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『出世花』の人間関係の問題を解決しつつ、いろいろな愛の形を書いてあるように思います。親子、師弟、仲間、友人そして男女。仏様の掌の中で共に生きる愛。知人の上部だけの付き合いもよくある話で耳に痛い。
『出世花』が悲しい話だったので読むか悩んでいたのですが、読み直して今回は琴線にふれるような感じがしたので、続編も読むことにしました。
サイン会で先生に「実は……」と言うと、「出世花は悲しみを持っている人に寄りそう話……」と答えてくださいました。きっと私に変化があったのでしょうと。
今思うと、ならば『蓮花の契り』は救いの話だったのでしょうかと聞けば良かったです。しまった。
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『出世花』の続編であり、完結編でもある作品。
『出世花』を読んだのが、かなり前でしたので、再びお縁たちの話が読めて幸せです。
様々な迷いや葛藤を乗り越えてのラストは、表題にふさわしく、蓮花を思わせるものだったと思います。
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死は生きることの延長上にある
どんなに悩んでも、現状が苦しくても、逃げずに向き合え
たとえ、さんざんな人生だったと振り返ることになっても、浄土へ旅立つそのときは、俗世のしがらみを解き放って送り出してくれるひとがいる
その存在があるだけで、生きる苦しみも、死の恐怖も受け入れられる
ひとは強くない
どんなひとも強くない
風が吹けば揺れるし、踏みつけられれば傷みも怒りもする
そんな己を受け止め、認め、受け入れられるよう精進すること、それが、「生きる」ということなのかな、と思った作品でした
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出世花の続編です。出世花、あれはあれで完結ともいえますし、続編をとも思える話。
大好評だって みをつくし、が終わり 惚けていた読者に 喜びを運んでくれた一冊です(⌒▽⌒)
7年の月日、とありましたが、そんなに経っていたとは思えない内容です。
相変わらずの高田節には 心がじ〜ん、ときます。
是非、出世花を改めて読んでからこちらを読んでくださいませ(≧∇≦) あ〜、も一回読み返そ。
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三昧聖としての正縁、むすめとしてのお縁。「生きる道は一つではない」という師の言葉が胸に染みる。迷って迷って、考え抜いたその先に光が見えてくる。見えてくるまで迷っていても良いと言われた気がする。
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前作を読んでだいぶ経つので、登場人物やらなんやら記憶が薄れており・・・。
キレイにまとまったが、少々物足りない印象。
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私はずっと お香を許せなかった。
だが ようやく心ほぐれた。
人は「幸せ」を自分基準ではかろうとして
自分基準の「幸せ」を 人にもおしつけようとする
不義密通の果てに正縁を捨てたお香
彼女が「娘のために」とすること 話すこと
そのすべてが嫌だった。
そのすべてが 本当はお香自身の「幸せ」と
「罪滅ぼしができた」と自己満足したいという執着から
生まれていることに お香はいつまでも気づかない。
物語の終焉を迎え やっとお香は
正縁を自分の価値観の範囲に引きこむのではなく
本当に正縁が望む「幸せ」の一部になるために
自らの執着を捨て 正縁のもとに飛び込んできたのだ。
また
自分のなすべきことを
心の芯でとらえている正縁の生き方こそ
もしかしたら
すべての人に通ずる「幸せ」の姿なのかもしれない。
尊く気高い正縁の生き方を 私はうらやましく思う。
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これからながくながくシリーズが続くと期待してたので、完結刊だったことにちょっとびっくり。
でも、読めてよかった。
いろいろと、ゆるゆると氷解して、最後の場面へ辿りつけてよかったなぁーと。
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あっという間に読み終わってしまった。最後の最後で…。言えないが、お縁に幸あれと、お縁は幸せになる資格があるという皆の気持ちは成就したのではないか。もっと続編を書いて欲しかったけど。
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終わりまで読んで、この題名はそういうことだったのか、と思った。
私には、ちょっと唐突な感じがして、それならば、それぞれの思いを最初から、場面場面で少しずつ丁寧に描いてほしかった。そうしたら、かなり違った物語になったように思うけど、そっちの方が好みかどうかもありそう。
ちなみに私は、今のままが好きです。
死とともに生を見つめるお縁のすがすがしさが心地よい物語です。
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「出世花」待望の続編。
ちょっと期待し過ぎてたけど、読んでよかったです。
みをつくしの澪と重なる部分があるのがどうも気になったけど、しばらくすればそんなこと忘れてのめり込んで読みました。
正念とは、そうするしかないよなあ、という感じ。
読者である私の願いと、正縁の願いが、完全には重ならないので切なかった。
生きている赤ん坊を抱いたときの感情には胸がつまる。
お香が最後まで強引に絡んでくるのは少し不満が残った。
帯にあるような「号泣必至」とはいかなかったけど、静かな暖かい、ただし重い作品でした。
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親に捨てられるとはどういう気持ちになるのだろう。子を捨てるとはどういう気持ちになるのだろう。幸いにもそのような境遇にも、そのような選択に迫られたこともないので知る由もない。本書はその気持ちを追求し、完結にあたって一つの結論を出している。非常に難しいテーマにあえて挑戦している筆者の姿勢が素晴らしいと思う。賛否両論あるだろうけれど、書き尽くされた内容の焼直しで量産されている多くの時代小説より百倍面白いことは確かだと思う。
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あらすじ(背表紙より)
下落合で弔いを専門とする墓寺、青泉寺。お縁は「三味聖」としてその湯灌場に立ち、死者の無念や心残りを取り除くように、優しい手で亡骸を洗い清める。そんな三昧聖の湯潅を望む者は多く、夢中で働くうちに、お縁は二十二歳になっていた。だが、文化三年から翌年にかけて、江戸の街は大きな不幸に見舞われ、それに伴い、お縁にまつわるひとびと、そしてお縁自身の運命の歯車が狂い始める。実母お香との真の和解はあるのか、そして正念との関係に新たな展開はあるのか。お縁にとっての真の幸せとは何か。生きることの意味を問う物語、堂々の完結。
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高田さんの本を久しぶりに読みましたが、人間を書くのがうまいなぁとやっぱり思いました。
私もそういう道を行くのかしら。
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お縁がどのように生きていくか、が書かれています。
母と過ごした時間はお縁にとって苦しいものであり、またそれを乗り越えるための大事な時間だったんだな。最後にまた母の優しさで涙。
正念との契り、女としては切ないけど三昧聖として生きていく覚悟ががお縁らしいなぁと。