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もしかしたらこれからの日本を変える本なのかもしれない?すくなくとも著者は本気で日本を新自由主義の国から脱却させたいと思って書いていると思いました。熱意と気迫が書名がタイトルである最終章で溢れかえります。今まで数字の問題としてしか見えていなかった財政というテーマが人間という存在の哲学として語られる体験にショックを受けました。もちろんそこに至るための日本の財政の歴史の物語、私たちはどのように新自由主義に飲み込まれたのか?なぜ私たちの賃金は下落するのか?グローバリゼーションはどのように世界経済を揺るがしたのか?という第一章、第二章、第三章の流れも論理的でそういうことだったのか、と引き込まれます。この本の出版はちょうど2年前ですがその後起こったBrexitやトランプ大統領のようなバラバラになっていく世界が現出している現実を予言していると思いました。再分配と互酬の新しい同盟がその現実を前にした時に単なる理念ではなくシステムに落とし込むためには何が必要なのか?今後の著者から目を離せません。