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生命の星の条件を分かりやすく一般向けに書いた本です。著者の生命のいる星はあるはずだという信念が伝わってきて面白い本ですね。
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著者は、生命の発生する星が地球だけでないという信念を持っている。しかし、地球の現在の姿が、とても狭い条件で成立していることが説明される、不思議な本。
以下、知らなかったこと。
大陸地殻は、水平に圧縮されていないと平坦になり水没してしまう
co2 の温室効果は、h2o で増幅される
海惑星ほど暴走温室効果に陥りやすい
海水が10倍の時、1/10の時
系外惑星系での惑星移動
原始惑星円盤 45.672±0.005億年
マグマオーシャンのある状態の惑星を、見てみたい
海王星、天王星は六七割が H2O
地球は本来1%あるはずの水が0.023%しかない
プレートテクトニクスは、太陽系では地球だけ
自転軸が傾いている方が、極地の反射が減って温暖になる
中心星に近いと潮汐力が強く、公転同期しやすい
近日点と遠日点の日射の差 3% の影響は大きく、陸の多い北半球が冬に近日点を通る時期には海水温が 10℃ 低かった
部の先輩が猿橋賞を取ったということだけ知って専門を知らなかったので読んだ本。意外なことは山ほどあるが、とてもわかりやすかった。
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http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=all&category-mgz=all&materialid=11500795
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惑星学の最前線を学ぶ知的興奮の旅を味わうことができる。第一線の知見を、これだけかみ砕いて語るには、相当執筆の苦労があったと偲ばれる。惑星探査にもっと貢献したくなる本。
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この本の世界である地球惑星科学は、人類が生きる星の条件を読み解き、こんな世界に自分達が住んでいるんだ、という感慨を与えてくれます。
専門的なはずなのに、専門知識がなくても興味深く読めます。
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内容が素晴らしいのは当然として、何より元から日本語なので文章が素晴らしい。意図が的確に飛び込んでくる。
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著者は、地球の特徴として、「①地表に水があること。②大陸があること。③プレートテクトニクスがあること。④生命がいること。」の4つを挙げる。地球には空気があり、海があり、適切な気温に保たれているが、本書ではこのような地球に生命が生まれる条件について議論されている。
水や空気や気温や気候が生命の条件に都合よく合うことについては、いわゆる人間原理にも似た議論が出てくる。つまり、「地球とは少し違う環境の惑星があったとして、そこに生物があるとしたら、その生物は惑星の環境によく適応しているでしょう。そして、逆の言い方をすれば、その惑星の環境はその惑星の生物たちにとって「奇跡のように」すばらしいものに見えるのではないでしょうか。こういうわけで、私は地球の条件がいかに微妙に見えても、奇跡の星という言い方で片付けてしまいたくないのです」というのが著者の考えである。そして、この問題を論理的かつ科学的に考えるにあたっては特に強く求められる姿勢となるだろう。
実際に、タイトルにある「生命の星の条件」を確定するのは難しい問題である。著者も次のように述べる。「すでに述べたように、地球の生命は、地球の環境に合わせて進化していて、進化は必ずしも同じ道をたどるとは限らないのです。さらに地球の生命についてですら、全体としてみたとき、惑星がどのような状態でなければならないか、はっきりしないのです」
その上で、著者は水の存在割合やプレートテクトニクスの影響、さらには近日点と遠日点の差などにも言及する。
「この背景にある問題は複数あります。一つの根源的問題は、我々が地球の生命という、一つの生命しか知らないことです。これから「一般的な生命」を推測するしかありません」ー 果たして「一般的な生命」などというものをわれわれは推定することができるのだろうか。まずは、ここに困難が存在していることを否定できない。
宇宙全体において生命が生まれて人類とコミュニケーションできる確率がどの程度あるのかという議論では「ドレイクの方程式」が有名である。ちなみに具体的なドレイク方程式は次の通りである。
= 人類がいる銀河系で1年間に誕生する恒星の数
x その中で恒星が惑星を持つ確率
x 惑星を持つ恒星のそれぞれで、生命を宿しうる惑星の平均数
x それらの惑星が実際に生命を宿す確率
x それらの惑星が実際に知的な生命を宿す確率
x それらの知的生命の文明が、宇宙で検出できる通信信号を放つ技術を得る確率
x その文明が、信号を出し続ける時間
= 銀河系において地球と交信可能な文明の数
1961年の時点で仮に数値を入れて計算をしたところ宇宙全体で「10個」とされていたが、もちろん諸々の説が存在する。
著者は2003年にALSを発症して、この著作を書いているときにはすでに病床にあるということを、同じ分野の准教授でもある妻の阿部彩子さんが書いたあとがきで知った。口述で速記を作らせて、画面上で修正していくという作業を続け、3年間の情熱を注いでできたものがこの本だということである。
「この本を読んでくれた方々が、科学者阿部豊と一緒に、「地球以外にも生���の星はある」という「信念」を「科学」に変える探求を応援して参加してくださるなら、こんなに嬉しいことはありません」
良い意味でその並外れた苦労を感じさせない内容になっているが、襟を正して読ませてもらわねばと思った。
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東大の、難病に侵された研究者が、一般向けにわかりやすく書いた本で、生命が存在する星の条件が各章ごとに書かれている。
・水
・プレートテクトニクス
・大陸
・酸素
・海惑星と陸惑星
・惑星の巨大衝突
・大気と水の保持
・大きさ
・軌道もと自転と他惑星
・恒星
これだけの条件下に当てはまる星があれば、生命が存在するという結論で結ばれている。
酸素の章くらいまではついていけたが、だんだん読んでて頭が混乱してきたw
でも、とても面白かった。
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題名に惹かれて読んでみた。
地球以外に生命のある星があるのか?という疑問について、生命が維持できる条件について検証している。
水、地面が動く、大陸、酸素、海惑星と陸惑星、作成の巨大衝突、大気と水の保持、大きさ、軌道と時点と他惑星、恒星などの章に分けれており、水や大気と水の保持などまあ当たり前だよね。と思うものから地面が動くなど「え!そんなことも・・・」と言う事まであった。
特に酸素は当たり前だと思っていたが、実は有機物にとって酸素は有害だと言う事が書かれていた。でもなぜ酸素は必要なのかというと、エネルギー効率が良いからと言う事が紹介されていた。
こうやって見ると、著者は決して地球は「奇跡の星」ではないといっているが、奇跡に近い偶然が重なって地球が出来ているのではないかと思ってしまう。
面白かったが、私のような小中学校の理科の時間に星について学んだ程度の一般読者が文章だけで理解するのは非常にハードルが高いと思った。文章理解の補助となる図やイラストなどが欲しいと読んでいて何度も思った。
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現在の気候が繊細なバランスの上になりたっていることに気付かされた。
地球型知的生物の存在できる星はかなり少ないのかもと思わされた。
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太陽系外の惑星に生命が宿るにはどのような環境が必要かを、水、酸素、大陸の存在、二酸化炭素、惑星の大きさ、惑星の軌道などの諸条件ごとに検証する科学読み物的な本。この手の本は外国の著者によるものが多いのですが、残念ながら訳がイマイチなケースが多く、何回読んでも頭に入ってこないということがよくあります。ところが、この本は著者が日本人ということで文章がスムーズに頭に入ってきて読みやすさ抜群でした。最新の研究成果もふんだんに盛り込まれ、内容の質・量と読みやすさ共にこの分野の本では抜き出ている印象を受けました。
生命が誕生し、進化するために必要な条件を整理する過程における考察に飛躍がなく、また専門的になり過ぎない程度に考察を進めるので議論の進む方向性を見失うことなく読み進むことができました。我々が地球環境に対して抱くイメージには実は誤りも多いことが新鮮でした。例えば「地球温暖化=有害な現象」と捉えがちですが、適度な温暖化がなければ寒冷化し過ぎるとか、陸地と海の比率がより極端になり、海がより広大になれば却って気候が極端になって生命にとっては厳しい環境になるとか。
著者はALSを発症し、この本を書き上げるのに3年を要したとのことです。著者のその熱意が伝わってくるような本でした。
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入門書から一歩深めるアストロバイオジーの本。噛み砕いた表現にはなっているが、理解は決して簡単ではないだろう。地球以外に生命は発生するか、という問題意識には必須な問い掛けである、「もしも」の話しが多いからだ。
ちいさな多くの驚きと大きな二つの驚き(海惑星と陸惑星、磁場のトピック)に満ちた著作でした。
・「液体の水」の存続にきわめて重要ななのが、水蒸気以外の温室効果ガスの存在。
・プレートテクニクスはいまのところ地球以外の惑星では確認されていない。
・地球の大陸地殻を特徴づけている花崗岩は、地球以外の天体ではまだ発見されていない特殊な岩石。
・最近の実験結果では、陸惑星のハビタブルゾーンは、水の量が少ないほど広がることが分かってきた。典型的な陸惑星のほうが海惑星より3倍以上広い。
・もしも月がなかったら、太陽の潮汐力だけが歳差運動の原因になり、自転軸の傾きは10度以上の大きな振幅になる。(現在は22.1~25.4度)
・地球の磁場は、現在は南がN極、北がS極だが、この両極はしばしば逆転する。一番最近は約70万年前。
・太陽の磁場も太陽系外からやってくる宇宙線が太陽系内に入り込むのを妨害している。
・短期的に磁場がなくなっても、生き物が大きな影響を受けたという証拠はない。
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【大西浩次先生】
いま、空を見上げると「惑星」をもつ星をいくつも見つけることができる。1995年、最初の太陽以外の恒星のまわりの惑星(太陽系外惑星=系外惑星)が発見されて以降、今日、4000個近い系外惑星が見つかっている。2000年ごろから重力マイクロレンズ現象による系外惑星探査をしてきた者として、地球的な惑星の発見が大きな目標であったが、いま、そのような星が実際に発見されつつある状況になってきた。地球のように、「液体の水」を持つ位置「ハビタブルゾーン」に存在する惑星が見つかってきている。では、そのような惑星には生命がいるのであろうか。著者である阿部豊博士は、ブラックホールなどの研究で有名なホーキング博士と同じ筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、自由にならない体にも関わらず、ひたすら、生命の星の条件を探る旅を続けている。きっと生命はいるはずだという強い信念と自由な発想で進めてゆく途上で、予想外の結果を次々と突き止めてゆく。あなたも真実の探求の旅に出ませんか。
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「地球惑星システム科学」という専門分野での研究成果を、不学の徒にも分かるように極めて平易に解説した本。もしかしたらこの広い宇宙のどこかに地球の他に生命の存在する星があるのではないか?という、どこか稚気のある(と言ったら失礼かもしれないが)問いかけに対して、素人にも想像のしやすいテーマごとに章立てし、これまでの研究で分かっていることを噛み砕いて説明してくれる。難しい理論の説明は可能な限り排除されていると思うし、そのため、読んでいて眠くなったり飽きることがない。優しく語りかける様な文体から、著者の研究にかける情熱もじわりと伝わってくる気がした。
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地球科学・惑星科学の見地から、生命が存在するためにはいかなる条件が必要なのか、様々な角度から検証します。
地球にある環境はいかにして出来たかを確認し、生命の星となる条件を考えます。もしも一部の要素が違ったらどうだったかなどを検証します。そして、この宇宙のどこかで、もしもこんな星があったらどうなるかといった科学的な予想のお話まで及びます。
この本は専門的で難しくなるお話はなるべく避けて、一般向けにかみ砕いてまとめられています。また、わかりやすく丁寧な文章で書かれているので、読みやすい良い本だと思いました。