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久しぶりにこっち系統の伊坂作品だなーというのが最初の感想。人がどんどん酷いやり方で死んでいきます。バイオレンス。ずっと不愉快だったけど真壁鴻一郎の出現でソフトに和やかになったかな、少しは。サディエストな作品。
初っ端から掴みはバッチリ。
冒頭のリストラなんて魔女狩りと一緒だ、から心掴まれたのだが酷い惨殺シーンが多すぎて思ってた展開とは進まずまずびっくり。いくつもの描写がはじめ交差し、登場人物の多さ、伏線になかなかページをめくる手が早まらなかった。(けど面白い!)
火星とかいうタイトルだからてっきりSFものかなと思ったのはわたしもです。SF苦手なので構わないけど。
最後の最後までそこそこの不愉快さは残ったけど、
あ、以下ネタバレ
真壁が死んでなかったこと、臼井が悪人ではなかったこと、臼井の手で騙された蒲生や水野が無事だったのは良かった。(田原は生きてるのだろうかという疑問はあるけども…)
こういうバイオレンスな伊坂作品もわたしは大好きです。久しぶりにスリルを感じた作品でした
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(2015/5/6読了)
ただ、大好きな伊坂さんの本だというだけで借りて、内容は全く知らなかったので、ものすごい衝撃を受けました。
あとがきにあったように、まさか宇宙の本だとは思わなかったけど、軽いタイプの話かと。
軽いといえば、重々しい事態でもさらっと書いてしまう伊坂さんの文章の建て方は、ある意味軽いのかもしれないけど。
メインで登場していた人が次々とあっけなく死んでしまったり、残虐な捻じ曲げられた世界が延々と続いて、終盤になっても、何を信じたらいいのか、物語のゴールはどこにあるのか、最後まで興味を削がれることなく読むことが出来ました。
人助けにより、自分を追い詰めてしまう、真面目な男。祖父や父親からの連鎖を断ち切って、火星ではなく彼の生きる土地で穏やかに生きられるようにと願う。
(内容)
住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられるー身に覚えがなくとも。交代制の「安全地区」と、そこに配置される「平和警察」。この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが…。今年安全地区に選ばれた仙台でも、危険人物とされた人間が、ついに刑に処された。こんな暴挙が許されるのか?そのとき!全身黒ずくめで、謎の武器を操る「正義の味方」が、平和警察の前に立ちはだかる!
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ゴールデンスランバー以降の伊坂作品はここまで来たかというのが率直な感想。体制と犠牲、正義の二面性などについて考えさせられると同時に最後に救いがないことにショックも受けました。
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序盤は「胸くそ悪い」という言い方がピッタリで読むのをやめようかと思うほどなのだけど、そこはやっぱり伊坂幸太郎で読み進める内にぐいぐいと引き込まれていく。「正義」ってなによ。「平和警察」なんて子供がつけたような名前が余計に恐い。悪から見た正義は恐ろしく残酷で正義そのためには手段を選ばない。本の世界が現実の世界を脅かしてるようで薄ら寒かった。最終的には「おぉ!」という感じで伏線も回収され良かった。最後にきちんと明るい伊坂ワールドに戻してもらえてホッとした。
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「組織vs個人」というテーマはゴールデンスランバーと同じ。違うのは、逃げるのではなく、立ち向かっているという点。誰が立ち向かっているのか、どうやって立ち向かうのか、がこのミステリーの肝。最後までハラハラしどうし。爽快感は少ないが、主人公の立ち回りに現実感があった。
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「火星に住むつもりかい?」
密告、連行、苛烈な取り調べ。暴走する公権力、逃げ場のない世界。
「火星に住むつもりかい?」、そのタイトルからは「おっ、伊坂幸太郎の宇宙ものの話か~」と思い、手を取ってしまうかも知れません。しかし、残念だから宇宙ものではありません。その言葉は宇宙への旅への高揚感を醸し出すものではなく、密告、連行、苛烈な取り調べが横行し、公権力が暴走する地球の様を皮肉る言葉。「ここからは逃げられない、逃げるつもりなら、火星にでも住むつもりかい?」と。
平和警察という名ばかりの警察が牛耳る逃げ場のない社会の中で、人々は自らを守る為、他人を売り、売られた他人は更に他人を売る。人を守るべき警察は、密告された人々を尋問し、冤罪を罪に昇華させ、権力を強めていく。そんな世界。そんな世界に一人の孤独なヒーローが現れる。人並な精神を以て、人並な理由で活動する様は、英雄らしい華やかでカッコ良いものではなく、罪悪感を抱えるヒーロー。実に人間らしい。
帯には、らしさ満載、とありますが、私としては「らしさ満載?」というのが正直な感想です。今までの伊坂幸太郎小説には、ヒーローを演じる登場人物が登場し、物語も重めながらもどこかユーモア(大抵、ヒーロー役が持っている)と日常感を感じることができ、登場人物の誰かを好きになれたんですが、「火星に住むつもりかい?」にはそのような登場人物は出てきませんでした。
設定も記したように閉塞感が漂い、暴力と嘘が蔓延するネガティブなもの。設定に波があるわけではなく、ずっとネガティブな空気。ヒーローとして活躍することに疲れ、ひっこみがつかなくなっているところ等、所謂ヒーローもののヒーローではない。ヒーローが活躍するとしてもその空気は晴れない感じも「伊坂幸太郎らしさ」を感じない根源です。
物語の締めは、伊坂幸太郎らしい締めになっていますが、それ以外は「らしさ」が無い、私にとしては、挑戦作として仕上げたのかなと思っています。唯一の「らしさ」を感じさせる締めもちょっと弱め。例えば、「モダンタイムス」も重いテーマでしたが、五反田というヒーローが一見強がりに思えるけど、芯の通った強さを見せることで、悪を倒すことはできないけれど、ちょっと晴々した光が見える締めでしたが、本作にはそれもない。とにかく「らしさ」を感じない小説なんですw
「らしさ」を物足りないと感じるか「こういうのも書くのか」と思うかで、本作の評価は分かれそう。そんな伊坂幸太郎の挑戦作。
因みにタイトルは、デビット・ボウイの名曲から。落ち込んでいる今こそ聴いてみよう。
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仏教でいうところの「空」の思想が入ってる
→助けられる人を助ける
伊坂さんは自分でその考えに至ったのかな
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『ゴールデンスランバー』が好きな人にはオススメな作品だと思う。『魔王』『モダンタイムス』『ゴールデンスランバー』の系譜にある小説だろう。
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監視社会のなれの果て。
今の日本も似たようなものですね。
掌で踊らされているのは果たしてだれか。
相変わらず伏線が冴えていました。
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人が死んだりして、今までの伊坂さんっぽくないなぁ…というのが正直な感想。サンダーボルトっぽさが少しあると感じた。
でも後半残り1/3あたりからのあのどっと波が押し寄せてくる感じは、やっぱりさすがです。1/3は一気に読みました。この興奮を誰かに伝えたくて仕方なくなります。
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平和警察のやり方は今のイスラムの問題にも似てるし、少年犯罪にも関わってきてる。現代社会の問題について考えさせられる話。
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伊坂幸太郎らしい書き下ろしでそれなりに面白い。市民の密告などをもとに危険人物を公開処刑するという平和警察が存在する近未来日本の仙台が舞台。取り締まる側と取り締まられる側の人々が複雑に交差し、いくつかの伏線があって中盤に意外な人物が活躍し、終盤にはさらに意外な事実が明らかになっていく。いかにも伊坂幸太郎らしい作品でそれ以上でも全く無いのだが期待通りに楽しめる。結末がちょっと都合が良すぎるきもするが、手は抜いてない感じではある。さすがにこんな未来が来ることは無いとは思うが、実際の処刑でなくてもネット空間で行われていることは既にこれに近いのかもしれない。
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登場人物がいっぱいでどこに焦点をおけばいいのか戸惑った。あっというまに読了。正義のヒーロー早く助けに来て!この状況をなんとかしてよ!って感じだった
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ちょっとした事でも大袈裟に思い詰めてしまう伊坂さんならではのストーリーでした。
男子なら興味をそそられるような魅惑の武器も登場し、アクションも豊富なので早く早く映像化が望まれます。
現代の魔女狩りが横行してしまった仙台に突如現れる黒づくめの「正義の味方」!こうご期待!
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タイトルから、ついに伊坂がSF書いたか…と胸を踊らせていたが、いつもの仙台を舞台にした伊坂幸太郎でした。
ゴールデンスランバー、モダンタイムス系統。
国家とか権力とか民衆とか社会とか、大いなる、力。
平和警察というシステムがひたすら恐ろしいな…。
伊坂先生、警察に恨みでもあるの?
さぁ、ヒーローは誰だ!