紙の本
流血女神伝の極東版かな
2020/07/21 09:33
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投稿者:K. S. - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後のフミと炎林と子どもたちの関係と流血女神伝のカリエとエドと子どもたちの関係が似ていると思いました。ボーイッシュな女性が元気に動き回るのは、読んでいて気持ちがいいです。
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電子書籍の小説sari-sariに載っていたので読んでみたが、どうも話が見えない。それもそのはず、長編小説の第3作なのでした。前の2作品を先に読まないと、ということで只今注文中。これはひとまずお休み。
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女性の一代記を読んだ感じ。
やっとつかんだ妻の座。それを守ろうと、一度は自分をなくそうとしてしまうのがとても辛い。
しかし、自分の行きたいように生きるために下ったことを思い出して、やれることをやりつづけ、信頼を勝ち取る。
過去も現在も未来も受け止めるなんてフミは強い。強くあろうとして、強くなり、それは背伸びでなく心からの気持ちとなった。
カンペキに見えた建明も、そうではなかった。それを見せたがらない人で、それを含めて受け入れたフミ。
全てをなくして、なにもかも無駄だったのではと失意のなかにいたフミ。
しかし炎林とほんのすこしだけ傷を癒し合い、また一人で立ち上がる。
ひとりだけど仲間をつくる。孤独なフミじゃない。
最後もほんとうに素敵だった。いろいろなことがあった人達がまた集い、日常を生きる。日常も人によるんだろう。
受け入れたり、立ち上がったり、守ろうとするには、心からそう思えるか、が一番大事なんだろう。
諦めることだって心からそう思うなら、それでよいんだろう。
全てを受け入れて、嫌なことには抵抗して、心からの自分で生きていく。それが生きる、ということだ。
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や。すごいわ。
怒涛のような展開とロマンスが同居してる。少女小説の正当な進化という気がする。こういうまっとうな、そして格好いい小説を読んだのは久しぶりで満足。
出てくる男性人が皆イケメンすぎて鼻血噴く。
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(No.12-60) 待ってました!完結です。
『全てを置いて出奔したフミ。奇跡のように出会えた楊建明(山村)に何とか馬賊の仲間にしてもらおうと、置いていかれそうになっても必死でくらいついていく。主を失って生きる気力をなくした馬・ショールガ。乗りこなせたらやると言われ、閉ざした心を解きほぐそうとしたがショールガは反応しない。自分とショールガを重ね絶対に救いたいと思うフミは、荒野をさまよう。ついにフミに心を許してくれたショールガ。フミは馬賊に受け入れてもらう。』
きれいな着物を着て舞を舞う生活から、一転して馬賊です!なぜここまで過酷な世界に飛び込んじゃうのか、フミは。
与えられたものでは満足できない、どんなに苦労しても自分の道を進みたいという飢えのようなものを抱えているんですね。選んだのが山村と共にあることなのか。
それにしても今まで馬賊という言葉は知っていたけれど、内情を知ったのは初めて。相当凄まじいやつらだわ。なんとなく馬賊にロマンを感じていたのですが、それはこの小説で叩き潰されたな。
ストーリーとはそれほど重要な関連はないけれど、この巻でハルビンの学校のことに触れていたことが私には嬉しかったです。身内に関係者がいるので・・・・。
国策によって作られた外地の学校。大陸で日本を背負ってたつ人たちを育てるはず、実際育てた学校。
第二次大戦後、帝国大学は国立大学となって存続しました。でもハルビンにあった学校はそのまま消滅してしまったのです。仕方ありません、侵略の先鋒を担ったのですから。
須賀さんはハルビンのことをずいぶんきちんと調べたのですね。それほどは知られていない学校のことを、取り上げるくらいに。
怒涛の馬賊生活の果てに訪れたのは?ほう、そう来ましたか!あの人でも、あっちの人でもなく、彼だったの・・・。
終章では落ち着いた生活のフミです。これがファンタジー小説ならめでたしめでたしというところですが、これは実際の歴史を背景にした小説。私たちはその後を知っています。
これ、完結編なんですよね。だけど、その後どうなるんだろう。したたかに生きぬくとは思いたいけど。わあ、心配だわ。
かなり分厚い本なんですが、どんどん読みました。面白かった!
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最後まで胸の熱くなる展開だった。世の女性たちは読むべし! 最後はやや予想できたけど、終章の展開までは予想できなかった。満足のいく終わり方!
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馬賊の当家となった山村健一郎-楊健明を追いかけ、舞うことを捨て馬賊の世界へ飛び込んだフミ。
下働きの馬の世話から始め、徐々に仲間と馬からの信頼を得ていく。
ようやく自分の居場所を見つけたフミ。
しかし時代は大きく動き出し・・・。
『芙蓉千里』完結編。ああ、こう落としましたか!!
うっわ、びっくり。大興奮しました。ここまでの話が全て吹っ飛ぶくらい。
だけどちょっと抑えて感想を。
このあたりの大陸の動きは複雑すぎて、ほとんど何も知らない状態。
であるからしてモンゴル・露西亜・ソヴィエト・中華民国そして日本の政治的思惑と駆け引き、それらの背景がていねいに描かれていたのは助かりました。
浅田次郎さんの『中原の虹』も思い出しながら読みました。
『北の舞姫』で「少女漫画みたい」って思いましたが、須賀さんのインタビューを読むと「大河少女漫画」が読みたいと思い書かれたそうで。
なるほど。大成功ですよ。
それにしても、ずいぶん遠くにきちゃったねぇ、フミ。
だけどこの後のほうが、もっと時代は大変なのですが・・・。
見事な大団円ですが、でもこのラストってば。誰かと話したくてしょうがない。
ということで、以下ネタバレです。未読の方、ご注意を。
山村さんは、馬賊の当家ってことで早々に死亡フラグがたっていたので、その後の身の振り方をフミがどうするのか、ってことが気になっていたのです。
すごすごと黒谷さんのところへは戻らないよねぇ?と。
そうしたらコレですよ!
さすが「大陸一の女郎」。ゲイをもその気にさせるなんて。
って、おバカな話はおいといて、山村さんの血を混ぜた2人が子をなし家族を作ることで、間接的に山村さんの家族をつくった、ってことですよね。
ここ、うまいなぁと唸りましたね。
あと個人的には431ページ下段はじめ。ああ、生きていたんだ!
愛すべきキャラでしたので、本当に嬉しかったのでした。
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2巻でははいからさんが通る?と胸ドキしていたら馬賊になってまさかのアクション巨篇…。
昔の恋人を忘れられない人しか愛せない?芙美。
背景となるモンゴルの歴史は現代史に弱い日本人の特有ですごく苦労しましたが、その広大さと馬賊の絆にやられました。
エピローグの3人の彼の姿にやっとホッとした、らしくてよかった。
結局芙美は男追いかけて行った訳だけど、縛られない2人の、同志のような対等な関係もいいなと思った。
黒谷様押しの私でしたが、3巻は炎林にしてやられ完敗でした。かっこいい。
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シリーズ最終巻は1920年から1922年の間のロシア、モンゴル、
中国、日本の、モンゴル独立に関する争いが舞台
半分くらいは史実の話で、歴史の本を読んでる感覚だったので
内容を整理するのでいっぱいいっぱいでした(笑)
登場キャラクターはしっかりと、描がかれていたので、
すべてのキャラクターに愛着があっりました!
こんなにも、のめりこんだ小説は初めてでした。
全てのキャラクターが、目的に向かって自分の人生を
全て注ぎ、熱く生きていた!
モンゴル独立の戦いが終わってからのフミ達の生活が
切なくて、びっくりで、びっくりで、えー!って感じでした(笑)
俺的には満足の結果でした!!
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芙蓉千里三作目。
大陸中、それこそ千里なんて軽く超えた距離を駆け巡ったフミが
哈爾濱に戻ったと思うと感慨深い。
建明みたいな男の豪快な生き様は最高にかっこいいな。
終章は意外なような、ちょっと可笑しく感じてしまうような不思議な落としどころ。
流血女神伝のカリエもフミも
最初は人よりちょっと得意な事があっただけの少女だったはずが、
いつの間にか世界を動かすような事態に乗り込んで行っていて
ぶっとんだ結果を成していて面白かった。
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今度は何がある?
―――何も、なければいい。
何もなければ、いつまでも夢を見ていられる。永遠に。
長々と読み進めながら、最後は一気に読み終えた。
再会と、それからの激動。
大陸を巡る様々な思惑が蠢く中、胡子一行らはモンゴル国独立の悲願を叶えるため、敵味方を渡り歩きながら必死に生きていた。
昨日の友が今日の敵、そんな状況の中で血と泥にまみれながら進んでいく彼らに引き寄せられていた。
そして、全てを失った後にも世界は続いていく。自分自身にも時間は流れていく。
新たな希望が生まれることも、かつての夢を思い出すことも出来る。
けれど、それは過去があってのこと。全ての思い出が降り積もり、一人の人間を創っていく。
明日の自分は今日の自分とは違う。けれど、過去があるから未来がある。
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89:須賀さんの書かれる少女主人公は、本当にしなやかで、逞しくて、可愛くて、艶やかで、強い。胡子としての生活がありありと描かれ、スケールの大きさとリアリティ、圧倒的な展開とスピーディな展開に毎度のことながら浸れました。
正直なところ、建明のフラグが立ちすぎていて読んでいてつらく、フラグが成立してしまったときは泣きましたが、心折れた芙美が再び立ち上がるまでの描写は「流血女神伝」を思わせるもので、胸熱でした。少女小説というとちょっと違う気がするけど、少年小説の少女版? たぎります!
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草原にはいつも自由しかない。
フミの物語のラスト。
いやーおもしろかった…。これはすごい。
炎林がしあわせになってよかったわー。
史実が多く盛り込まれているようなので、ついていくのが大変です。
炎林は、微笑んでいた。その目からは涙が一筋、こぼれ落ちた。「おまえの幸せを、願っている。どこにいても。」
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甘くない、というのが第一の感想でした。
冷たいわけではないんだけど、自分は自分、他人は他人、という壁がある感じ。
対人関係の中では助け合い精神が働くべきだという先入観があり、それを期待して読んでいるのですが、全くもって裏切られます。
でもそれがあたりまえだと強かに受け止めて前向きに生きていく。
すごいな、と思います。
自分のことは自分で責任を持って行動しないと。
もっと強くならねば!
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大陸&馬族版 流血女神伝。
健明といい、二当家といい、すべてが想定内なのに、ひきこまれる感が。
久しぶりに流血女神伝が再読したい・・のに、復刊がなかなか進まない。