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『幼年期の終わり』の地球人と同じではないか
2023/04/22 14:21
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンピューターの開発。パーソナル化。インターネットの普及。デバイスの小型化。実用的人工知能。聖書の記述とリンクさせて語るAIへの路。箱舟。バベルの塔。モーゼの石板。聖杯伝説。千年王国の到来。最後の審判。未来の大学生の卒論作成の体裁を取る本書は、チューリングまでさかのぼり、ジョブスをモーゼになぞらえる。ITに携わる者からすれば、未来に対しては明るい見通しを持っているのだろう。労働から解放され、幸せを得るかのように書いている。が、それはあたかも上主に全てを与えられた『幼年期の終わり』の地球人と同じではないか。
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コンピュータやスマートホン、クラウドといったITの主役たちとともに人工知能の研究の歴史を前半は振り返ります。後半は、将来、人工知能が私たちの生活に何をもたらす可能性があるのかを予測します。
聖書の物語や哲学と対比させながらの展開が斬新です。また、2030年の女子大生の暮らしが挿話として同時並行で語られるのも面白い。前半のITの歴史の部分は、とかく堅い話になりがちですが、こういう工夫のおかげで飽きることなく読み進めることができました。
人工知能の発達が何をもたらすのか。まず、間違いなく生活は便利になるでしょう。知的な労働からも解放され、超効率的な社会で、皆がそこそこの豊かさとともに、安全に暮らすことができるようになるかもしれません。一方で、もしかすると人工知能が暴走し、ターミネーターで描かれる未来のような社会が来る可能性もあるかもしれません。
いずれにしても、本書で描かれる2030年や、シンギュラリティが訪れるとされる2045年に、直接体験してみたい。今、学生や新社会人になれるのなら、こういう分野に関わりたい。久しぶりにエキサイティングな本を読みました。
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キリスト教についてはよく知らないけど、心というものは人間の脳が物質である以上複雑な機構を持てばどこにでも現れるというデイヴィッド・チャーマーズの説に賛同
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刺激的なタイトルだが中身はAIクロニクルである。
チューリングあるいはノイマンからの計算機の具現化からカーツワイルが語るシンギュラリティによる超知能の誕生まで、そこに至る天才たちの登場や悪戦苦闘が描かれる。
計算機から知能、そして心へ到達せんとする所謂「機械仕掛け」の変遷として、なかなか分かりやすく体系的にまとまっており興味深い。
しかし聖書と無理やり結びつけたり、中途半端な物語を挿んだり、タイトルに対するアンサーが凡庸な結論であったり、タイトルに期待して読むと肩透かしを喰らうかも。
「知能」や「心」同様、「神」も定義ができない以上、超知能=神とするのは安直な気もする。「ヨハネの黙示録」的な最終審判を語っているが、ニーチェが概念的な拠り所の喪失を「神は死んだ」と表現したように、精神的支えの再創出といったほうが正しい気がする。いずれにせよ本書の宗教的哲学的部分は推敲が必要であろう。
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学際の一言でまとめるにはあまりに楽しい1冊。科学技術史が大好物な自分にとっては、自分の生きてきた時代を理解するための文字通り"バイブル"になりました。
昔、自分の学部時代の建築史の指導教授が言ってたことを今でもとても良く覚えているのですが、50年後を知りたければ少なくとも前の50年で何が起きたかを知らないとダメだろ?と。
"シンギュラリティ"を前にして、そんな感覚が役に立つのかは少し不安であるけれど、不確定な未来を知るためには、少なくとも人類が今日にたどり着いた経緯は知らなくてはいけないでしょう。
この本では、ページの下に、キーマンの解説が出てくるのですが、フォン•ノイマンから始まって、登場した日本人は夏野剛さんだけ、、という(たぶん)。この本が日本語で読めたのは、とてもラッキーなことだと最後に振り返って思いました。
※いかにiモードがすごい現象だったのか!とも言えるけど!
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ハンスモラベック モラベックのパラドックス=人間にとって難しい頭脳労働ほど人工知能で実現しやすく、感覚や運動の分野は難しい。
みずほ銀行2015年ワトソンによる音声認識によるコールセンター業務。
シンギュラリタリアン。
人工知能が最後の審判を起こす。
収穫加速の法則。
シンギュラリティーの例としてプラックホール。中で何が起こっているかを知ることができない。
人工知能が自らを改良できるようになる。
2045年。
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小説を混ぜながら、現在のAIに至る歴史から、2030年までに可能性がありそうな設定を考慮して話は進む。
2045年の特異点(シンギュラリティ=AIが人間が考えられる以上のことを考え出す年)とは一体どんな時代になっているのかの輪郭を探る。
物語の部分だけ読んでも非常に面白いし、天才数学者の話からロボットやAIにおけるアップダウンな歴史を紐解いていくのも非常に面白い。
我々が想像できる、ターミネータのようなAIとは少し違った展開になりそう。 そして、2030年にはiPhoneは昔のものになっていたり、小型化したりクラウド化したAIロボットが一人一台与えられてるという設定は、どこかそんなに現実離れしていないように思える。
読み応えがあり、面白く、飽きない本。
AI入門書としてオススメ。
この10年でまた世界はガラリと変わるのかも。
神の領域に近づくのか、はたまた、、。
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キリスト教の歴史と対比するのは無理があるような。
出版社のページに抜粋と補足?があるので参考にされたい。
http://diamond.jp/category/s-jinkouchinouhawata
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民族意識というのは、大きな抑圧がある時にその反動として高まるものなかもしれない。
今日、人工知能の開発は歴史的な転換点を迎えている。
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しかし、ブール代数は結果として今日のコンピューターと人工知能の基盤となりました。聖書の神による創世の物語は、混沌の中に神が光と闇を分けることによって始まりました。この二つに分けるということが、デジタルな宇宙の創造にも決定的な役割を果たしました。
(P.41)
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パソコンから始まり人工知能へと進化していったITの歴史と未来に関する話。
ITの発展の歴史が分かりやすく書かれていて、理解しやすかった。また、人工知能が引き起こすとされているシンギュラリティについても触れていた。未来に起こるであろうことを現状から予測していて、その内容もリアリティーがあり面白かった。
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コンピュータや人工知能について、これまでの開発の経緯と、これからの発展の推測について書かれた本。
キリスト教とのアナロジーを多用している点について、個人的には面白いと思いました。
未来を語るためには、そういう手法もありだと思いますし、ある種、聖書の汎用性を表していると思います。
宗教というのは、そういうものだと思いますし。
果たしてこの後、実際には、どのような形で、コンピュータは進化するんでしょうか。
楽しみなような、怖いような。
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前半はコンピューターの誕生からインターネット、スマホ、人工知能の誕生までの技術史を独自の解釈でまとめています。
後半はディープラーニングに代表される今後の人工知能の発展とそうした時代への問題提起です。
ラノベ風の小説を織り混ぜながらなので、難しい話もなんとか最後まで読み進めることができました。
前半部分では技術史を彩る人物の考え方が分かりやすくまとまっていてとてもよかったです。
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コンピューターの発明、ネットワーク、そこからのモバイル技術、現代のクラウド、ビッグデータ、人工知能まで、網羅的に歴史が説明されており、これまでのITの発展の経過についてざっくりとした知識を得ることができる。
人工知能の技術的な詳細は他書に譲るような感はあるが、歴史を俯瞰した説明や、キリスト教や、架空のエピソードを交えた緩急ある物語構成、人工知能を突き詰めていったときに、機械に心は生まれるのか、人間の心とは何か?に関しての筆者の踏み込んだ説明など。飽きさせない内容で面白く最後まで読めた。
それにしても、
シンギュラリティの到来については、
読む本、読む本で評価が違っていておもしろい。
この本はかなり世界の終わりを煽っていて、
世界は2045年で終わるという風にも読める。
が未来はいかに?
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ここ数年、人工知能が注目されているが、私はパソコンやコンピュータの発展過程で、産まれてきた発想が人工知能だと思っていた。本書では、コンピュータ(1930年当時は機械)自体がそもそも人と同じことが出来る機械を作りたいという数学者、脳科学者の考えと研究によって、コンピュータが開発されてきたとあり、わたしの考えが全く逆であったことを知った。
コンピュータの誕生、大戦、政治・軍事統制や抑圧のための高速処理発展、1984年にコンピュータは個人賢くするためにと作られたパーソナルコンピュータ、、。
コンピュータの100年の歴史は、常に人工知能開発の歴史とともにあったのですね。
2045年にシンギュラリティが起こるという預言は外れて欲しいと願います。そして永遠にその日が訪れて欲しくないです。