電子書籍
どのような視座から見るべきか、考えるべきか
2016/11/18 15:15
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投稿者:魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「改憲派」の欺瞞、「護憲派」の欺瞞、それぞれに惑わされることなく正義という大原則の観点から、思考し、判断しなければならない。その姿勢の在り方を、教えてくれる。考え方の指南書。
紙の本
正義、民主主義の根源を問う
2015/12/01 19:08
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
安保法制を巡る議論で、右にも左にも肩入れできないと感じていたが、本書を読んでモヤモヤが晴れた。新聞やテレビが論じない根源的な視座から、民主主義や正義とはなにかを問うている。著者いわく、憲法9条と安保政策を巡る戦後の歴史は、右も左も欺瞞を重ねてきた。安倍政権の策動は、古い解釈改憲を、新しい解釈改憲に置き換えたにすぎない。だから立憲主義を今さらのように叫ぶのはおかしいし、かといって解釈改憲を重ねることももっとおかしい。著者が提示する正義概念は、朝日新聞のようなエリートの欺瞞でも、産経新聞のような独善でもない。自他の視点を入れ換えても成り立つような、普遍的な正義を峻厳に突き詰めていく。一つの結論として9条は削除、戦力を持つなら徴兵制、という考え方がしめされるが、それは決して好戦的なナショナリズムではない。
紙の本
リベラルの人にこそオススメです。
2016/09/26 17:47
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投稿者:aratakadowaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
予備知識無くても読めると思います。序盤は昨今のリベラルのダブルスタンダードを批判する等の時事系の話です。なぜリベラルの話が、胡散臭く、だから支持も広がらないかを端的に指摘しています。本題はリベラリズムとは正義、という話です。やや正義原理主義的です。正義も国や地域ごとにいろいろあっていいのでは、という説は反動的だ、という左派用語で切って捨てています(笑)
紙の本
分かりやすいです。
2016/01/17 13:30
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投稿者:とある受験生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
平易に書かれていて読みやすく、理解しやすいです。
法哲学について、前提となる知識がそれほどはなかったとしても、読み進められます。
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安保法制、憲法改正、歴史問題、朝日新聞問題・・・真のリベラルは、今いかに考えるべきか。
リベラリズム論の第一人者、「怒りの法哲学者」井上達夫東大教授が、右旋回する安倍政権と、欺瞞を深める胡散臭い「リベラル」の両方を、理性の力でブッタ斬る!
【本書の内容から】
「自由主義」にあらず/「憲法九条」削除論/「護憲派」の欺瞞/「平和主義」の論理的破綻/安倍政権「集団的自衛権」の愚/リベラルからの「徴兵制」提言/「悪法」も法か/「主権国家」の必要/「白熱教室」の功罪/「世界正義論」への道/「哲学」の死
【著者「あとがき」より】
いま、「一強多弱」と言われる自民党の圧倒的優位の下で、安倍政権による政治の右旋回が急速に進む一方、野党勢力は民主党も他の諸党も党派間・党派内で右から左まで分裂し、リベラルな対抗軸は結集されていない。
それどころか、慰安婦報道問題等での不祥事を契機とする朝日新聞へのバッシングに象徴されるように、「リベラル嫌い」が、「右翼」や「ネトウヨ」の枠を超えて、一般の人々の間にも広がっている。しかし人々に迷いもある。たしかにリベラル派を気取るメディアや知識人は胡散臭い。でも強引に右旋回する安倍政権とそのシンパにも危うさがあり不安だ、と。
リベラリズムの哲学的基礎を解明し、その観点から法と政治の問題を考察してきた私には、まさにいま、この状況下でこそ、リベラリズムの原理とは何かを一般社会に対して説明し擁護する知的・実践的な責任があるのではないか。いつやるのか。いまでしょう。(中略)本書は、現下の政治状況に対する応答を動機としているが、単なる時局論ではない。時局的問題にも論及しているが、主たる狙いは、時局的問題を読者が自ら筋道を立てて原理的に考察するための哲学的視座を提供することである。
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法哲学者としてリベラリズム研究をリードし、『共生の作法』でサントリー学芸賞、『法という企て』で和辻哲郎文化賞を受賞した学界ど真ん中の碩学。文章は高度に論理的で、その緻密さゆえ「難解」とされてきた。その井上達夫が、まさかこんなにくだけたタイトルの本を出すことになろうとは。本文もインタビュー形式で、読みやすい。
「安倍政権による政治の右旋回」が急速に進む一方、対抗軸としての「リベラル」も信用を失っている今、その政治状況への応答を動機として、リベラリズムの専門家が、その真髄を、一般読者にも理解できる平易な文体で届けようとする。しかし、これは日本の「リベラル」を擁護するものではない。むしろ、その欺瞞を鋭く指摘し、厳しく批判している。そして、法哲学的な思考態度のトレーニングを兼ねて、哲学史を遡りながら本来のリベラリズムとは何か、解説していく。
憲法9条をめぐり、法学の内外に賛否両論のある井上説(9条削除論)についても、丁寧に書かれている。哲学の冷徹な方法論と、その根本にある情熱を同時に知ることのできる最高水準の法哲学入門だ。これが、昨今の政治状況のおかげで誕生したことは何とも皮肉だが、せっかくなので広く一般に届けたい。
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日頃からマスコミで自称「リベラル」の人達の意見に呆れることが多く、なんとなく反感を抱いてた。しかし、そうは言いても、それに対して明確に誤りであることが指摘できず、消化できずにいたが、筆者が快刀乱麻を断つという感じで説明してくれた。9条の問題での軍事情勢の認識では筆者の認識を受け入れるのは留保するものの、価値観が多様化し、社会情勢が複雑化する現在にこそ、自分価値観を明確化していく必要性を強く感じた。筆者があとがきで挑戦したという「平易」と「明晰」の両立は成功していると思う。読後に自分が賢くなったのでは?と錯覚してしまう本である。
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サンデル教授の紹介で一躍関心が高まった「正義論」。関心のある方はぜひ、この書をひもとくべき。集団的自衛権は違憲だが……というところから説き起こしており、とても分かりやすい。
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リベラルとは何かということについて、筆者の見解がまとめられている。彼の今までの考えについて平易な言葉でまとめられてあるので、これから筆者の著作群に臨もうとしている人は、目を通した方が良いと思う。
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少し前に出張で入った。北大生協の書籍店で、店の前の
平台に大きく置かれていた本書。
どちらかというとリベラル的な考え方のほうが、
個人的に好ましいと思っているので、読んでみました。
内容的には少し難解ではありますが、著者の考え方
論理展開。批評の仕方はとても面白く、
頭のいい人だなあと感心します。
また、物事の見方としてのひとつの考え方の事例として、有用である部分も多くあったと思います。
やはり、絶対正義(正統)の追求、現在の政権の危うさ
などは誰かが言い続けなければ(思い続けなければ)
ならないのではと思います。
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すごく面白かった! 特に最後の哲学について語るところとか。
後半の理論的な話も、自身やロールズの思想の時間的変遷と絡められていて読みやすかった。
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まず、リベラリズムが自由主義ではないということに驚いた。リベラルは、本来は「正義主義」とでも訳すべきでると。公正、公平を最も重んずる思想であると。その中で、グローバルジャスティス、世界正義という概念が現れる。僕も正義とは胡散臭いと思っていた。どの陣営も正義を謳うが、その正義が争いを引き起こすと。しかし、それは本来の正義ではない。実は、正義というものは厳然と存在するが、どの正義も、それらの解釈に過ぎず、その解釈の差異で争いがおこる。しかし、世界正義というものを構築していくことは無駄ではなく、必要なことだと本書から感じた。価値を相対化するだけでは後ろ向きだ。様々な価値を受け入れつつ、それでもなお、すべてを包含する正義を探求する。それこそ人類の使命ではないか。
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難解な井上達夫氏の法哲学書ということで、凡人にはやはり?な箇所も多かったが、9条削除論や徴兵制などの論理展開は、既存の右派や左派のありきたりの論争と違う、根源的な視点からその論拠と共に明解に示されており、大変参考になる。
もう少し知りたい、理解したいという欲求は湧いてくるが、これ以上平易にはできませんかねー。
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正義論について、直近の出来事を踏まえつつ、アカデミックな対談がまとめられている。ダブルスタンダードは不正義というシンプルな原則を確認すると同時に、ある価値観の普遍性、他者への強制をどこまでできるのか、すべきなのか考えさせられた。
英米のダブルスタンダードを批判しつつも、価値相対主義にも批判的で、グローバルジャスティスを確立すべきとする著者が、どこで落とし所を探っていくのか見ていきたい。
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政治の現状に対する多くのモヤモヤが晴れ、視界が開ける。反転可能性、や、正義概念、といった明晰な視座が与えられた。