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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.8
- 出版社: 日本経済新聞社
- サイズ:20cm/255p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-532-14853-7
紙の本
われら地球人 「個」の力が世紀をひらく
著者 日本経済新聞社 (編)
ITの進展、国家の変容によって、軽々と国境を越えグローバルに飛翔する新しい個人が台頭してきた。ネット起業家、NGO職員など、国や企業から自立し、21世紀を切り開く主役たち...
われら地球人 「個」の力が世紀をひらく
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商品説明
ITの進展、国家の変容によって、軽々と国境を越えグローバルに飛翔する新しい個人が台頭してきた。ネット起業家、NGO職員など、国や企業から自立し、21世紀を切り開く主役たちをレポートする。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ITとグローバル化が世界のパラダイムを変化させている環境下,21世紀に臨む個人の生き方への示唆と提言
2000/12/01 21:16
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投稿者:竹中 誉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報通信技術の驚異的進歩と発展およびグローバライゼーションの急速な進展は,世界のすべての国々,社会,企業,個人の考え方・あり方などに大きな影響を与え,今後のあるべき姿に根源的な問題を提起している。
グローバル化の潮流と国家のあり方,企業のあり方,個人に必要とされる能力などについては,わが国においても多くの識者がすでに頻繁に論じている内容でもある。その視点からは,当書のテーマ自体は特に目新しい問題意識ではないと言える。しかしながら,当書のもつ大きな意義と強烈な迫力はこの課題に単に理念的・論理的な“あるべき論”として取り組むのではなく,世界各国・各地に既に起こりつつある数多くの多様な具体的な事例を通じてその本質に迫り,読者に訴えかけている点にある。
当書は,世界の変化を象徴する多様な具体例を,国家と個人,企業と個人,社会と個人,宗教と個人などの切り口から紹介し,21世紀に臨む日本および日本人にとっての挑戦課題を見事に描き出している。
“人間としての普遍的な価値を重んじ,毅然として自己の主張を貫く個人”“自主独立の個人”が今後の世界的主流になり,その流れがすでに始まっているとすれば,“和を以って尊しとなす”あるいは“全体があって個人が存在し得る”という類の考え方,文化に馴染んでいる日本人はその壁を克服し得るであろうか? また,異国間,異人種間の壁を低くし,人間同士としての関係構築を促進するグローバライゼーションの潮流のなかで,“日本人の両親を持ち,日本に生まれ,日本で育った人間だけが日本人”という無意識的な考え方が今なお強い日本人が,世界の新しいすう勢を取り入れて存続・発展してゆけるのであろうか?
このような根源的な課題について深く考えるヒントを提供してくれる良書であると思う。国家と個人,国家と企業,産業社会と企業,人類にとっての普遍的価値と国家・地域の価値・文化,全体と個人などなど,考えるべき課題は深く,数多い。21世紀に向けての方向,具体的な対処方法は,読者個人個人の思索と努力に委ねられていると思うが,当書に紹介されている数多くの事例が貴重なヒントを提供してくれている。一例をあげれば,スイスのブレーンストア社のアイデア生産の4段階法は,知的資産構築についての知恵を求める企業・個人にとって直ちにでも取り入れ得る具体例であると思われる。
混迷感,閉塞感が支配するわが国社会の現状において,21世紀に向けての日本の重要課題の本質についての理解を深め,われわれ各個人がどうあるべきかを考えるために極めて有用な良書であると思う。
(C) ブッククレビュー社 2000