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里と穴、なんとも興味深く楽しい物語でありました。
全部で900ページ弱、一気に読み終えることができました。
最後の終わり方が少しモヤモヤしていたのは気になりましたな。
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(01)
世紀末を感じさせる90年代の不安と無為とが現れているように思う.コマ割り,キャラ,擬音,アングルなどはスタンダードな表現をとっていながら,ストーリーや設定背景には,日常から形而上ともいえる窓の外へと飛び出してしまうような気宇壮大があり,漫画表現の可能性を感じさせる.
大袈裟なアクションや表情がないせいか,淡々とした語り口が逆に不穏でもある.そこにはアパシーのような時代感覚があり,とんでもない能力や世界もさらっと流し,二転三転する展開も登場人物たちとともに,そんなこともあるのだろうと無常観をもって迎えられるような心境にさせらる読者も多いだろう.
民俗学や天文学のほか,ミステリーやオカルト,就職や恋愛,閉鎖的なコミュニティやカルトといった社会問題,そしてエネルギー問題や環境問題までも見据えながら,ストーリーの中に無理なく消化している.
模型や図像の意味が明らかにされていく過程も面白く,日常の中のわずかに現れる不気味のさじ加減も絶妙である.
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名称“手がとどく者”と“窓をひらいた者”、主人公が能力を披露した時に発したセリフ「能力ってのはあくまでも手段に役立てるための道具なのであって目的そのものじゃない。」、“七夕はもともと棚に機と書くべきところに七月七日の夕暮れをあてたもの”が印象的だった。カササギの旗が出来上がるまでの4段階を描いた見開きの頁は、ひとつの漢字が出来上がるまでのような史学をギュっと詰めていて面白かった。