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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.7
- 出版社: 日本経済新聞社
- サイズ:20cm/221p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-532-14844-8
紙の本
入門「戦略財務」経営
不採算事業・子会社を整理し、M&A、持ち株会社などを活用した全体最適連結経営を展開するにはどうするか。最新の戦略財務の考え方を明快に解説。94年刊「戦略財務マネジメント」...
入門「戦略財務」経営
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商品説明
不採算事業・子会社を整理し、M&A、持ち株会社などを活用した全体最適連結経営を展開するにはどうするか。最新の戦略財務の考え方を明快に解説。94年刊「戦略財務マネジメント」の改題改訂。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
大庭 清司
- 略歴
- 〈大庭〉1943年生まれ。九州大学経済学部卒業。名城大学経済学部教授。
〈山本〉1957年生まれ。メリルリンチ証券会社投資銀行部門マネージングディレクター。
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紙の本
企業財務を取り巻く環境急変の中で,戦略財務遂行上の重要テーマを殆ど網羅した全経営者にお薦めの書
2000/12/01 21:16
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投稿者:中嶋 正典 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦略財務経営への転換のために,日本企業の行うべきことは,株主・株価重視経営であり,(あまりに低かった)利益率の向上,株主の期待収益率(資本コスト)を上回る利益目標の設定,国際化市場での社債格付けの重視,増大するリスクの管理体制の見直し,株主・債権者を中心としたコーポレート・ガバナンスの正常化,などを本書では挙げている。
また戦略財務の核となる財務部門の役割は,適正事業ポートフォリオの構築に常に参加する,コーポレート・ガバナンスの遂行窓口として,株主,社債,CP保有者,証券アナリスト,格付け機関,銀行との緊密なリレーションの維持,事業部門の業務遂行に関し,予算・実績管理,資本コストの設定などへの参加助言であるという。
日本版金融ビッグバンの進展の中で,外為法改正,会計制度の変更,グループ経営効率化のための商法改正,証券化手法の多様化,通貨ユーロの成立など,日本企業にとって戦略財務の枠組みを考えるインフラが国際的なレベルで整ってきた。課題で残るのは,このインフラを生かし切るための企業の意思決定メカニズムが欧米の優良企業並みになってきたかという点である。財務部門が経営陣にもたらす情報は,経営の変革をもたらす貴重な情報であるが,これに対応する経営陣の判断や意思決定がなければ,有効になり得ない。
日本企業の意思決定メカニズムの問題点として挙げられているのは,
1)グループ経営に関する業績評価の仕組みが確立されていない。子会社に対する権限と責任,子会社と親会社の統合事業部門ごとの業績評価の不明確さ。
2)いまだに残る,収益性よりも人材配置を優先した子会社づくりは,連結利益の最大化を目指すことに反する。
3)経営陣の役割は事業部門の業績評価,経営資源の最適配分,事業ポートフォリオの見直し,株主へのグループ経営の成果報告が中心となるべきであるが,日本では取締役は部門の代表の様相を呈している。
これからの日本企業が負担しなければならない事業リスクは,手本のない新しいコンセプトの世界での莫大な投資であり,この種リスクテイキングは株式市場を主体に考えるべきである。つまり株式資本を主とする調達力の差が,結局企業の長期的競争力の差につながる傾向が益々強まるであろう。
株式の持ち合いを前提とした従来の経営の意思決定システムを維持する余裕はなくなる。
(C) ブッククレビュー社 2000