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勉強になりました!
2016/11/06 15:39
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投稿者:ワッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦が起こった時代はどんな時代だったのか、わかっているつもりで実は大してわかってはいなかったのだということを改めて自覚させられました。やはり自分の力で生き抜いてきたお二人の知識も経験も胆力もハンパじゃない!!単に昭和史というだけではなく、日本を取り巻く状況を現代においてもきちんと捉えなければ、本当の姿は見えてこないと深く考えさせられました。お二人に感謝です!
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『21世紀の戦争論』
2016/06/03 12:43
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
『21世紀の』と書名にあるが日本と言う国家も国民も先の戦争から70年以上を経過して、先のサミットで初めてアメリカの現職大統領であるオバマ氏が広島を訪れたことも“好いことだ”と大半の国民が感じたようだが、その大半は戦争を知らないし中には親や祖父母から戦争の話さえ聞いたことがない人が多いだろう。
広島でのことはわが国のことであるにも拘らず、時間の経過と共に記憶も体験も風化してしまって生の声を聞く機会は少なりこそすれ、増えることがない。
そしてこの今世紀の戦争論を説くのに必要なのが先の戦争であると言う思いから佐藤氏が昭和史の専門家たる半藤氏を招き、対談された記録が本書である。
内容は戦争に至るまでの経緯から七三一部隊、ノモンハン事件、終戦工作、軍事官僚機構などについて半藤氏に尋ねると言う形を取っている。
わが国のことで、それも最近と言えるほど昔と言うには近い事象であるにも拘らず学校の授業では触れられることさえ殆どなく、あってもサラっと終わってしまうのが昭和史である。
とても関心を抱くに至らないし、況してや家族を含め誰もが口が重い。
我家に関しては父親と兄弟、祖父母は外地にいたため戦争の実態をまるで知らない。
精々聞いたことがあるのは満州からの引き揚げ時に大変な苦労を強いられたと言う話だけで短い期間の記憶である。
実質4年に及ぶ先の戦争を語る人間が身近にいないのは幸せなのか、不幸なのかさえ考えるどころか想像もしたことがなかった。
要するに日本人の多くには戦争は既に他人事のようになってしまっていると言うのが実際なんだろう。
然し、近くを見るだけでも無謀にもミサイル発射実験を繰り返す独裁政権や大国の論理か無理を承知で既成事実を積み重ねてくる大国。
IS周辺の事情や難問問題は遠い遠い、地球の裏側か全く自分に関係のない話としか受け取っていない人の方が多いだろう、自分自身がそう思うのだから大半の人がそうであっても不思議に思わないしそれが世の趨勢と言うものだ。
そんな中でどうして戦争が始まって、当時の軍部は何を考えて行動していたのかを半藤氏の証言から聞き出している本書は非常に新鮮な感じさえする。
それほどまでに近過去である自国の戦争について何も知らない、関心の薄い自分に気がついた。
やはり、ここは教科書で習った以上のことを本から学ばないとイケないなと改めて感じた本である。
そう言う読者のためにであろう、最後はお勧めの昭和史本まで紹介してくれているのでそれを参考に自分も読んでみようと言う気になった。
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昭和史におけるソ連の役割を開設した好著
2016/08/30 20:34
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和史の大家である半藤氏と、国際通の佐藤氏の対談による近代昭和史についての本。タイトルは「戦争論」となっていますが、どちらかというと太平洋戦争の開戦から終戦までの近代史において、当時のソ連がいかに関わって来たのかという部分がクローズアップされてします。そこはさすがロシア通の佐藤氏ならではの分析と情報が満載です。
教科書に出てこない昭和史の重要な一面を紹介する良書だと感じます。かなりの情報量の本なので、近代史の知識があまりない私には難解な箇所も結構ありましたが、太平洋戦争開戦前の日本がいかにソ連の意図を把握できていなかったか、北海道がソ連領となるシナリオはかなりあり得た状況だった、ソ連がなぜ東欧のような衛星国家を設けたのか、などの解説は非常に興味深く読めました。
対談形式なので、中身が濃い割には読みやすい印象です。
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【戦後七十年が経った今、昭和史の「逆襲」が始まった】蘇る七三一部隊、あり得たかもしれない占領政策。八月十五日では終わらないあの戦争を昭和史とインテリジェンスの第一人者が語る。
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昭和史の大家である半藤氏と、国際通の佐藤氏の対談による近代昭和史についての本。タイトルは「戦争論」となっていますが、どちらかというと太平洋戦争の開戦から終戦までの近代史において、当時のソ連がいかに関わって来たのかという部分がクローズアップされてします。そこはさすがロシア通の佐藤氏ならではの分析と情報が満載です。
教科書に出てこない昭和史の重要な一面に触れることができます。かなりの情報量の本なので、近代史の知識があまりない私には難解な箇所も結構ありましたが、太平洋戦争開戦前の日本がいかにソ連の意図を把握できていなかったか、北海道がソ連領となるシナリオはかなりあり得た状況だった、ソ連がなぜ東欧のような衛星国家を設けたのか、などの解説は非常に興味深く読めました。
対談形式なので、中身が濃い割には読みやすい印象です。
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史学の根本を踏まえた上で,第二次大戦を丁寧に読み解く.言い古されたことだが,矢張り高校日本史では1年間かけて昭和史をじっくり読み解き,事実を確認すると共に反知性主義に対応するための武器を身につけるべきではないだろうか.
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『日本のいちばん長い日』を書いた昭和史の第一人者の半藤利一とロシアで外交官をしていた佐藤優が昭和史について対談するという本。
七三一部隊、 ノモンハン事件、終戦工作などについて語られている。第二次世界大戦におけるノモンハン事件の位置付けが新鮮。半藤さんの『ノモンハンの夏』やアントニー・ビーヴァーの『第二次世界大戦1939-1942』を読みたくなった。
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あとがきにも本人が書いてらっしゃったけど、半藤さんが楽しそうに喋ってんなぁー、というのが印象的でした。戦時史に関する相当な知識や経験を持っているという自負があろう私が、まだ新たな気づきや学びが得られたという知的満足感からなのかなと思ってます。議論は同じレベルか、それ以上の人とやらないと自分を高められないですね。
ないようとしては、対談形式なので、互いがフォローしたり、質問しあったりと非常に読みやすかった。ロシア人の合理的な考え方からすると、今回のプーチン来日は成果がないだろうなと思えて仕方ない。
軍部の学ばなさをなぜ後世で学ばないのかが甚だ不満。過去を否定するには近すぎるのだろうけど、それできなかったら変われないよ。気づかれたらトランプ待望論が日本にも出てくるよ、きっと。
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太平洋戦争の研究の第一人者の半藤一利と佐藤優の対談本。
ノモンハン事変から第二次世界大戦に至るまでの過程が非常によく理解できた。
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学術的歴史書とはまた違った面白さを感じた。
半藤一利氏といえば昭和の戦争指導層数百人の聞き歩きを長年行ってきたことで有名であり、佐藤優氏といえば外務省のラスプーチン?と畏敬された優れた知性と東京地検特捜部との拘置所釈放を拒否した信念の人柄は広く知られている。
この二人の3時間5回という長時間の対談と言ったら面白いに決まっている。期待通りに下手な歴史書よりもはるかに興味深い対談であったと高く評価したい。
それにしても時代は変わっても社会組織は変わらないという二人の話には共感する。かつての軍組織と現在の官僚組織の相似性を知ると歴史を読むことの重要性を痛感するものである。
2017年5月読了。
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昭和史の大家:半藤一利と、インテリジェンスモンスター;佐藤優が、731部隊、ノモンハン、8月15日/9月2日の終戦、陸海軍の組織など、昭和史の重要ポイントをピックアップして語った対談本。基本的な流れは、半藤氏が長年の取材・執筆経験から得た昭和史の知見を述べ、それを受けた佐藤氏が、現代の世界情勢と歴史的事実との連続性・結びつきを述べるもの。どの章でも、「歴史に学ぶ」という、それだけではやや曖昧なワードにクッキリとした輪郭が与えられており、両氏の特長がうまく組み合わさった意義ある書だと思う。
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https://blog.goo.ne.jp/abcde1944/e/31f5304819f4ba2c765420edf154cfb6
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昭和史の大家と現代インテリジェンスの怪人の対談。
印象的な言葉がおおい。
巻末の「昭和史を武器に変える十四冊」が参考になります。
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昭和史に精通する2人の知識人が太平洋戦争について対談。主として半藤一利が日本軍を総括し、佐藤優が日本外交について語り、敗戦が今の日本にどう影響をもたらしたのかを論議する。
さすがに2人のトークは当時の国家同士の陰謀、策略を簡潔にまとめてくれて、読み応えがある。2人が互いの知識を認め合い、楽しそうに語っている姿が見えてくる。一般人が下ネタや上司の悪口で盛り上がるのと同じ感覚なんだろう。
で、昭和の日本軍に欠けていたものは失敗の経験だった。人間や組織は失敗を経て、学び、次につなげるのだが、日本軍は日露戦争の勝敗をあいまいにし、近代兵器による戦争を知らないままだった。そして、ノモンハン事件での敗走、ソ連に和平仲介を依頼、アメリカを敵に回すなどのお粗末な結果だ。
失敗に目を向けなければ、見えるものは成功だけ。そんな組織は今も昔も長続きしないと、2人の知識人は語る。
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★★★2019年3月レビュー★★★
ロシア・ソ連の歴史に造詣の深い佐藤氏と、昭和史の第一人者半藤氏の対談。昭和史、主にノモンハン事件~太平洋戦争について語り合う。
佐藤氏がソ連に詳しいので、日ソ関係日ロ関係の話題が豊富。特に感銘を受けたのは、ロシア人と日本人の国境線に対する概念の違い。日本人は、国境を「線」として考えるが、ロシア人は違う。国境は「面」である。他国との間に緩衝地帯がないと落ち着かないのだ。そのような国境観の違いが1939年のノモンハン事件につながったといえる。
さらに刺激的だったのが、ソ連の侵攻がもう少し早ければ北海道東部はソ連に占領されていたかもしれないという事。日本が分割されていれば、北海道東部は北朝鮮のような国家になっていたことになる。考えるだけで恐ろしいことだ。
組織の利益を第一に考える、官僚主義は現在の日本にも根付いていると警鐘を鳴らして対談は終わる。
対談者2人も述べているように、昭和史から学ぶことは多いと思う。やはりそのためには本を読まねば。対談で紹介された本を読んでみようかな。