紙の本
タイトル買いしたけど
2015/12/02 02:12
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投稿者:tlkn05 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半の主人公の医者とコマドリの出会いなどは魅力的で期待して読んだのだけど、後半は拍子抜け。ミステリとしてはどう??という感じ。どうしても無理がある。演技力という問題じゃないような。。
紙の本
非現実的な犯罪
2016/01/28 15:39
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投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
予想外の結末ではなかったものの、まさかほんとうにあのような結末とは...率直な感想として、この手のトリックは犯罪小説によくあるパターンとはいえ、本作においてはいささか無理があるように感じた。作者もトリックの要となる犯人の性格や技能について伏線をはり、いろいろと工夫してはいるが、やはり非現実的な犯罪手法といわざるをえない。
おもしろいと思ったのは、この物語のナレーションでは、始めから個々の人物の内面が詳細に叙述されている点である。ミステリーでは、ここまであらゆる登場人物の内面に焦点を当てることは普通しないだろう。なぜならこれを貫徹すれば、これらの人びとの中にいるであろう犯人の心理も暴露せざるをえないからだ。この小説でもその点を心配したが、そこは上手い具合にぼかしていたと思う。だから、何を考えてるかが叙述されなくなった人物が怪しいという観点で読み進めば犯人当ても比較的容易か...だが、本書の面白味は誰が犯人かというよりも、犯人がどうやってその犯行を行ったかにある。そしてその方法は、上にも書いたようにちょっとありえないものであった。
犯人とその犯行の陰湿さには暗澹たる気持ちにさせられるものの、善人・悪人それぞれが受けるべき報いを受ける勧善懲悪・ハッピーエンドの物語には、ほっとした気分を味わえる。本書について、それだけは請け合おう。
紙の本
祝・復刊!
2015/08/31 09:53
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投稿者:yomiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。
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医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが数奇な物語の始まりとは知るよしもなく。
『赤毛のレドメイン家』と並び、著者の代表作と称されるも、長らく入手困難だった傑作が新訳でよみがえる! 解説=戸川安宣
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長らく入手困難だった作品が新訳で復刊。
『赤毛のレドメイン家』のような、古き良き探偵小説かと思いきや、こちらは探偵小説の枠組みを利用してはいるものの、趣のあるサスペンス小説。前半1/3の情熱的なロマンスが徐々にサスペンスに変貌する。
『赤毛のレドメイン家』に引き続き、ヒロインの造形が見事だった。トリック部分についてはカンの良い読者なら大体予想がつくのだが、主要な登場人物の造形が上手いので、ついついページをめくる手が止まらなくなってしまう。
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祝・復刊!
小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。
小学校時代に読んだ「だれがロビンを殺したか」が章タイトルの小説は、表題も内容も思い出せないが、どうやら『靴に棲む老婆』らしい。『エジプト十字架の謎』が面白かったので、他の話も読んでみようと思ったのだろうか。こちらも読んで確かめようと思っている。
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これ、今でいうロマサスなんですかね?
事件が起こった時点で犯人も動機も分かるんだけど、きちんとそこまで導いてくれて面白かった。
こういう古き良きミステリの復刊は嬉しいなぁ。
突っ込みどころが多いのはお約束として、新訳の文章が雰囲気を残しつつ読みやすさも併せ持っていて良かった。
それにしてもコマドリムカつくw
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ミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。
登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができました。
ここからネタバレ↓
憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか?
ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪役でありながら強烈な魅力を放っている。ネリーも聡明で優しいし。それに対してこの小説に出てくる男性陣はちょっとかわいそうだったりイライラしてしまうようなキャラが多いかも。姉妹のお父様もあの結末を考えると可哀想だし
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恋愛ストーリーとも言える前半が面白かった。後半は真相を知りたいという欲求でぐんぐん読んでしまうが、解明してみれば、ええ?その動機でここまでやるぅ?そもそもあの嘘そんなに許せない?と私には納得いかないんであった。
お金と愛は天秤にかけるものじゃないんだよ、コマドリさん。
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医者のノートンは、道で偶然出逢った美しい姉妹の一人、ダイアナに一目惚れし、恋の炎が燃え上がったまま結婚をするが…。もともと大執事のお嬢さんとして育てられたダイアナはノートンとの堅実な生活に耐えられず、さらに叔父さんの遺産が入ると嘘をつかれたと知り、ノートンを酷く憎むようになる。
そのうちダイアナの体調がすぐれなくなり、ノートンら医者の治療も虚しく死んでしまうのだが、そこにはダイアナの恐ろしいまでの執念と復讐が残されていた。
妻殺しの容疑をかけられたノートンだが、親友の私立探偵ニコルと再婚相手ネリーの兄、ノエルの活躍により、真相が明らかに。
ダイアナが死んだところで、続きが気になりすぎて最後の種明かしを読んでしまい、驚愕の真相を知った!ダイアナの復讐心、演技力はすごいです。結局はそれが行きすぎたせいで身を滅ぼすのですが…。登場人物たちも魅力的です。
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この古っぽい地文が新鮮。不吉な未来を暗示して読者の興味を引き立てる一方、アンフェアな面も併せ持つ神視点の地文は、最近では珍しい。
突っ込みどころ満載の御都合主義は否めないけど面白かった。
ミステリーを読み慣れている割に、真相に気付いたのは探偵が閃いた時。もっと単純な顛末だと思って読んでいたので、気付いた瞬間ゾッとした。
ダイアナの行動力と執念には感服するけれど、共感度は0。結局のところ、ダイアナはお金と贅沢な生活が欲しかっただけなのか。
ノートンのことだけではなく、ベンジャミンのことも一過性の情熱と衝動だけで愛した気になっていたのでは。ただ、そのうち彼に飽きてもお金があるから一緒に生きていけただろうけど。
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携帯やパソコン、もちろんスマホもDNA鑑定も存在していなかった1924年の作品だが古臭さを感じることはなく、終盤のカーレースまでぐいぐいと惹き付けられた。意表をつくトリックには驚かされたが、大執事という聖職にありながら娘たちの心がわからない厳格な父親、優秀で容姿端麗だが気の弱い研究者肌の開業医ノートン、美人で派手好み、いつも現状に満足できない気ままなお嬢さまダイアナなど一人ひとりの性格描写が実に練り上げられているせいか、あまり大きな違和感を感じることはなかった。ノートンのようなタイプの開業医には、経営を任せられる資産家の妻、有能で愛想の良い看護師が絶対に必要!と納得できる結末。どんなに科学技術が発展しても人間の考えることはあまり変わらないものなのかな。
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あのヴァン・ダインが、英国ミステリーBEST11に選んだことで注目され、約50年間にわたって絶版のままだった入手困難本、ハリントン・ヘキスト(フィルポッツの別名)「誰が駒鳥を殺したか?」復刊されてたのね。この作品は、コマドリに共感できるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。ちなみに自分はまったく共感できなかった。それにこの結末はちょっとね、という人も多いでしょうね。恋愛サスペンスという趣であるが、トリックも奇抜で、本格ミステリーとしても十分楽しめた。それにしても新訳は古臭さがなく読みやすかった!
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新装版ありがとう創元推理文庫さん…。フィルポッツは読むの時間かかるので買って手元に置けるの嬉しい。やっぱりひたすら密な描写で人間ドラマが延々展開する。なかなかミステリらしい事件が起きない。登場人物が全員何かしらちょっと難がある…と思うけどこのテンプレ性の無さが海外のキャラ作りっぽいんだなと最近思った。
あれこれ言いつつ読み終わった後「また読む!」ってなるくらいには面白かったし満足感ある。
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いやー、途中怖くて読み進めるのが躊躇われた。。。語り口も描写も好きです。やっぱりイギリスの推理小説は好きだなあ。
後書きを読んだら、フィルポッツとはあのクリスティに書きかた教えてたって人がこの作家だったのですね。他の本も読みたいけど、書店には見かけないのが残念。