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商品説明
村上春樹全作品の第二期。第三巻は短編集。名作「神の子どもたちはみな踊る」「レキシントンの幽霊」など、全篇加筆訂正して刊行。書き下ろしの「蜂蜜パイ」、著者による解題も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
村上春樹の魅力凝縮! 第3巻 短篇集2
●名作「神の子どもたちはみな踊る」「レキシントンの幽霊」収録
●全篇加筆訂正
●著書による書き下ろし「解読」入り
【商品解説】
目次
- レキシントンの幽霊
- 緑色の獣
- 氷男
- 七番目の男
- めくらやなぎと、眠る女
- UFOが釧路に降りる
- アイロンのある風景
- 神の子どもたちはみな踊る
- タイランド
- かえるくん、東京を救う
収録作品一覧
レキシントンの幽霊 | 11-30 | |
---|---|---|
緑色の獣 | 31-38 | |
氷男 | 39-54 |
著者紹介
村上 春樹
- 略歴
- 〈村上春樹〉1949年京都府生まれ。早稲田大学卒業。小説家。著書に「ねじまき鳥クロニクル」「アンダーグラウンド」「うずまき猫のみつけかた」「レキシントンの幽霊」など。
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紙の本
長女は、「村上春樹って、そんなに面白いかな?」って聞いてきます。私も一時期、そう思い込んでいました。でも、今は違います。とくに読んでいなかった作品が楽しい。ま、私としては短編集1のほうが楽しめましたけど・・・
2010/08/28 19:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、我が家の書棚の整理をしていたら、出てきました、初期の村上春樹本。でも、それはあくまで1980年代のもの。私が村上の本を買わなくなったのは、『ノルウェイの森』の頃で、最初期の羊男あたりはともかく、基本、積読ですからその後は何を買ったのかよく覚えていなかったんです。ま、最近、『象の消滅』『めくらやなぎと眠る女』といった自選集がでたことをきっかけに、その頃の短編をあらためて読んでいますけれど、単行本をまるごと読むというものではありません。
まして、1990年以降の短篇集となると、『バースデイ・ストーリーズ』『東京奇譚集』までは全く読んでいない。気にはしていたんですが、きっかけがなかったんです。で、ようやくこの全作品シリーズで、読み残していた作品に取り組もうかと思ったわけです。そして、和田誠の可愛らしい、なんともやさしい色合いの装幀のこのシリーズは、見れば見るほど読書欲をそそるわけです。 HPの案内によれば
*
村上春樹の魅力凝縮! 第3巻 短篇集2
●名作「神の子どもたちはみな踊る」「レキシントンの幽霊」収録
●全篇加筆訂正
●著書による書き下ろし「解読」入り
*
とあり、積読もしていない未読の『神の子どもたちはみな踊る』『レキシントンの幽霊』の二冊をそっくり読むことができます。いか、目次に従って各篇の初出と簡単な内容紹介。
1
レキシントンの幽霊(「群像」1996年10月号 ショート・バージョン):マサチューセッツ州ケンブリッジにいたとき知り合ったジェレミーは、ボストン郊外の高級住宅地に暮らす裕福な男。一週間ほど彼の屋敷で留守番をすることになって・・・
緑色の獣(「村上春樹ブック」(「文學界」1991年4月臨時増刊)):夫が出かけた後、窓辺の椅子に座ってじっと庭を見ていると椎の木の根元あたりの地面が盛り上がって緑色の獣が這い出てきた。それは家に入ってくると、私にプロポーズを・・・
氷男(「村上春樹ブック」(「文學界」1991年4月臨時増刊)):私が氷男と出会ったのはあるスキー場のホテルだった。彼のそばにいって話しかけてみると、彼は気さくに答えてくれた。そして東京に帰って、周囲の反対を押し切って結婚して・・・
七番目の男(「文藝春秋」1996年2月号):「その波が私を捉えようとしたのは、私が十歳の年の、九月のことでした」と七番目の男は静かな声で切り出した。台風が来襲している最中に一学年下の友だちと海岸に向かった二人は・・・
めくらやなぎと、眠る女(「文學界」1995年11月号):小学校に入ってすぐ、耳に野球のボールをぶっつけられて、右耳の聴力に障害が出るようになったいとこ。周囲の人間は僕と少年がとても仲がいいと思っているが・・・
――以上、単行本『レキシントンの幽霊』1996年11月刊 文藝春秋
2
UFOが釧路に降りる(「新潮」1999年8月号 連作『地震のあとで』その一):最愛の妻に離婚されてした小村は、一週間の有給休暇を取ることにした。それを知った同僚は北海道に小さな荷物を持っていってもらいたいと・・・
アイロンのある風景(「新潮」1999年9月号 連作『地震のあとで』その二):三宅さんは流木がある量たまると、焚き火をしないかと順子と夫の啓介に連絡をしてくる。事情があって家をでているような三宅さんは・・・
神の子どもたちはみな踊る(「新潮」1999年10月号 連作『地震のあとで』その三):善也は30代半ばにしかみえない美しい母のことが心配でならない。18歳年上の母に心惹かれ、それではいけないと家を出ようとしても出来ない・・・
タイランド(「新潮」1999年11月号 連作『地震のあとで』その四):三年前やっと離婚の調停が成立したものの、さつきの心の傷は一向にいえる気配が無い。バンコクで開かれる世界甲状腺会議に出席した彼女の休暇のおともは・・・
かえるくん、東京を救う(「新潮」1999年12月号 連作『地震のあとで』その五):帰宅した銀行員の片桐を待っていたのは、二本足でたって背丈が2メートル以上あるかえるくんだった。彼?は片桐と一緒に東京を救おうと・・・
蜂蜜パイ(書き下ろし):淳平が熊のまさきちについて話してあげている沙羅は、大学時代からの友人である高槻と小夜子の一人娘。小夜子に結婚を申し込む勇気が無かった淳平の心には、今も・・・
――以上、単行本『神の子どもたちはみな踊る』2000年2月刊 文藝春秋
解題
となっています。当然ですが、『象の消滅』『めくらやなぎと眠る女』で読んだ作品も入っています。楽しんだのは「レキシントンの幽霊」「氷男」「七番目の男」「UFOが釧路に降りる」「かえるくん、東京を救う」です。とくに「かえるくん、東京を救う」は、可愛らしくてユーモアに満ちて、好きです。娘二人とこの作品のことで何度も冗談を言い合ったほどで、今すぐにでも読み返したいほどです。
他の三作にもいえるのは、やはり私は日常的なお話よりも、ファンタジックで、そこに苦さや哀愁が漂うものが好きなんだな、ということです。無論、これはリアルな小説をたくさん読んでいるから抱く思いで、ファンタジー漬けであれば、当然、逆の反応をするとは思うんですが、ともかく村上の描く、ちょっと風変わりな状況下での微妙な人間関係(人間と限ったわけではありませんが)は、いいな、って思います。
このシリーズで未読作品はもとより、一度読んだものでも再読を果たそうと思っているのですが、問題は1980年代の作品をどうするか、です。特に『ノルウェイの森』と『ダンス、ダンス』。全部読んですっきりするより、いつまでも未読の作品がある、っていうほうが何だか人間らしくていいんじゃないか、なんて思うんですね、この期に及んでも・・・
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書評に尽きる
2016/02/19 07:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
本全種には村上春樹の書評が書かれています。
作家本人が書評を書くこと自体珍しいですし、村上春樹が自身の小説について語ることは特に珍しいと思います。
単行本や文庫本で読まれたかたも今一度全集も読まれることをお薦めします。
書評を読むためだけに購入する価値があります。
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コレクターズ・アイテムの楽しみ
2003/03/30 19:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GG - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹の短編が好きだ。本人は、自分は長編型の作家であるとどこかで語っていたが、僕は短編の方が好きで、お気に入りは何度も読み返してきた。だから村上春樹全作品1979−1989(第1期)でも短編集の巻だけ買ったし、今回の第2期も短編集だけ買い揃えた。
初期の短編に、スタン・ゲッツの「イパネマの娘」は高校の廊下を思い出させるという描写があった。音楽には確かにそういう効果がある。自分にだけ特別な連想を呼ぶ曲というのが、誰にでもあるのではないだろうか(僕には、それを聞くと共通一次試験を思い出す曲がある)。
面白いことに村上短編のいくつかは、連想の結びつき方が、僕にとってはまるで音楽のように感じられる。本書の作品でいえば「アイロンのある風景」がそれにあたる。これを読んだのは、病院の待合室だった。開業医の待合室独得の静けさと小説の内容とが僕の中では強く結びついている。
でも、そういう効果を味わうならやっぱりオリジナル版の方がよい。たとえば『カンガルー日和』はあの正方形の箱入りの本で読まないと気分が出ない。それから新潮社純文学シリーズの一巻として出版されたときの『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』。箱入り、ピンクの装丁、セロファン付きのあの本を手放してしまったのは、失敗だったと思う。
そんな感想をもつ僕がこの全作品を買ってしまうのは、好きなミュージシャンのボックスセットをCD屋さんで見つけて、別テイク収録・豪華ライナーノート付きという宣伝文句に負けてしまうのと同じことです。
欲しいけど作品は持ってるしなあ、という人は、<解題が読めて、しかも作品までついている>と発想を転換させるのはどうでしょうか。でも、本当にそう思えるようになると、本やCDが増えて増えて困るんだけどね。