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著者は、現・国連大学サスティナビリティと平和研究所・学術研究官。
著書に「里山・里海 自然の恵みと人々の暮らし」等。
「余剰ゴルフ場」とは、将来の人口減少や余暇活動の多様化等に伴うゴルファーの減少によって、既に整備されているゴルフ場が需要に比して供給過多となり、近い将来経営困難に陥る可能性が考えられるゴルフ場のことを意味する造語である。
本書は、この「余剰ゴルフ」問題を契機として、業界関係者と連携しながら、ゴルフ場の持続可能性について多角的な研究のデータにより以下の9章にわたり模索し説明している。
①世界のゴルフ場
②日本のゴルフ場
③ゴルフ場と環境
④ゴルフ場のカーボンフットプリント
⑤余剰ゴルフ場の発生メカニズムと将来推定
⑥余剰ゴルフ場の発生要因と実態
⑦閉鎖ゴルフ場の植生変化
⑧ゴルフ場の転用と再編
⑨ゴルフ場の転用と再編のシナリオ分析
ゴルファー目線でゴルフを捉えたのではなく、ゴルフ場の将来について経営・自然等の大きな目線でこの業界を捉えた一冊。
人口減少や多様化という言葉はどの業界においても大きな影響を与える。もちろんゴルフ業界においてもそれは同じである。
本書は、余剰ゴルフ場となる前にこうすべきというような経営に一石を投じた本ではない。
そうなった場合にはこんな結果が現状としてある等のデータに基づいた説明が行われている。
これはこれで事実として自分の頭の引き出しにしまいこみ、次はそうならないために、そうなった場合にもより良い手はないかということを含めて考えるきっかけとしたい。
ひとつの知識として参考になった。