紙の本
旅に出る理由はない
2016/01/17 13:01
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ラオスにいったい何があるというのですか」
これは、ラオスにいくときに、村上春樹さんが言われたが言葉だという。
たしかに、ラオスになにがあるかなんて、分からない。だからこそ、いくのだと。
旅に目的はない。
だけども、なにがあるかわからないからこそ、ラオスという、いったことのない場所にいくのだという言葉は、説得力がない反面、十分に納得できるような気がする。
実際我々も、ラオスという未知の場所に村上春樹は何を見たのか興味があるので、この本を手にするわけですし、それは、とてもワクワクできる、読書体験でもあるのです。
紙の本
村上春樹氏のラオス紀行!
2017/07/31 02:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、村上春樹氏のラオス紀行です!表題も刺激的ですが、内容もなかなか面白く、一気に最後まで読んでしまいます。ラオスという小国で、筆者が目にした様々なものや人が、筆者の視点から、生き生きと描かれています。
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20年分の紀行文まとめ。
トスカナにワイン旅行に行きたくなった……
ちなみに同じ本を読んだ旦那は、シベリウスの交響曲を聴き込んでます(笑
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村上春樹さんの紀行文集です。
表題のラオスの他、ボストン・アイスランド・ポートランド・ミコノス&スペッツェス島・ニューヨーク・フィンランド・ トスカナ・熊本。。を訪れています。
村上さんの紀行文を読むと、その書かれている土地が身近に感じる気がします。
ふとしたときに、読み返したくなるような一冊だと思いました。
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フィンランド語について、最近まで余り使われていなかったということを初めて知った。英語で読むのか。
アイスランドでは読書が盛んであるとか、好きな作家の文章を通して他の国のことを知る楽しさはひとしお。
のんびり読める本。
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旅っていいものです。ーそこには必ず何かがあります。さあ、あなたも腰を上げてどこかに出かけて下さい。
たくさんの水を日常的に目にするとにうのは、人間にとってあるいは大事な意味を持つ行為なのではないだろうか。ーラオスにいつたい何があるというんですか?村上春樹著
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村上春樹さんの紀行文集。長編小説の間にちょくちょく短編小説や書き下ろしエッセイを入れてくることが多い村上さんなので、何か書き下ろしエッセイなのかなと思ったのだけれど、紀行文というテーマで過去の作品を集めたエッセイ集だった。主にはJALのファーストクラス向け機内誌(そんなものがあるんだ)用に書かれたもののようだが、ここに収められた文章は、実際の機内誌掲載のバージョンとは別に長めのバージョンを作っておいたものらしい。短いものはあくまで短い場所にフィットするように調整したもので、本来その文章が持つべき長さはこれ、という考えなのだろうか。そうだとしたらいかにも村上さんらしい。
この本では当然ながら村上さんが実際に行った場所が紹介されている。その中で紹介されているミコノス島には、自分は新婚旅行含めて2度行った。ニューヨークには一年間住んだ。ボストンにはニューヨークに住んでいるときに観光に行ったし、仕事の関係で一時期はほとんど年に二~三回程度行っていた。これらの場所に関する文章を、アイスランド、フィンランド、ラオス、トスカナ、ポートランドなど行ったことがない土地についての文章と比べると、惹き込まれる度合いが大きく違う。具体的な風景やエピソードが頭に浮かぶと(といってもとても不正確でざっとした印象に基づくものだが)、その文章がより直接的に自分に向けて語りかけているように感じる。
ミコノス島は、村上さんが『ノルウェイの森』を書き始めた場所で、初めて海外で住むことになった土地だという。久しぶりにその場所を訪れて綴ったのが「懐かしい二つの島で」の章だ。ミコノス島もドイツからジェット機が直接来るようになり、観光地としてますます栄えているそうだが、その文章と写真から受ける印象は二十年前(そう二十年も前なのだ)とあまり変わらない。写真も昔の記憶そのまま。この文章が書かれたのはギリシア経済危機の前だということだが、あの島は変わらないままでいてほしい。同じようにもう一度あの島に行って、あの頃はこうだったけど変わったねえとか、それでも変わらなくて懐かしいねえ、なんてゆっくり島を巡ってみたい。
ニューヨーク。村上さんは、タイムマシンができれば1954年のニューヨークに飛んで、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ五重奏団のライブを心ゆくまで聴いてみたいという。自分はそこまでジャズに入れ込んでいないけれども、ここに書かれているいくつかのジャズ・クラブには行っている。ニューヨークのビレッジバンガード - 「不規則に折れ曲がった奇妙な形をしている」という記述から、明かりを落としたフロアでブロンドのニューヨーカー(たぶん)が目を閉じて少し頭を揺らしながらピアノトリオの演奏を聴いていた情景が甦った。思っていたより小さな空間。ああ、ここでビル・エバンスがあのピアノを弾いたんだなあと自分は思っていた。
ボストンは二度紹介されている。一つ目はボストンマラソンがメインなので、素敵な文章ではあるけれども、いまいち共感が薄かったのだけれど、二つ目はレッドソックスとホエール・ウォッチングの話でそうそう、という気持ちになった。ホエール・ウォッチン���は確かにとてもゆったりとした気分になれた。懐かしいなあという気持ちでいっぱいになった。
村上さんの小説がアイスランド語にもフィンランド語にも翻訳されていることが触れられている。こういったマイナーマーケットの言語にまで翻訳されているということに対して、村上さんは珍しく誇らしげだ。
肩の力を抜いて気軽に読める。この中に行ったことがある土地があればきっと気にいると思う。
そういえば、最近旅というものをさっぱりしなくなったなあ、と少し寂しくもなった。
※ コロンビア大学の近くにある「スモーク」というジャズ・クラブも紹介されているが、そんなのあったけと思って調べると、ちょっと歩くと遠そう。
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村上春樹の紀行文をまとめた物。ベースはJALの機内誌用に書いた文章とのことで一般向けに書いた内容が多く、過去の紀行文にあったような破天荒な内容はなりを潜めている。あと、昔は貧乏旅行をしていたのでトラブルに遭遇していたと思うんだけど、村上さんが老年になった事に加え、お金もあるため全体的に優雅に旅行になっているため、トラブルも少ない。トラブルが少ないが故に紀行文としての面白さが減じているという感じもある。やっぱり旅ってトラブルがあるからこそ面白い、というのがあるからね。まぁ、色々書いたけど、読み始めたらあっという間に読み終わったので、買って損はなかったなとは思ってる。ただ、昔の紀行文のように繰り返し再読するか、と問われるとたぶん繰り返しの再読はしないんだろうなぁ、とも思ったりもした。
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ラオスの話がすごくいい。いろいろなものを飲み込んでいく茶色いメコン川と、灰色の空が見えてくる。そのまま。
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2015年102冊目。
小説家・村上春樹の短編紀行文集。
ボストン・アイスランド・ポートランド・ギリシア・ニューヨーク・フィンランド・ラオス・イタリア・そして熊本県。
かつて住んでいた街の記憶の辿り方と、新しく訪問した国の新鮮な感受性が良かった。
村上春樹と言えば、食・酒・音楽・そして意外と車へのこだわりの強さ。
思わずその分野に手を出してみたくなる魅力がある。
あんなにこだわれるものを自分も持てたらな〜と思う。
教訓めいて考えさせられる本ではなく、紹介される国の風景を思い浮かべながら浸って「いいな〜」とほっこりできる本だった。
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タイトルにある、ラオスに行ってみたいと思っていて
村上さんがみたラオスの話を聞いてみたくて読んだ。
ラオスだけじゃなく、ギリシャやフィンランド、熊本の話もおもしろかった。
村上さんの書く文章は非日常に連れて行ってくれるから好きだわー。
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久々の紀行文集。ギリシャのミコノス再訪について書かれた章があると知り、一も二もなく購入。著者が日本を離れヨーロッパのあちこちで暮らして小説を書いていた頃のことを綴った「遠い太鼓」は、もしかしたら一番好きな村上作品かもしれない。どこら辺に何が書いてあるか覚えてしまうくらい繰り返し読んできた。中でもミコノス島滞在のくだりがとても好きだ。あの管理人ヴァンゲリスは元気だろうかと、まずこの章から読み出した。
残念ながら、著者が訪れたときヴァンゲリスは既に亡くなっていた。そうだよね、あれからもう四半世紀もたつんだもの、いろいろ変わっていくのは仕方のないことだ。…とは言うものの、やはり切ない気持ちになってしまう。「遠い太鼓」を引っ張り出してきて、著者にイカ釣りを手ほどきするヴァンゲリスの写真が載っているページを開く。黒いヒゲがいかにもギリシャの人。隣に立つ著者も若い。
いやいやまったく、村上さんも、と言うより村上さんを取り巻く状況も変わったものだなあとしみじみ思う。「ノルウェイの森」が書かれたのはギリシャ滞在中。いつ頃からか新刊発売が社会現象のようになり、ノーベル賞騒ぎが恒例となり、どこかで講演をすれば新聞記事になる。ご本人は(見た目も)それほど変わったように思えないけれど、以前のような身近な感じは薄れた気もする。
最後の章は熊本訪問だが、どこかしら歯切れの悪さを感じてしまった。やっぱり「村上春樹がこう言った」とかすぐに取りざたされる立場としては、否定的なことは言いにくかろう。「村上朝日堂」や「東京するめクラブ」のような軽やかなのがまた読みたい。
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紀行文集。ヨーロッパを中心にラオスや熊本など。特にラオスとか好き。しかしまあ、ヨーロッパってなんであんなに都市のなんでもないとこでも美観が保たれてるんだろう…
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久々の村上春樹の紀行文集。「旅には何かがある。分かっていたらわざわざ出かけない。」と言う一文が心に残りました。
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村上さん巡礼の旅へ、的な。
表題のラオスと、アイスランドははじめて訪れたようですが、あとのボストンやらギリシャの島やら熊本やらは再訪だったようで、「あのときはああだったな」とか全体的にそんな印象。
ああ、美味しいものを食べながら旅がしたい。
「遠い太鼓」が大好きなので、ギリシャとイタリアについての文章は、自分のことのように懐かしく郷愁を感じました。
あと、くまモンについて考察されていて笑った。
笑ってから、これはくまモンだけの問題に非ず…笑いごとじゃない現象かもしれないとハッとした。んだけど、やっぱり笑える。
p.240 それを「芸術」と呼ぶことはおそらくむずかしいだろうが、少なくとも「達成」と呼ぶことはできるはずだ。そして我々が住むこの広い世界には、批評の介在を許さない数多くの達成が存在するのだ。
p.246 ちょうど「ミッキーマウス」が普遍化して、もともとの「ネズミ性」を失っていったのと同じように。そう、とても複雑な仕組みを持つ世界に僕らは生きているのだ。そこではイメージがずいぶん大きな意味を持ち、実質がそのあとを懸命に追いかけていく。