紙の本
怪奇趣味を取り入れたミステリー
2015/08/22 10:03
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
祖父の書いた怪奇小説と、祖父の遺言で訪れた村で過去に起きた事件がオーバーラップしながら話が展開していく。旧仮名で書かれた怪奇小説が作品の特徴のひとつにちがいはないだろうが、私はあまり好きになれなかった。それよりも、主人公が訪れた村で出会った少女と意気投合してどんどん昔の事件にのめり込んでいく展開が、できすぎとは思うものの読みやすいテンポで楽しめる。絵の予備校の先生への恋心ネタなど、いまひとつかなと思われる要素もあったが、全体の雰囲気としては悪くなかった。ミステリーとしてはまとまっている。
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旧仮名遣いと、ラノベ的というかケータイ小説風(?)語り口の使い分け&書体の変化に戸惑うも、なかなか面白かった。
ただやっぱり現代と過去の部分が水と油、交じり合わない感は否めず、これは大人の意見ということになるのかなあ。
次の作品も読んでみたいと思う。
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文体がずいぶん違う。
冒頭では戸惑いました。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12016222087.html
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最初は読みにくかったけど段々と引き込まれた。ドロッとした内容なのに読後感はとても良かった。デビュー作としてはすごく良いと思います。次回作にも期待。
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作家の出身地の岩手県が舞台の話。
主人公の紅の祖父が書いた小説。その小説を持っていたある村の祖母の孫娘泪。二人で過去の事件を追う。
過去の小説や手紙とのリンクは綺麗に繋がっていた。
綺麗繋がり過ぎかも?
昔の漢字は難しい!
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構成が素晴らしい。
小説家だった祖父の作品を読み進めながら、教師を辞めた孫がその謎と真相に迫る。
旧字が混じった祖父の小説は読むのに時間がかかる。一方で現代の孫の部分はとても軽い文章(いわゆる砕けた表現)で書かれており、ドンドン読み進められる。
話が並行に進む構成は数あれど、読ませ方や読むスピードが異なるもので構成したあたりは、とても素晴らしい。
ストーリー自体の土台もしっかりしており、読み応えはある。
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小説家の祖父が遺した手紙に従って遠野を訪れた私は、旧家の屋敷で起きた難事件の解決に乗り出す。旧字体を駆使した昭和怪奇譚的テイストとラノベ的文体を併せもった新鮮な表現力に、選考委員の伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介も脱帽。第一回新潮ミステリー大賞を受賞した、25歳の新鋭登場!
帯留めを探して欲しい―売れない小説家だった祖父が遺した手紙に従い、仕事を辞めてひきこもっていた私は、遠野を訪れる。この地の旧家で起こった80年前の不可解な殺人事件。それは祖父の怪奇小説『サナキの森』に描かれていた「呪いによる殺人」に酷似していた…。これは偶然の一致か?祖父は何を知っていたのか?時空を超えた謎解きが始まる
紅の祖父(売れない作家)の本を整理。封筒を発見。遠野の祠に隠した帯留めを探して欲しい。祠を探すと女子中学生と知り合いになる。祖父の作品の読者。祖母と祖父が文通をしたいた。死んだ男と結婚する女の話。近親者の葬式以外は外出できない。
密室の謎は鍵の入れ替え。姑の食事への異物混入は自作自演。娘と祖父の友人小野の駆け落ちをじゃましたのが祖父。
祖父が書いたラブレターが利用された。
高校時代の美術予備校先生が謎をとく。
中学教師をやめた27才の紅は告白するが失恋。
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オタク女子である主人公の事件を通しての再生&友情を横糸に、亡くなった祖父の奇妙な依頼から端を発する80年前の密室殺人の真相解明をメインプロットに”瞑婚””サナキ”という土着の儀式、民間伝承をガジェットとして配し一気に読めるサスペンスに仕上がっている。
一方で主人公と女子高生の友情がリアルな会話で書きこまれているので陰惨な感じはなく、さっぱりとした読後感になっていて、ここらのバランスのとり方が絶妙。
ジャンル的に言えば、横溝正史や三津田信三辺りの流れだけど、向こうが陰とすればこちらは陽になる感じ。
敢えて難を言えば、祖父の文章があまりにも読みにくいこと、ヒロインの心象が本筋とは関係ないモノローグで都度都度説明され、少し過剰な点。
しかしこれがデビュー作でこのレベルと言うのはスゴイ。まだ若い作者だし次回作が楽しみ。
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祖父が遺した怪奇小説『サナキの森』に挟まれていた手紙に導かれ遠野を訪れた27歳の荊庭紅は、旧家でかつて実際に起こった密室殺人事件の真相を、その家に住む中学生の東条泪子と一緒に探ることになる。遠野を舞台に「冥婚」という風習を絡めながら、事件の謎を解決していく。
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伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介という大人気作家三人を選考委員として新しく生まれたミステリー作品の新人賞
新潮ミステリー大賞第一回受賞作品であります
名もないミステリー作家であった祖父の遺品から80年前の殺人事件の解明に携わることになるひきこもり系女子のお話
祖父によって創作された怪奇譚的物語とそれとリンクするように80年前に実際に起こった密室殺人事件
この事件の謎解きに挑む現在進行系の物語が平行して進みます
祖父が創作した怪奇譚的物語は旧字体で書かれたとても雰囲気のある作品
それに対して謎解きに挑む女子は中学教師を退職後に実家に引きこもるオタク系でライトノベ系文体で描かれてます
雰囲気のギップに一人の作家さんが描いたものとは思えない感覚があって、感心もしたけど個人的にはこれがマイナス点
80年前に起こった密室殺人事件と被害者の子孫である女の子との係わりが軽いイメージで描かれてしまって緊迫感がそがれちゃった・・・・・
特に祖父の想いがね・・・・・・・・
密室のトリックも「まぁーこんなか・・・」って感じで
ならば80年という長い時間をもっと感傷的にまとめた作品になっていた方が好みではあったかな
題名からもっと「ブルッ」とくる怖ーい話を期待してしまった・・・・ちょっと心残り
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第一回新潮 “ミステリー” 大賞受賞作。
“ミステリー” です。
それならば、この作品は、☆ゼロ個。類稀な駄作と言わざるを得ません。
ミステリーを期待している私としては、主人公の恋愛事情や、自虐の弁など、これっぽっちも興味ありません。それも、事件と何らかの融合があるのならば、それは伏線のひとつとなるので、話は別ですが、今作に関してはまったく関係ない。
または、駄弁も許せるくらい、ビックリするようなトリック、結末が用意されているのであれば、物語のサイドストーリー、主人公の人となりを描写するものとして、いいなぁ、と思えるのでしょうけれど、そうでもない。
それどころか、メインのトリックが、他のミステリーではおそらく、ミスリードか、ワトスン役が陥る愚かな仮説のレベルのものが採用されています。
ミステリー好きとしては、
「いやいや、真相はそんなもんじゃないでしょう。まだメインディッシュが出てくるよね!」
と、更なるどんでん返しを期待する、前菜のようなネタ。それを本作は、
「いえ、お料理は、これで全てですが?」
と、メインに持って来ているのです。
続く料理を待っていたこちら側の満腹感は、、、言うまでもないでしょう(^_^;)
「この店にはもう二度と来ない!」と怒って帰る人は、私だけではない筈です。
しかし、作中作『サナキの森』は、一転して最高傑作だと思います。
ただしそれは、ミステリーではなく、ホラー小説としてです。
この部分だけを抽出して、ホラー短編としたならば、類稀な名作かもしれません。
雰囲気もありますし、「冥婚」というアイデアから広がる、様々な状況が、不気味で、怖くて、(いい意味で)気持ち悪い。
だから……総じて、とてももったいない作品だなぁ、と思いました。
この作者の次回作が、ミステリーなのであれば、きっと読まない。けれどホラーだったら、必ず読みます^_^
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作家であった祖父の遺した著作と挟まれていた手紙から、かつてあった事件の謎にこじらせニート女子が挑む。
作中作は旧字体と昭和の雰囲気を漂わせながらも、とても読みやすい怪奇譚で面白かった。
こじらせ女子と聡明女子中学生コンビのやりとりは軽快で可愛い。若いな!
タイトルの意味が過去と現代に繋がる時、そこはかとなく物憂げな気持ちになりますね。
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祖父が可愛がっていた女孫に自分の死後のことを託す、というのだから、おどろおどろしい話の筈がない。ということで安心して読めはする。でも、真相がわかってみると、それって孫に託すことか? とも。微笑ましい話ではないし。
自意識過剰のニートヒロインがややうっとうしく、彼女のヒーロー?の思わせぶりな存在感がわざとらしい。女子高生のほうはいいキャラだけど、無防備すぎる。日常から逸脱しないからいいのか。曾祖母のことだけど。
ミステリとしては平易。恋愛もどきとの二本立てと読める。読んだ感触は、森 晶麿さんの「黒猫」シリーズに似ている。
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新潮ミステリー大賞受賞作。一見ライトな文体で、さくさくと読み進める印象なのですが。作中作「サナキの森」の古めかしくおどろおどろした雰囲気の文章がいい意味で異質です。
ホラー的な要素が絡んではくるけれど、ミステリとしてはしごくまっとう。あくまでも雰囲気のためのホラーだなあ。「サナキの森」に隠された、事件の真相に至るあの言葉は、あまりにあからさまなのに気づかなかった~。あれが一番驚愕だったかも。
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私には合わなかった・・・。ただそれだけだと思う。
期待して読み始めたけど、なんか思っていたのとは違った。
もっと、妖艶な感じでゾクゾクしたかったなぁ。