紙の本
最新科学が明かす脳と心の関係について書かれた画期的な書です!
2020/01/31 09:33
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、様々な知識がわかりやすく、教養として身に付くと大好評の講談社「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は、不思議で魅惑的な脳の世界について考察した科学書です。同書は、人工知能の研究の基礎となった「数理脳科学」の第一人者である甘利氏が最新の科学データに基づいて脳の仕組みを説いたものです。内容構成も、「第1章 脳を宇宙誌からみよう」、「第2章 脳とはなんだろう」、「第3章 <理論>で脳はどう考えられてきたのか」、「第4章 数理で脳を紐解く 1:神経興奮の力学と情報処理のしくみ」、「第5章 数理で脳を紐解く 2: 神経学習の理論とは」、「第6章 人工知能の歴史とこれから」、「第7章 心に迫ろう」と、とっても興味深いものとなっています。ぜひ、最新科学によって明らかにされた脳と心の関係について学んでみませんか。
電子書籍
脳科学と人工知能の読み物
2019/01/06 21:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ta - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳科学や人工知能の話がメインでしたが、
科学や人生についての考えが随所にあって色々と考えるきっかけになりました。
短い時間ですが、著者の講演会を聞きに行ったことがあります。
講演会で感じた人柄がそのまま、書籍に現れていたと思います。
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内容紹介
数理で「脳」と「心」がここまでわかった!
囲碁や将棋で、AIが人間に勝利を遂げた。
2045年、人工知能が人間の能力を超える「シンギュラリティ」は、本当に訪れるのか?
数学の理論で脳の仕組みを解き明かせれば、ロボットが心を持つことも可能になるのだろうか?
AI研究の基礎となった「数理脳科学」の第一人者が語る、不思議で魅惑的な脳の世界。
第1章 脳を宇宙誌からみよう
まずは脳がいつどのように誕生したかをみていこう。その起源をたどるには、宇宙のはじまりを知らなくてはならない。生命が脳を持ち、人に「心」が宿ったのはなぜなのだろう。
第2章 脳とはなんだろう
私たちの脳には1000 億もの神経細胞が詰まっていて、それが思考を担い、心を司っている。そもそも脳とは、どのような器官なのだろうか。最新研究で明らかになってきた脳のメカニズムを紹介しよう。
第3章 「理論」で脳はどう考えられてきたのか
現在ブームとなっている人工知能は、脳にヒントを得て1950 年代に提唱された理論モデルから誕生した。「理論」で脳の仕組みを考えるとは、どういうことなのか。その歴史をたどってみよう。
第4章 数理で脳を紐解く(1):神経興奮の力学と情報処理のしくみ
数学の理論を使って脳の仕組みを考えるのが「数理脳科学」である。本当にそんなことができるのか、数理の世界を披露したい。神経回路はどのように興奮し、記憶はどうやって蓄えられるのだろうか?
第5章 数理で脳を紐解く(2):「神経学習」の理論とは
数理の視点から、脳がどのように学習するのかを考えてみよう。これは、最近注目を集めている人工知能の「ディープラーニング」の基礎になっている理論である。
第6章 人工知能の歴史とこれから
技術がさらに発展すれば、人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」が本当にやってくるのではと騒がれている。その歴史を振り返り、未来を考えてみたい。
第7章 心に迫ろう
これまでみてきたように、脳の仕組みが次第に明らかになってきている。だが、脳科学の最終的な目標は「心」を知ることである。それが叶えば、心を持つ人工知能が誕生する日も訪れるのだろうか?
著者について
甘利 俊一
1936年東京生まれ。東京大学工学部卒業、同大大学院数物系研究科博士課程修了。工学博士。東京大学教授、パリ大学客員教授、ルーバン大学特任教授などを経て、2003年より理化学研究所脳科学総合研究センター長。現在は、同センター特別顧問。東京大学名誉教授。神経回路網の数理的研究において数々の業績を上げ、IEEE Neural Networksパイオニア賞(1992年)など受賞も多数。国際神経回路学会創設理事、国際神経回路網学会会長も務める。2012年には、文化功労者に選出される。著書に『情報理論』(筑摩書房)、『バイオコンピュータ』(岩波書店/一九八七年 講談社科学出版賞受賞)など。
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途中専門的な数学の解説はほとんど理解出来なかったが、大学内のオープンカフェで読みながら、深い思索にふけることができた。先のアメリカ大統領の広島における演説を読みながらでもあり、私達ヒトという存在を俯瞰しながら考えてみるとても大切な経験を得ることができた。
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新聞広告が出る前に書店で見つけて即買いました。もう甘利先生が書いた一般書って初めてではないでしょうか。興奮してすぐに読み通しました。「数理脳科学」格好良過ぎます。もちろん情報幾何など専門的内容は分からない部分もありますが、脳科学の分野での甘利先生の立ち位置とか、その時々でどんなことを考えて来られたのかとか、そういうことを知ることが出来て感激です。人工知能についてはこのところ話題に上がることが多いですが、先生が最終章で書かれていることを読んで納得しホッとしているところです。長くなるので最後の一文だけ引用します。「人間がつくるロボットは、あくまで人と協調し、人を助けるものに留まるだろう。」なぜ、先生がそうお考えかは本書を読んでみてください。実はほぼ並行して「現代思想6月号」で津田一郎先生の書かれたものも読んでいるので、混ざってしまっているのかもしれないのですが、意識とか感情とか心というものが、どう定義されて、どういう関係にあるのかをもう少ししっかりとつかんでいかないといけないと感じました。
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人工知能をこれ以上無いと思われる背景、ビッグバンに遡り、生物と脳の発展を振り返り、脳とは何かについて分かり易く解説、そして、ニューロコンピューティングを中心に、現在の第三次人工知能ブームに繋がる第一次人工知能ブームと第二次人工知能ブームそしてその間に横たわる冬の時代をご自身の研究と重ね合わせて丁重に解説。続いて著者の専門である「数理脳科学」についての説明があり、再び人工知能の歴史の説明に戻りつつ未来を俯瞰、終章はでは人間の心に迫り、BMIやロボットの未来を示唆する。
長年の研究人生が滲み出る好著です。著者の専門である「数理脳科学」の部分は難解ではありますが、記憶の仕組みやパーセプトロン(初期のニューロコンピューティング理論)について、少しは分かったような気になりました。
また、IBMも共同で研究所を開設している、ジェフ・ホーキンスが提唱する大脳の構造や信号処理を模した生物学的アプローチで階層的時間記憶理論(Hierarchical Temporal Memory Theory = HTM理論)の源流は著者の甘利氏にあるようです。
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ちまたで人気の人工知能について日本の第一人者が極力平易な内容で論じてくれる一冊、良書。機械学習やディープラーニングがアプリケーションやプログラミングが中心にバズりまくってるけど、まずはバックグラウンドにあるカオスとか理論計算機科学とか、そのあたりを押さえとくといいんじゃないでしょうかね?(僕はアプリもコードもかけませんが。。。)
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日本の第一人者による入門書。歴史を当人の語りで読むのは大変楽しかったです。最終的な心の問題のところ、ハードプロブレムだからっていう感じであんまり突き詰めてはいないので私とは見解が異なります。人間の人生は一回性があって、そこが貴重なのでロボットとは違うと言っているのですが、一回性を持つようなプログラムはつくることができるだろうし、そもそも意識とかをアップロードってできるような気がしているんだけどその場合一回性ってもはや幻想ではないのか?とか思います。思うだけ。
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新聞の書評欄で紹介されていたので読んでみました。AIは最近の何度目かの脚光を浴びているジャンルですし、このところ「こころ」関係の本も何冊か手に取っていたので、興味を惹きました。
しかしながら、この本も撃沈ですね。正直なところ本書での著者の解説の8割は全く理解できませんでした。「数理」でとタイトルにあったので、その段階で気づくべきでした・・・、完全に甘く見ていました。
人工知能に関して、最近最も気になっている「ディープラーニング(深層学習)」についても、その原理の解説がこんなふうになってしまうと・・・、私の頭自体が「ディープな世界」に沈潜してしまいます。
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海馬 たつのおとしごの形 扁桃体に隣接
3つの学習形式
教師あり学習、教師なし学習(自己組織化)、強化学習
フレーム問題 枠組みをどこまで広げていいのか ヒトは常識で解決
私見を述べさせてもらえれば、いまから人工知能の研究を推進するなら、直ちに役に立つことは民間に任せて、学会が民間と緊密に連携してこれを応援するしくみをつくればいい。日本の学界がいまから世界の流行をおって、同じ土俵でgoogleなどと競うのでは、勝てるはずがない。予算の規模も何十倍も違うのである
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甘利先生のあの口調が聞こえてきそうに
楽しそうな一冊。
正直難しいとこは飛ばしましたが
こぼれ話とか面白く。
先生いつまでもお元気で…✨
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人工知能の歴史の解説が分かりやすい。ニューラルネットワーク、そしてディープラーニングの解説は別の本が良い。
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「脳・心・人工知能」
神経回路網の数理研究の第一人者である甘利先生の研究内容と人工知能そして心についての議論である。今はなくなってしまったがルーセントタワーにあったガリレオというサイエンス・カフェで先生の話を聞いたことがあったのを思い出した。そのときは、数式を使わないでわかりやすく話をしようとしていることが印象的だった。
本書の大部分は数理脳科学の話であり、歴史的な内容も含めてわかりやすく、脳の機能とその数理的な扱いについて説明されている。
人間の脳は海馬の記憶方式がシナプス強度の形で保管されているのに対し、コンピューターは0、1の情報ビットで記憶されているので記憶方式が違う。そして、コンピューターでは記憶回路を増やせばそのまま記憶容量が増えるが、神経回路モデルによる連想記憶モデルではニューロン数の15%以上に詰め込むと混乱を引き起こすとが明らかになっている。とすると残りの85%はどうなっているのだろうかと気になるが、それについては書かれていない。
最終的に人工知能が心を持つかという問題に対して、人間の脳とコンピューターは全く違う構造であるために原理的には可能であろうが、それには人類進化と同じくらい長い年月が必要ではないかと述べている。
また、心を持つように見えるロボットは作られるだろうが、目的意識を持ち進化するようなロボットは作られないだろうと考えており、あくまで人間と協調し人を助けるものにとどまるだろうと述べている。つまり結局は他の科学技術と同じで、最後は良くも悪くも利用する人間次第と言うことなのかも知れない。
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これは良書です。お薦めします。
脳の仕組み、人間の意識、人工知能の研究をそのコンセプト含めて、読みやすくまとめてくれています。
ディープラーニングの「ディープ」とはどういう事なのか、なぜ「ディープ」なのか、結果どういう事が起きたのか、今までモヤモヤしていた部分に対しても記載されていたので、個人的には非常に興味深く読む事ができた。
研究や理論の話の中に、甘利先生の自慢(笑)や苦言も挟まれるのも、新書らしさを意識して親しみやすい構成に腐心された事が伺えます。
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本書の前に、池谷裕一さんの「単純な脳、複雑な『私』」という本を読んだ。池谷さんは、薬学が専門で、その方面から脳科学を研究されていた。そして、本書の著者・甘利俊一さんは、数理工学という分野から脳科学を研究されていた。
池谷さんも著書の中で、「脳」の研究というと医学部だと思うだろうが、いろんな分野で研究しているんだと言われていた。医学部、薬学部、工学部、以外でも理学部、心理学の側面から文学部、など様々な角度から研究されているようだ。
本書の著者は、脳の働きを数式化して、それで解明していこうとされたのだと思う。「思う」というのは、本書の中にたくさん数式が書かれていたが、その内容についてはチンプンカンプンで、たぶんこんなニュアンスかなといった程度しか理解できなかったからだ。
脳の働きといっても個人や、その時の環境や、様々な条件で違うのだろうが、それを一般化して数式に表して、マクロ的に理解していこうというもののように自分は理解した。
だけどもそういう方法であっても、導き出された脳の特性や働きの理論は、他の角度の研究結果と全く矛盾するものではなく、ある考えの基礎となっていたり、あるいは補完していたりする。著者の初期の研究は、現在の脳科学の研究の先駆け的なものだったようだ。
著者は、若いころに数学の魅力に取りつかれ、そこからそれを脳科学の研究に応用し、本書を著した80歳(傘寿)の年齢まで、精力的に研究を続けてこられた。そして、本書はその傘寿の記念に、執筆されたようだ。
第一章では「宇宙誕生から脳をもつ生物が生まれ、さらに将来どうなっていくか」の歴史の語りからスタートしたが、最後のページでは、ご自身の「80年間の研究人生の歴史とこれから」について記されていたのが面白い。
2045年頃、人工知能が人間の能力を超えるだろうとする「シンギュラリティ」について、軽く述べられていたが、最後のほうでは、人工知能により研究が進み、例えばロボットにも心を持たせることが可能かというようなことに触れられていた。
人間が行う「先読み」と「後付け」の話は興味深かった。人は、情報をもとに先を予測して方策を講ずる(=先読み)。また人は、自分の選んだ行動を後付けで合理化する(=後付け)。
池谷さんの本にもあったが、実験の結果、アクションが先でそのあとに「アクションを行った」という意識が起こっているということが分かっており、これは行われたアクションに対し、人間が後から意味付け、合理化を行っているというものである。
こういう「先読み」や「後付け」の仕組みの研究が深まってくると、そういうことができるロボットを作れそうな気がしないでもない。人間と同じような行為を、コンピュータ上の高速計算で割り出し、行わせることが可能となるかもしれないと感じる。
反面、近いところまで行くが、越えられないような気もする。
本書の中に。AIと将棋のプロの対戦で、「角を成らない」手を人が打った時に、コンピュータが混乱して負けたという話が載っていた。そういう柔軟な発想がで��るのが人間の心であって、その結果がなければAIは強く成れないような気もする。
それさえもできるものが2045年にできるのかどうかは不明だが、人間としては、人間優位でいてほしいという願望と、そうならないほうがよいとい危機感みたいなものがなんとなくある。