紙の本
花をもう一度咲かせることがてきるか
2022/03/21 20:30
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投稿者:pajama - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が様々な試練を経て周りの人々と成長、成熟していく姿は、久しぶりに充実した読後感を得られた。私には最後の展開が、いい意味でツボにはまりました。葉室麟さんの作品がますます好きになりました。
電子書籍
襤褸蔵
2018/12/03 20:15
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投稿者:みか - この投稿者のレビュー一覧を見る
「襤褸蔵」と揶揄される櫂蔵の姿にも驚くが、弟の信念と櫂蔵が立ち上がり、再起していく様がすごい。何より義母の冷たい様子は読んでいて切なかったが、最後はいい風になってくれたことが安心した。
紙の本
追い込まれる
2017/12/24 18:31
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
突然の訃報、驚いています。
ご冥福をお祈りします。
作品について……
主人公がこれでもかというほど追い詰められる。
個人の問題でなく藩として、よくそれでまだ藩の体を保っているなと、
ちょっと腐りすぎな感も否めないのだけれど、
それだけに立ち向かう、と決断したときの爽快感はすごい。
正直、クライマックスの盛り上がりはそこまでない。
けれど、今回も主人公は剣の達人ではあるのだけれど、
変に大立ち回りがないのはいい。
葉室作品では殺陣は、個人的に邪魔なことが多いと思っている。
紙の本
タクタク読み
2016/05/23 15:01
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投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉室作品の典型的な男女の愛をうたった作品でした。挫折、苦汁も味わい、そして義弟の汚名をそそぐべき藩の財政に、自ら立ち向かい風穴を…。
男女の愛、人情、家族、生きることで思いは2度咲く…落ちた花でも2度咲く…情愛は続く
これが、本書の肝ですか。
○です、清々しいが、終末が急ぎる感ありです。
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落ちた花でももう一度咲くことができる。
これまでに挫折を味わったことがある人であれば、少なからずこの小説の主人公である櫂蔵に自分を重ねてしまうんじゃないかな。
櫂蔵やその周りの人たちの芯の強さ、凛とした姿には心揺さぶるものがありました。
葉室麟先生の時代小説です。蜩ノ記と同様、読めばすぐに引き込まれてしまいます。早く次の羽根藩シリーズを読みたい。
#読書 #読書記録 #読書倶楽部
#潮鳴り #葉室麟
#2016年47冊目
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落ちるところまで落ちた羽根藩の武士櫂蔵
再び、人々の信頼をえるまで立ち上がる姿
3.8 蜩の記のシリーズ
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内容(「BOOK」データベースより)
俊英と謳われた豊後羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免、いまや“襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。弟を救えなかった櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がるが…。“再起”を描く、『蜩ノ記』に続く羽根藩シリーズ第二弾!
平成29年11月27日~12月1日
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2021.11.21 読了
役目をしくじってお役御免、"襤褸蔵"と呼ばれた無頼暮らしから家督を譲った弟の切腹の無念をはらして再起してゆく男の話。徐々に味方になってくれる周囲の人々の変化にも温かさを感じる。
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『蜩の記』に続き、葉室作品二作目。羽根藩シリーズ、第二弾。時代もので初めてのシリーズ読み。去年の読書で一番の収穫は時代小説の面白さを知れたことでした^^ その一端を担ったのが葉室さんだした!前作も面白かったんですが、こちらも負けず劣らず…でした。男性キャラたちも勿論良いのですが、女性キャラ、特にお芳さん。一本筋が通っていて素敵な方でした…。次作『春雷』もストックしておりますw 第四弾『秋霜』もそろそろ文庫化しそうだし、楽しみだなぁ。星四つ。
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面白かった!
「蜩ノ記」に続く羽根藩シリーズ第2弾となっていますが、羽根藩が舞台と言う事以外は関係ありません!
池井戸潤のような企業小説の陰謀系の勧善懲悪ストーリ+時代小説の武士の生き様を加えたような印象(笑)
とはいえ、本質は主人公の再生の物語です。
ストーリとしては、
俊英と謳われた豊後羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免。漁師小屋で”襤褸蔵(ぼろぞう)”と呼ばれる無頼暮らしをしている中、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知ることになります。直後、なぜか藩から出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がることに。
弟の遺志をつごうとしますが、そこには様々な苦難が..
さらには、藩内にうごめく謀略・陰謀。どう立ち向かっていくか..
といった展開。
そして、櫂蔵を支える女お芳。そのお芳に厳しくあたる義母の染子のストーリも素晴らしい!
「ひとはおのれの思いにのみ生きるのではなく、ひとの思いをも生きるのだと」
「わが命は、自分をいとおしんでくらたひとのものでもあるのですね」
ぐっと胸が熱くなる言葉です。
とってもお勧め!!
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直木賞作家【葉室麟】の前作『蜩ノ記』と同じ豊後羽根藩(ぶんご うねはん)を舞台に、江戸幕府の階級社会に蠢きながら生きる人々の哀切を切々と謳い上げた感動の時代小説。ひとたび地に落ちた花でも、いま一度咲かせることが出来ないか・・・。何もかも失い荒みきった主人公(伊吹櫂蔵)と、どん底の不幸を背負って悔恨のうちに生きる人々が、失われた人生の再起に挑む姿には、慟哭するほか術がない。【藤沢周平】や【山本周五郎】が語り紡いできた、人生の機微と悲哀に満ちた読み応え十分の物語である。
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「落ちた花を再び咲かせる」、まさに俺の一番好きなテーマ、人生再生の物語である。
襤褸蔵と漁師にバカにされるまで落ちた武士、櫂蔵
男に裏切られ、絶望の末娼婦となった、お芳
三井越後屋の大番頭から放浪の俳人となった咲庵
借金漬けでどうしようもなく経済破綻している羽根藩
登場人物も舞台も堕してしまったところからの再生を志し、あがいていくのである。その様をみて「他人ごとではない、俺だってあがいてみせるさ」と読者を勇気づける、そういう小説が楽しくないわけがない。
実は、この小説で一番魅力的だったのは、家は堕ちても、心根は堕ちず孤高を保った主人公の継母「染子」ではないだろうか。武家の妻としての矜持を抱え込むように持ち、その生きざまを貫き通す。駄目なものは駄目、しかし良いと思ったものや、見直すべき価値感があれば、自分の中で修正し認め受け入れ育んでいく。その凛とした生き様は、一服の清涼剤のごとく読んでいて気持ちよかった。
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時代と場所を江戸時代は九州の羽根藩に借りての、失敗人生を再生する物語です。
ゆえあって(友人が葉室さん好きなので)読みましたけど、そして最後まで読ませられましたが、
作者や作品が悪いのではなく、同じ作者をもう13冊も読むと飽きて感想はもういいかなと、
無精を決め込んで、感想と違うことを言おうかな。
*****
潮鳴りといえば
小学一年生の夏休み、海水浴に生まれて初めて連れて行ってもらった時のことを思い出します。
妹や弟はまだ幼児で、わたしひとり、父が連れっててくれました。
海岸は当時住んでいた名古屋から近い「富田浜(とみだはま)」というところ。
(今や、もう浜辺はなく埋め立てられてしまっていると思いますが)
白い砂、広い海、ざーん、ざーんの波音、人々の喧騒
海を意識したのが初めてでびっくりして、呆然とした記憶があります。
よしず張りの小屋も珍しく、そこから見る海のけしきのきれいなこと、
人々の様子のおもしろいこと、見飽きませんでした。
ひと泳ぎ、もとい、ひと浸かりして、母が作ってくれたおにぎりを食べてから、
磯臭い砂のざらざらのござで、昼寝する父のそばで絵を描きました。
(わたしの祖母がしまっておいたくれた)その時の絵日記が残っています。
役所勤めの父親、せっかくの日曜日をつぶして長女だけのためにしてくれたこと。
思い出を作ってくれた、若い父の姿が目に浮かびます。
そして帰りの混んだ電車のなかで日に焼けた背中を痛く思いながら、
ぐっすり眠ったしまったことをなつかしみます。
昭和23年夏、まだまだ戦後の混乱おさまらず、余暇が贅沢だった時代。
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一途な女たちと一途でありたい男の物語。読んでいるうちに、頁をめくるスピードがどんどん速くなってくる。
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羽根藩シリーズ二作目。本当に良かった。藤沢周平の本を読んでいる時の幸福感に浸れる。もっと早く読んでおけば良かったとも思うが、残りのシリーズを読めるという楽しみもある。心が洗われるような話とはこのことか。