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紙の本
国家・個人・宗教 近現代日本の精神 (講談社現代新書)
著者 稲垣 久和 (著)
歴史上の出来事が今日の日本にどういう意味を持っているかを、著者の視点から再構成した哲学的作品。南原繁の「国家と宗教」の問題意識を引き受けつつ、「現代日本の精神革命」とは何...
国家・個人・宗教 近現代日本の精神 (講談社現代新書)
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商品説明
歴史上の出来事が今日の日本にどういう意味を持っているかを、著者の視点から再構成した哲学的作品。南原繁の「国家と宗教」の問題意識を引き受けつつ、「現代日本の精神革命」とは何かを考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
稲垣 久和
- 略歴
- 〈稲垣久和〉1947年東京生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了(理学博士)。東京基督教大学教授。専攻は哲学。著書に「公共の哲学の構築をめざして」「宗教と公共哲学」など。
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紙の本
今このクニにあらわれている、宗教のさまざまなカタチ。
2008/02/12 20:32
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が一貫してテーマにしている「公共哲学」の視点から、現在のこのクニにおける国家・個人・宗教の諸相を読み解く。
「公共哲学」では、「公」と「私」を「国家 対 個人」のような二項対立的にはとらえず、あいだに「公」とはまったく違う「公共」を立てて世界を理解する。具体的には、「滅私奉公」ではなく「活私開公」(かっしかいこう)、「公」のために「私」を犠牲にするのではなく、「私」を活かす「公共」的な世界のありかたを模索する。
序章では「愛国心」が宗教の一形態であることをルソーの指摘から紹介。第1~3章では、明治期からの国家神道と、新宗教への国家弾圧や、哲学者の中途半端な活動から「国家-宗教」の関係を分析。第4章では日本国憲法と教育基本法を「公共」の視点から読み直し、大きく警鐘を鳴らす。第5~6章ではオウム真理教事件をいま一度検証し、「愛国心」と「スピリチュアルブーム」が、じつは同一の基盤から発生している事実を突き止める。そして終章では新たな「公共の福祉」を実現するために必要不可欠な自覚を読者に促す。
哲学の術語や概念が頻出するのでやや難解だが、それでも著者の言わんとするところと情熱とは存分に伝わってくる。