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哲学書の解説書。
著者は若い教授のようだか、哲学を読み砕いて理解する訓練をかなり行ってきた方だと思う。
今春から読書を始めて、哲学分野に手をつけたのは今回が第一冊になるが、これから読み広げて幾度に振り帰ってまた読みたい本。
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平易に書かれているけれど、それでもかなり難しい。各論の手前、哲学って何?という概論的な素朴な疑問に対するひとつの答えをここから読み取るという本に思える。哲学は市民感覚に基づくべきもの、戦争や価値観の転換などひとを揺さぶる諸要素のなかを生き抜くための取り組みとして展開されてきたものであることが感じとれた。
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多分、世界史の授業か何かで聞いたことがあるだけの哲学者であったり、その哲学者の書いた本を、せっかくだからどんなことが書いてあるのかちょっとのぞいてみないか、という趣旨の本。例え話もふんだんに盛り込んで、できるだけわかりやすく書いてあるけれども、それでもよく分からない本もあって、原書はどんな感じなのだろうかと想像してみると面白い。
そもそも哲学的に考える意味がどういうところにあるのかが、理系の私にはつかみきれないわけですが、今の私たちから見ると不思議な考え方も、実は宗教などの絡みがあって、当時としてはそう考えざるを得なかったみたいな歴史的背景も丁寧に説明されていてよく理解できました。
デカルトの「私は考える、ゆえに私はある」であったり、ジョン・スチュアート・ミルの「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。」であったり、あぁ、聞いたことはあるけど意味はよく知らなかったという言葉もいっぱい出てきて、その意味を確認するだけでもこの本を読む価値があると思います。
500ページ近くありますが、50冊の本が紹介されているので、時間のあるときに細切れに読んでいっても十分楽しめます。秋の夜長にといっても、これを書いているのは真夏ですが、じっくりと読んでみたい1冊です。
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認識、存在のテーマを多く集めています。
解説というより、評論ぽくなっているのが特徴。
50冊も詰め込むのではなく、もう少し一つ一つを詳しく見たい気がしました。近代のは特に。
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新書にありがちな題名と中身が異なる本。西洋哲学・現代思想の歴史がザックリとは理解できるが、50冊に囚われてしまっているので、少々繋がりが悪くわかり難い。かと言って、50冊各々が上手く要約されているかというとそうでもなくて、歴史なのか著作解説なのかどちらに重点を置いているのかよくわからず、全体的に中途半端。書き方もクドくて小難しい。著者独自の視点も結構盛り込まれている印象で、500ページ弱あるし入門書としては不適格かな。
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どうしてこの本を読もうと思ったのか、私・・・(苦笑)。
哲学って難しい、と思っていたけれど、前より分からなくなった気がします。
こういうことをグルグルと考えていると頭が疲れます。やっぱり若い時でないと!
ちなみに、哲学書を読む心得。
①あきらめずに、粘り強く、自分の頭で考えながら読む。
②動機をすくい取るように読む。
③繰り返し読む。
④仲間と読む。
⑤名を残した哲学者だからといって必要以上に畏敬の念を抱かない。
だそうです。
この50冊全ては読めないかもしれませんが、何冊かはいずれ挑戦してみようかな。
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哲学がわかりやすいわけがないけど、著作ごとにわかりやすく書かれた本。つまり内容にがっつり踏み込んだものではなく紹介にとどまる。しかし入門として、記された著作を読む準備段階として、とても役に立つと思う。ただしある程度知識がある人からしたら、退屈または文句がつけたくなる部分があるのかもしれない。
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1.ソクラテスの弁明
”魂ができるだけ優れなものになるよう、随分と気を使うべきである。”
自らが無知だと知っていることただ一点のために私の方が知恵があることになるらしい
2.饗宴
”恋とは良きものと幸福への欲望である。”
プラトニックラブのプラトニックはプラトン的な?一般には恋愛の肉体的側面を否定して精神面を尊ぶ言葉だが、プラトン自身は恋愛はまず美しい肉体が第一の条件だと思っていた
3.パイドロス
”恋愛の本質とは良き狂気である。”
恋にはロマンティシズムの側面とエロティシズムの側面がある
議論はまず前提となる本質を明らかにする必要がある。そのためにはそのもののイデアを明らかにする必要がある。
良い議論とは①問題点を共有し、②論じられる事柄の核心をつかまなければならない
4.国家
正義とは何か。それを知るためには善のイデアを学ばなければならない。
ギュゲスの指輪...もし自分が不正を働いていることが誰にもわからないなら、私たちは不正を働いて幸福になろうとするのではないだろうか。
洞窟の比喩...
5.形而上学
形而上学と聞くと高校の国語を思い出す。高次概念語であり当時はまったく理解できなかったが、簡単に言うと、物事の背後の真理、本質、世界の根本原理を解き明かそう(というか夢想)する学問(というか妄想)である。
自然科学の源流は哲学とは知っていたが、その根本はこの形而上学にあるようだ。アリストテレスは物事を原因と結果の推論により描き出そうとした(これはまさに科学だ)。
哲学者らしいのはさらに次だ。何かが動くためには動因が存在しなければならない。その動因にも動因がなければならない…結果、最後にそれ自体は動かされず、因果を支える「不動の動者」に行き当たる。アリストテレスは世界の根本原因はこれだと、考えた(これって神のこと?とはいわない)
6.政治学
”人間はその本性において国家をもつ動物であることは明らかである”
政治は私たち人間に固有の営みだ。人間が他の動物と一線を画すのは、人間があるべき理想を踏まえ、共同体を構成し、政治によって既存の共同体をより「よい」ものへと編み変える可能性
力をもつからだ。
人は善を目的因とし、国家は最高善を目的因とする。
この章を読んで、人間の凄きはよりよい改善を求め(そのためには欠点を見つけなければならない)、それを克服しようと動かずにいられないことにあると感じた。嗚呼、世の中が混乱する原因ここにありやな…
生物学的に気になるのはなぜ人は「良きを求め改善に明け暮れる」という特性を手に入れたのか。もちろん進化の結果だが、なぜ人だけが高度にこの能力を発達させたのだろう。ある意味、神経質で多動だよなあ。
7.人生の短さについて
”我々は短い人生を受けているのではなく、我々がそれを短くしているのである”
セネカはストア学派の一人。ストア学派のストアはストイックの語源とも言われる。平和で自由度が増した中世、倫理が崩れ始めた時にあらわれた、禁欲的な、観想を重視する思考(まさに僧侶的な)だ。
仕事��忙殺されることを避け、時間を自分のために使うことが必要だ。元気のあるうちにより偉大な仕事にむかうべきだ。
これは現在でも共感できる考え方だ。これが紀元前紀元後初期に書かれたとは…
8.告白
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---読まずにぼんやり死んでいくなら、読んでもがいて生きていたい!---これから哲学の本を読んでみたい人へ。著者は表面上の難しさに惑わされずポイントをつかめば十分、無理に理解する必要もない、と勇気づけてくれます。哲学者たちの作品がわかりやすくかみ砕いて紹介してあるこの本を手がかりに哲学の世界へ歩み出してみませんか?
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哲学にはずっと興味を持ちつつ、のめり込むのに最適だった学生時代が夜学&バブル全盛期であったため、結局その頃は深堀りせずにいた。当時深く接していれば、その後の人生はもう少し充実したものになっていたのかもしれない。
それでも哲学(数学も)への興味と関心が完全に失せることはなく、改めてこの本を見つけた時に手にとる条件が揃っていたというのがこの本との出会いだったのだと思う。「存在」「時間」「自由」などの意味・概念を、普遍的なもの(あるべきもの)として考え抜く思考の作業は、私にはこれから生き続けていくために、この命が失われるまで考え続けなければならないものなのだと思う。
あえていえば天職”感”まで感じている分野といえる。今後もこの本は何度も読み返し、その単著にも触れながら、自律的に考えていこうと思う。
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タイトルが気になったので図書館で借りて読んでみました。
思えば哲学書なんて今まで全く触れてこなかったなぁと思いまして。
とりあえず名前だけは知ってるプラトンやデカルト、カントなどの
著作の解説をしてくれておりこの一冊で古代から現代までの哲学史を一通り学べるように思います。
哲学という学問が何を目指して脈々と現代まで続いてきたのか
大まかな流れを理解することが出来ました。
ただサラッと読み流しただけですが、自分の人生に対する態度とか考え方とか
参考になった部分が多々あったように思います。
それにしても文章中に時折現れる引用部分の読みにくいことといったらありません。
著者の解説がなければさっぱり分からないというレベルです。
気になった作品があったら紹介されてる本を読んでみようかと思っていたのですが
躊躇してしまいますね。
これだけ難解な書物を素人にも分かる言葉で平易に言い換えることができる
著者の表現力に脱帽です。
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哲学にはもともと興味があったが、この本は完全に表紙買い。ただ表紙のとっつきやすさだけではなく、中身も極めて分かり易く、哲学への導入としては最適なのではないかと思う。
哲学と聞くとなにやら難解な内容で、読んでも理解できないかもしれないという印象を持つ人が多いと思うが、是非そんな人にも開いてほしい一冊。私もこの本の中で紹介されている50冊の中からいくつか読んでみたが、読みやすいものも多く、特にプラトンは対話形式のためか面白く読むことができた。まさか哲学者たちが恋愛について熱く議論していたなんてね。そして現代に生きる私がその恋愛論から教えをもらえているなんて、すごいことではないか。
内容をきっちり理解できなくてもいい、もしわからなくなったら平原氏の解説に戻ればいい。まずは哲学の扉を少しだけ開けてみよう。そう思わせてくれる安心のガイドブックだ。ちなみに平原氏のHP『Philosophy Guides』も併せて参照するとさらに良い。
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哲学の本では必ず、意味のわからない言葉が出てくる。知っている言葉でも違う意味で使われていたりする。なかなか意味が入ってこないが、強い気持ち感じる部分は、何度も読み返した。言葉で説明できないが、意識の底の方が頷いている感覚が度々あった。
わかりやすい例えが多く出てくるが、その例えでいいのだろうか?と思うこともあった。
哲学にしても、概念の工芸、言語ゲーム、差異のたわむれ、すべては普遍的なものでないと思うことにしている。見方や言葉を変え、誰もが同じことを言いたいのだという気がしてならない。
生きるための必要性の奴隷になれと言われ続けてきた。確かに、子どもは必要性を知らない。知らずにその先の話をするのは無理だとわかる。必要性を叩き込まれ、僅かな実感、人との関わりの中での気づきを得て、何かの答えを探す自立した思考を持つ。答えを導き出すことではなく、そこへ向かって考えることが目的になる。
私は、プラグマティズムに傾倒して、今を幸せにするためのツールとして使っている。
170613
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古代ギリシアから現代に至るまでの哲学の著作や著者の主張について、時代背景を踏まえて解説している。
なかなか理解が難しいところもあるが、全体的に平易な表現で書かれており、初心者でしたが最後まで苦にならず読み切ることができた。また、人がどのように振る舞い、どのように生きていくべきか、その普遍性について探求する学問が哲学なのかなと思ったし、著者の哲学に真摯に取り組む姿勢が見えたこともとても良かったです。
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これまで学んだことの体系的な復習。まだ触れたことのない本についての好奇心を煽られました。
浅く開く拾えるので「とりあえずかじってみよう」という方にオススメかと。