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紙の本
日本金融システムの危機と変貌
著者 星 岳雄 (編),ヒュー・パトリック (編),筒井 義郎 (監訳)
不良債権処理をめぐる問題、金融ビッグバンの功罪、政治の選択がもたらしもの、政策変更が企業に与える影響など、日本の金融制度・政策上の課題と展望を日米の一流エコノミストたちが...
日本金融システムの危機と変貌
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商品説明
不良債権処理をめぐる問題、金融ビッグバンの功罪、政治の選択がもたらしもの、政策変更が企業に与える影響など、日本の金融制度・政策上の課題と展望を日米の一流エコノミストたちが検討し、金融市場を分析する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
日本の金融システム | 星岳雄 著 | 1-42 |
---|---|---|
日本の銀行危機を引き起こしたものは? | トマス・カーギル 著 | 43-68 |
1990年代における日本の不良債権問題の原因 | 植田和男 著 | 69-98 |
著者紹介
星 岳雄
- 略歴
- 〈星〉東京大学卒業。カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係・環太平洋地域研究大学院教授。
〈パトリック〉ミシガン大学で博士号取得。コロンビア大学ビジネススクール教授。
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紙の本
2001/08/05朝刊
2001/08/10 18:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今や、世界の金融学者の最大の関心事の一つである日本の金融システムの病巣と、回復への処方せんを日米の専門家が論じている。土台となっているのは一九九八年十月に米コロンビア大で開いた国際会議での各氏の報告だ。
本書が特徴的なのは、その後の変化などを加筆して昨年夏にまず英文で出版され、それを今回日本語に翻訳したという経緯を持つ点である。つまり、本書に盛られた各論文は米国の読者をまず意識しており、彼らが興味を示す日本の金融の問題点と、どういう方向性が望ましいかをほぼ網羅する形で示している。
取り上げたテーマは、一九九七、九八年と連続して起きた金融危機の分析を軸に、大蔵省の財金分離論議、米国とは異質な日本型不良債権処理の仕組み、郵便貯金・財政投融資制度などの公的金融のあり方、そして日本型ビッグバンが各分野に及ぼす影響などと多彩だ。識者も日本の代表的な金融学者と米国の知日派金融学者らのそろい踏みで、日本の金融危機問題の「国際版教科書」の風情もある。
本書を通読して痛感するのが、日本の金融システムが直面しているのは、単にバブル期に積み上がった不良債権処理の重荷だけではない点だ。金融機関本来の行動、金融監督のあり方、金融機関と当局、市場の間を紡ぐ法制度、規制体系などがことごとく機能不全か低下し、いまだ回復しきれていないわけだ。
金融の全面的な構造改革が求められていることを実感できる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001