投稿元:
レビューを見る
オートフィクション、amebic、ハイドラと同じ主題を描いてる(則ち、他人との間の越えられない壁、それを意識するほど壁を厚くしていく自分 的な)ように思うけど、これは一番誰にも勧めやすい感じがしますわな。
投稿元:
レビューを見る
男と男と女の三角関係。ひとりの”男”をめぐった心理状態が、違う目線から、短編集の形式で書かれていて、読みやすかったです。
金原ひとみが書く、みんな一生懸命なのに、誰も幸せにならない感じがリアリティがあっていいですね。
今回は全然ぶっ飛んでなかったので、物足りない感じもあったけど、暗いのに刺激的な文面がとても好きです。
投稿元:
レビューを見る
不安な愛の重力的な重たさ
好きになった男には彼氏がいた・・・。
ボーイズラブ的な香ばしい恋愛小説かと手に取ったものの、
愛という見えないものの不安と恐怖に押しつぶされていく話。
バイセクシャルな彼を軸に、主人公の「私」と彼の彼氏である「僕」と彼女の元彼「俺」という三者の視点から描かれた連作短編集。
軸である「彼」の視点がないので、読みながら読者は「彼」というプレイボーイを勝手に妄想していくだろう。それぞれの視点で描かれている彼は、とても優しそうでクールで仕事ができそうな感じ。そんな彼を巡って、「私」と「僕」は見えない相手と見えない愛で不安で押しつぶされていく。
届かぬ愛、満たされない愛。
夜空を眺めているように、星に落ちていく。
投稿元:
レビューを見る
「彼」を中心に「私」と「僕」と「俺」の視点から描かれる連作短編集。
関心を引くための自傷行為など、人を好きになる意味を考えさせられました。
自分を愛してくれる「俺」を捨てて「彼」を選んだ「私」
同棲している「僕」から「彼」を奪ったけれど、その影に怯える「私」
「彼」を奪われて自暴自棄になる「僕」
「私」が出ていき、自暴自棄になる「俺」
登場人物の名前は決して出てこないし。
ほとんど、情報は与えられず、好きな人に対する感情のみ。
また、「彼」自身の感情は言葉では語られない。
あくまでも、「私」または「僕」からの強い想いのみが描かれる。
他人に依存するということがこれほどに脆いもので。
盲目的に誰かを愛するということは自分をも傷つけるものなのか。
激しさとか欲とか嫉妬とか歪な形のものが描かれていて。
決して目を背けてはいけないのだと思い知らされるだけでなく。
きっと誰にでもあるだろう、どろどろした感情は。
なぜか、今を生きているということを強く痛感させられた。
投稿元:
レビューを見る
4人の人物を軸に3人の視点から書いてる本。
めちゃめちゃ面白かった!!!
角度が違うだけで、3人の持ってる根本みたいなのは同じ事言ってんだろなって。でも、人間が違うと違うんだね。
とってもドロドロしてるようで、すごくストレートに伝わってきたかなぁ!
投稿元:
レビューを見る
「私」「僕」「俺」三人の主人公のなかで、愛する人を決定的に失い最も不幸なはずの「俺」が、最終的にいちばんマトモな人間でいられている、というところが印象的。
「俺」は「私」を失うことでアイデンティティを取り戻し、「私」や「僕」は「彼」を得たことで「彼」やその関係そのものに依存し、アイデンティティを喪失した(あるいはそう望んでいる)のではないか。
「私」も「僕」も「彼」との結合を強く求めるところも、そういう印象を補強している。
「オートフィクション」のときも思ったけど、物語の進行と主人公の内的描写のコントラストが面白かった。今作では複数の視点から謎を解き明かしていくような要素も含まれていて、最後まで楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
なかなかよかった。
男女ってのは救いようがないぐらいややこしいんだね。うん。分かるよ。がんじがらめだよ。がんじがらめではないですけど。
投稿元:
レビューを見る
これ自分の話じゃん!だんなさんとの出会いかよ!
…と思った、最初は。
主人公がギャルの作家で、編集者と同棲する話って、実話だろって。
この人自分のことしか書けないんだろうなーって。
これがどこまで事実に基づいているのかはわからない。
私は数年前に週刊誌で、編集者と結婚したらしいという記事を読んだだけだから。
でもけっこう実話に基づいてるんじゃないかな、と私は推測している。
自分のことしか書けない作家でもいいと思う。
魅力は十分にあるから。
才能ある作家だと思う。
読みやすいし、読みやすいだけじゃなく、はっとする。
事実に基づいているから、人間をえぐりとれているんじゃないかと私は思っている。
投稿元:
レビューを見る
そんなことないかも、と思いながらも
結局また引きずりこまれている。
どんなに好きだと一緒に居たいと不安に思っても
それはつまり自分の中でしか理解されない
相手に愛されていようといまいと。
本当はあんまり考えすぎない方が上手に生きられるのかも知れないけれど、
やはり私もそういう風にしか生きられない。
投稿元:
レビューを見る
彼には同棲している男がいる。私は彼が来てくれた時に迎え入れればいいだけで、彼を望む権利などない―(『星へ落ちる』)。彼の彼氏に嫉妬する『私』、彼に女の影を感じて怯える『僕』、出て行った彼女を待ち続ける『俺』。相手を愛おしいと思えば思うほど、不安で押し潰されそうになってやり場のない感情に苦しんでしまう男と女と男を、それぞの視点から描き出した切ない恋愛連作短編集。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うーん……なんかよくわからんかった。
それぞれ関連する人の視点で短編が続いてくんだが、みんな恋愛に狂ってて怖かった笑
投稿元:
レビューを見る
「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」
星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。
男と女と、男の彼氏と、女の元彼。
複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ
人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。
愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。
って読んでて思った。
描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。
とんとんとんとん。にんじんを刻んで、トマトを刻む。さくさくと切れていくトマト。立方体に切り揃えていく内、まな板にトマトの汁が滲んでいく。
スープ作りが一番印象的だった!
投稿元:
レビューを見る
金原ひとみの相変わらずの病的な男女関係。
「彼」をめぐる、「私」「僕」「俺」三人の関係性や感情を描いている。
依存性の物語で「彼」の行動ばかりが気になり、最後には頼る、依存よりも結合、一体化したいともとれるような表現が多く見られている。また自分を他人によって証明されたい、求められたいという願望も垣間見える。
この解説において、いしいしんじ氏が物語の中の関係性を宇宙の星や太陽、月を用いて示してあり、わかりやすく、タイトルにも結び付けてきて、やられたと思った。つか、ひとみ様もこれを踏まえて、当然書かれてますよね(汗)
投稿元:
レビューを見る
自分を投影しやすい人物がいて、とてもあせった。ひやひやした。星へ落ちる、という表現はすぐ気に入った。
投稿元:
レビューを見る
金原さんの書かれる女性ってなんでこんなに妙な色気と病的なところを兼ね備えてるんだろう
彼、彼女、私、俺、僕・・・それぞれの立場からそれぞれの目線で話した連続短編集
人を愛するって、難しい
登場人物達は恋に愛にゆらゆらと支配されていて面白かった
主人公への元彼の思いも、恐ろしいモノを感じるけど、逆にここまで恋愛に一直線にのめり込めるなんてある意味才能だと思う
投稿元:
レビューを見る
続・ひとみ嬢。
相変わらずもってかれるズブズブはまっていくような文章。
恋愛もの・連作もの。男ふたり(ひとりはゲイ)と主人公。
初期作品を思い起こす。このままアミービックに繋がっていきそう。
どうしてかここに戻ってきてしまうという人間の本能を、星へ落ちる引力とかけてあるのだ。
惑星、夜空、ふたりの思い出。引力といってしまえばなんだか美しい思い出の夜なのに、
もちろん地上ではそうはいかないし、病んでいく様から墜落したところで終わるからなんともいえない。
元彼、いいひとっぽかった。ほんとうに人って、恋愛って、フカシギデスネ。