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商品説明
「私って…じゃないですか」「コーヒーのほうをお持ちしました」など、様々な「気になる日本語」について、「明鏡国語辞典」の編者が総力を挙げて正しい用法を解説。間違いの指摘だけでなく「誤用の論理」についても究明する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
北原 保雄
- 略歴
- 〈北原保雄〉1936年新潟県生まれ。東京教育大学大学院修了。文学博士。現在、筑波大学名誉教授、独立行政法人日本学生支援機構理事長。「明鏡国語辞典」など多くの国語辞典の編集を手掛ける。
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紙の本
正しい言葉と意味の理解を
2005/04/23 17:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:霞(Kasumi) - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変面白かった。そしていかに日本語というものを自分が全く理解出来ていなかったかと言うことがよく分かった。語学というものは大変面白く、一度勉強を始めたらその勉強は一生続くのだととある人から聞いたことがある。その時は「ふ〜ん」くらいにしか思っていなかった。しかしこの本を読んでその言葉の意味がようやく理解出来た。確かに語学という分野は一度勉強を始めたら一生勉強し続けても足りない。何故ならどんどん変化していくから。
最近の若者は新しい言葉を作り出す。しかしこれは最近の若者だけに始まったことではないらしい。昔から新しい言葉を作り出すと言うことが頻繁にあったようだ。その時はその言葉が間違いであっても10年、20年先にはその言葉が正しいと認められると言うことが多々あるらしい。私は英語を勉強している。その勉強の中で、今まで見たことも聞いたこともないような表現方法が出て来ることが多い。外国でも言葉は様々な形に変化しているのだ。日本語だけがいつまでも昔のままの形でいられるはずがない。水は澱むと腐ってしまう。言葉も同じなのではないだろうか。
ただ、新しい言葉を作り出すのなら、その前に正しい言葉とその意味をきちんと理解して欲しいと思う。消えていってしまった言葉の中には大変美しい意味や素晴らしい意味を含んだ言葉もあったはず。そういう言葉はやはり後世に伝えていかなければならないのではないだろうか。正しい言葉とその意味をきちんと理解していれば、新しく作り出された言葉もきっと素晴らしく美しいものになると思う。これは言葉というものを操って生きていく人間の大切な仕事なのではないだろうか。
紙の本
「問題な」い?
2012/06/13 19:07
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとも歯切れの悪い解説である。品詞・活用・語源に詳しく言及していて、丁寧な解説ではある。しかし、態度保留が多すぎる。
言葉は生き物だからという理由で、変化を容認する人が最近増えているが、なんでも新しい表現が正しいわけではない。教育上で正しいとされる日本語があり、変化に対して旧世代の抵抗があった上で、それに打ち勝つほどの勢いと耐性があって初めて、変化が次世代へと受け継がれ、定着していく。それが、言語の歴史のはず。無批判に現状を追認するばかりでは、日本語は美しさと強さを失う。
日本語関係の本としては、いまひとつであった。美しい話し言葉を身につけたい人には、これよりも、金田一春彦の『ホンモノの日本語を話していますか?』や梶原しげる『そんな言い方ないだろう』を薦めます。
P.S. 欄外の「使うのはどっち?」は、上の話とは関係なく別に通して読むことを勧めます。
紙の本
言葉は生き物です。
2005/02/02 12:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KY - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から言葉(日本語)の乱れは、盛んに論議されてきたところです。
言葉は生き物であり、時間(歴史)とともに当然変化していくもの。
すべての変化(誤用がその出発点であったとしても)は、進化(退化?)していく動的な存在が言葉の本質である以上、避けられないところであるでしょう。
この本は、そのような現在進行形の言葉の変化について、許容できる側面を持っているのか? または一時的な現象で元の正しい表現に戻るのか?(戻すべきなのか?)をその変化の原因から考察した書物です。
解説は平易で、納得できるものが多く、特に異論を差し挟みたくなるものはありません。ただ、それだけに本格的な内容をお望みの方には少々、物足りなく感じられるかもしれません。
ともかく、イラストなどを多用し、若い学生諸氏にも読みやすく出来上がっています。話し言葉の変化の最前線に立っている彼らにこの本を手にしていただき、自分たちが普段何気なく遣っている言葉に対して興味関心を持ってもらえれば幸いだと考えます。
最後に「使うのはどっち?」の各ページ下のミニテストは、自分の日本語力の簡単な物差しとしては 、悪くない企画だと私には感じられました。
紙の本
日本語ブーム?
2005/01/14 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sakuraba - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近は「日本語ブーム」らしい。母国語がブームになること自体、相当違和感を感じるが、「正しい日本語に帰ろう」という意味では好意的にとらえたい。「日本語ルネサンス」とでも言うのだろうか? 本書は現代の用法の間違いを指摘するだけでなく、なぜ発生し、またなぜ変容してゆくのかを、論理的に説明している。とくに「こちら〜になります」の解説には、なるほどなぁ!と感心させられる。日本語教師を目指している人や、新社会人にはオススメ、…ていうかぁ〜、必ず読んでもらいたい。ただ、少々、文法解説が堅苦しいことと、脚注のおまけが紙面構成上、うるさく感じられた。ちなみに、私が付け加えて欲しい問題な日本語は、領収書の宛名などを聞くときに「失礼ですが、お名前様は…?」である。
紙の本
目新しい論点はないが、ひとつだけ納得
2005/01/10 09:56
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名の「問題な日本語」とは、「問題があるとして既にあちこちで議論されているような日本語」の略であるようだ。そう思ってしまうくらい、目新しい論点がない。
本書の目的は誤用を指摘することにあるのではなく、なぜその誤用をするようになったかという「誤用の論理」の究明にあるということだが、それも、問題があることに気づくことができる程度の国語力がある人なら、国語学者ならずともしばらく考えれば分かりそうなことばかりである。
本書に意味があるとすれば、議論され尽くしているにもかかわらず、一向に改善の方向に向かう気配のない誤用のうちの代表例を挙げ、原因を整理してわかりやすく提示しなおした、という点にあるだろう。
言い換えれば、本書で挙げられている「問題な日本語」を使っている人々は「え! これ、変だったの?」と驚くかもしれないぐらい頻繁に耳にするようになってしまっている言い方ばかりが並んでいる。
本書の普及で、これらに問題があることが、少しでも認知されればいいのだが。
ただしひとつだけ、本書で「あ、なるほど」と思ったことがある。
「全然」の用法についてである。
「全然」のあとに否定を伴わない言い方に引っかかりを感じる人はまだ多いと思う。数年前まで私もその一人であったが、かつて「全然」は「全く」や「完全に」と同じ使い方をされていたと知ってからは気にしないようになった。
が、ここ半年ばかり明治の文章を集中的に読んでみて、明治時代の「全然」と現代の「全然」とは使い方が微妙に違うと感じはじめていたところだったのである。
それが、本書で解決した。
現代の「全然」は、二通りの用法があり、ひとつは「あなたの思っていることとは違って」という限定で使われるのであり、「全く問題なく」という意味を表す。そしてもうひとつは比較の際に「断然」との誤用で使われる、ということである。
さて、このまま定着するのであろうか、それとも、明治時代の使い方にまで回帰するのであろうか。