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母になる、石の礫で

母になる、石の礫で みんなのレビュー

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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.7

評価内訳

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シニフィアンとシニフィエの乖離に至るまで。

2016/07/03 14:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

珍しく本格SFの新刊を読んでみた。
裏表紙の梗概では、シンプルな宇宙SFかなと思っていたのであっさり覆された。
進化した3Dプリンタによって出力されたヒトの「母」の概念が比喩表現を乗り越えて性別に由来しないものとなり、「適度な独立性を持ちつつモノを生み出すモノ」にまで解体されいく様子、別のコミュニティと接触し、従来それが当たり前のものであったコミュニケーションの在り方を突き崩されていく。
無重力下の高度な人文科学小説、という感じがする。

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2015/05/05 16:14

投稿元:ブクログ

 ”母”の概念が揺らぐ。
 作者は男性なのだが、性別と言うより、原材料とエネルギーの争いなのかなぁと言うように思えた。
 例えば、昔はいろいろな専用機器で行われた機能が、いまはスマホ一つで何でも出来てしまう。母はスマホのようなもの。プログラム次第でさまざまなものを生み出すことが出来る……と言うような。

 しかしながら、現実世界で何かを作るには材料が必要で有り、"母"だからなんなんだ?とは若干なる。主人公の行動意義が実はよく見えなかった。すごいシンプルなものを見落としている気がする。

2015/04/19 22:19

投稿元:ブクログ

高度に発達した3Dプリンタ(=「母」(=機械を生み出す機械))によって、料理から建築物、生体まで出力できるようになった世界。その世界で、1ダースのマッドサイエンティストたちは自分たちの理念を実現すべく、超監視社会となった地球を抜け出した。そして、とあるアステロイドベルト(小惑星帯)に拠点を置き、新たな人類を創造することを目的とした<人>計画のため、研究を始める。その研究によって生み出された異形の人間である霧、虹、針ら「二世」、そして、「新世代」の41。自分たちを生み出した科学者たち(=始祖)と決別し、独立して生活していた彼らは、母星からの脅威が迫っていることに気づき、再び始祖と接触することになる。自分たちの理念のことしか考えない狂信的な始祖たち、それぞれ実現したい夢をもつ二世たち、始祖たちに実験台として扱われている新世代の41。迫りくる母星の脅威の中で、異形の青年たちは自分たちの未来、そして、過去のわだかまりについて悩むが、どうにか生きようと行動を起こしていく。

針は、乱暴だが強かで魅力的。虹はどうしようもなく、怖がりで弱虫。霧は優しくしっかりしたお姉さんタイプ。41は自分の感情を表に絶対出さないクールな奴。始祖たちは自分の言いたいことだけをのべつまくなしにわめきたてるコミカルな気違い。

最初の十数ページは情景描写も会話も何を言っているのかよくわからず、苦痛。しかし、読み進むにつれて、設定も明らかになるし、奇妙な語の由来も説明されていく。情報科学の言葉がふんだんに使われているので、詳しい人ならもっと楽しめるかもしれない。

わずかながら謎が残される。科学者たちのリーダー格であったビューダペストはいったいどこにいったのか。雲と珠がいなくなったのは事故だったのか。針はビューダペストをどう思っているのか。

後半で一瞬、エロいシーンが突如として挿入される。

全体として、非常に新しい感覚をもたらすSF作品だ。3Dプリンタの遠い未来を描くSFとして興味深い。

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