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戦時には艦の被害を最小限に止め、効果的に艦を運用、平時には艦の実力を最高にたもつため、乗組員を教育、訓練するーハイテク化の進む護衛艦であっても変わらないシーマンシップ。自らの信念の下に有事に備えて、艦長という職責をまっとうすべく邁進する二等海佐の姿を描いた感動作。帽ふれシリーズ第三作。(親本は平成8年刊、2015年文庫化)
・呉線
・艦長交代行事
・初出港
・春の宵
・合同訓練
・南西諸島
・遭遇戦
・沖縄勝連
・東シナ海
・長崎県佐世保市
・夏休み
・ホストシップ
・演習
・華燭の典
・訓練検閲
・別れ
上官(司令)との対立。部下の掌握の困難さなど、艦長としての立場の難しさを軸に、描いている。演習の様子は興味深い。
赴任直後、結城武は、幹部のシステム至上主義、シップハンドリング軽視傾向に直面するが、怒気を堪えて、指導に当たる。指導の難しさや管理職の悲哀を感じる。艦長は部下に、なめられてはいけない。そこで重要なのは、権威ではなく己の力量により心服させることであろう。結城も指揮官としての孤独さに耐えながら、トラブル発生時に的確な対応をとることにより、最後は、副長以下を心服させることに成功する。展開が理想的すぎる気もするが、まあ良いとしよう。