は10.2%で全国9位。ベスト10で大都市圏でないのは沖縄だけです」p94
「支援なし民間学童保育は7割が沖縄。子育てへの支援が日本一貧弱です。盲、聴覚障害者養護老人ホームの未設置、自治体のバリアフリー構想ゼロなのも沖縄だけ。NHK受信料を支払っている世帯は42%。五割を切るのは沖縄だけ。年金加入率も最下位。給食費の未納も日本一です。離婚率は9年連続ワースト。生涯未婚率は男性22.3%(1位)、女性9.7%(2位)。「日本で最も結婚が難しく離婚しやすい県」のイメージがすっかり定着しています」p94
「沖縄だけは県版がないので、沖縄の記者は全国紙に地元ニュースを出し抜かれる心配がありません。だから、全国紙の影響を受けずに県当局と一体化した紙面がつくれるのです」p109
「(利権問題)本来なら沖縄のメディアは、率先してこれらの問題に本格的な調査を行い、沖縄に流れ込む基地関連の金をめぐり政財間の癒着構造ができていることをあばくべきではないのか」p110
「(沖縄の)企業所得はほぼ全国並み。ところが、資産所得比率は大阪(2位)、東京(3位)を引き離してダントツ1位です。資産所得の4割が基地使用料で、地主約4万人のうち年間100万円以上の使用料を受け取る地主が46.2%(約1万8000人)存在します。これも、沖縄経済を歪める大きな要素です」p124
「年収300万円未満の家計は50.14%で全国一」p125
「①所得が公務員に偏在している ②所得上著し��公民格差が存在する ③政治的影響力のある公務員が経済的イニシアティブを握っている ④結果として「民」優位ではなく琉球王朝以来の「公」優位の経済社会が温存されている」p138
「沖縄は県土に占める埋め立て面積が全国で最も多い県ですが、観光資源である美しい海を自らつぶすのは、建設、土木、砂利、コンクリート、建設資材、運送業など裾野の広い建設業界で生計を立てる県民が多いためです」p147
「(辺野古移設反対運動)自治労沖縄、沖教組、沖縄国家公務員労働組合など公務員系の組合が主力です。大規模な民間労組がない沖縄では、労組といえば公務サービス関係の労組を指しています」p153
「守られているのは、オール沖縄の「県民益」ではなく、「公務員益」であり、「組合益」であり、一部の「企業益」であり、「政治家益」ではないでしょうか」p173
「自分の本を地元の出版社に依頼して自費出版しようという思いも叶えられないほど、沖縄における「表現の自由」や「言論の自由」に対する意識は麻痺しているのでしょうか」p191
「日本による沖縄差別を問うのであれば、沖縄本島による奄美・宮古・八重山地方に対する差別と収奪の歴史にも「落とし前」をつけなければなりません」p205
「大事なのは被害者沖縄に寄り添うことではありません。沖縄の基地を減らし、見返りの振興策と減税措置をなくすことです。沖縄に基地があることは、膨大な税金を消費するのですから本土にとっては経済的にはマイナスなのです。このことが理解されれば、「沖縄の基地を減らせ」という声は沖縄よりもむしろ本土で強まると思います」p213
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沖縄の米軍普天間基地の辺野古移転に対し、多くの沖縄県民が反対しているかのような報道のされ方が多いが、実は賛成派も多くいる。県外に移設されると困る人も多いようだ。オスプレイの危険性についても、他のヘリと比べて危険というわけでもなく、報道にバイアスがかかっているのだろう。厚木基地のほうが普天間よりもよほど危険らしい。新聞報道、テレビ報道は鵜呑みにしないほうがよいだろう。特に朝日新聞か。
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本著を読むと沖縄という地域がいかに悪しき意味で「中国的」かがわかる。すなわち、政官財の癒着、権力べったりのマスコミ、歴史的に見た士族(つまり役人)の割合の多さと庶民との格差、琉球大サークルによる支配、等々。県内の格差状況に関してのシビアな分析もタイトルにふさわしい。
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基地の巨額な振興資金、基地被害としての格差と貧困、米国による沖縄ナショナリズムの醸成、全基地返還による経済効果試算の非合理さなど、不都合な事実たち。一番怖かったのは、沖縄の政治家が容易に「県民の総意」と発言すること。実際、普天間基地の辺野古移設に関しては、容認派・反対派はほぼ真っ二つ。民主主義の対極にある異論は認めない風潮、更にはヘイトスピーチ現象に見られた沖縄と日本間のナショナリズム衝突が、事の本質をどんどんボヤかしていきそう。今、百田尚樹氏の発言も話題ですし、これを機に沖縄問題を知りたい方に是非。
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沖縄の基地問題というのは、押し付けられた苦行のようなイメージがあった。
だが本書は、それは振興費をぶんどる茶番だという。平和をうたう地元メディアもその一翼を担っているのだという。沖縄県の住民がみな、というわけではない。
超格差社会沖縄の支配階級が起こすカネと利権のお話。オール沖縄で基地に反対、などというのは、この本を読むとさっぱり信じられなくなる。基地問題は防衛・安全保障問題ではないのだ。お金の話に他ならない。
もっというと、「茶番」。
沖縄には左翼がいないのだそうだ。労組・メディア・学識者もみな権力と一体化。しかし一般市民は貧困にあえぐ。不可思議な構造だ。これも基地があるからなのか。こうだから基地があるのか。
そういう、僕が誤解しているような沖縄像は、本土のメディアが作ってきた。新興費を引き出す格好の材料として。そしてタチの悪い善意が当たり前のしくみを破壊する。この辺は、沖縄以外でも起こりそうな問題だ。
書かれていることが皆事実なら、たしかに不都合な真実だ。地方創生とか、○○に寄り添って、なんて言葉をよく聞くが、この本を読んだ後に聞いたら本当に気持ち悪くなりそうだ。