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商品説明
そごう救済シナリオはなぜ崩れたのか。大借金国日本の近未来はどうなるのか…。日々の経済ニュースの裏に隠れて見えにくい「深層」と「真相」を、ずばり斬り込む。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
糸瀬 茂
- 略歴
- 〈糸瀬茂〉1953年福岡県生まれ。第一勧銀、長銀総合研究所客員研究員等を経て、現在宮城大学事業構想学部教授。著書に「アングロサクソンになれる人が成功する」他。
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紙の本
日本経済に迫り来るハードクラッシュの危機。金融エコノミストが「旬の材料」を駆使してその具体像を描く
2001/01/07 18:16
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投稿者:平尾 光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んで2つのことを考えさせられた。第1はタイトル通りに「日本経済に起きている本当のこと」の恐ろしさである。第2はインターネットと出版・活字メディアとの関係である。第1の点については,不良債権問題,財政赤字処理のおくれの“恐ろしさ”が,2000年に臨界点に達して新世紀には日本経済のクラッシュシナリオが現実味を帯びてくると色々なトピックを取り上げて鋭い切り口で語りかけている。根本問題を「世紀を越えて」先送りをした愚かさと罪深さを叫弾してやまない。これは著書のかねてからインターネット上で主張してきたことである。毎週の“旬の材料”をとりあげ,6万人のネット読者に訴求してきたことのインパクトは大きかったであろう。
著者は日本経済をこの危機水域から救出するのはIT革命であるとしている。しかも,IT革命に期待されている産業革命の側面より,IT政治革命に希望をつないでいるように受け取れる。というのも,正しい情報がより早く,より広く共有された結果,有権者が賢くなり,無能な政治家にイエローカードをつきつける可能性が強くなっているからである。
著者が本書のベースとなったテレビ東京の「ニュース・モーニング・サテライト」のネットコラムを引き受けたのはそのような想いがあったからであろう。このネットコラムの読者は“金融プロ”が中心であったために,単行本にして一般読者にも読みやすくしようと“後日談”というかたちでの解説と経済専門用語の注をつけ加えている。この追加作業はインターネットと出版活字メディアとの関係について考えさせられる問題を提出している。
つまり村上龍やスティーヴン・キングのような作家がネット上で小説を進行させていくのとは違い,本書のようなリアルタイム性が売り物の経済時事解説を単行本として活字メディアに変換する意義とその場合の工夫はどうあるべきかという問題である。“天声人語”を単行本として出版するのとはちがった意味合いを持つべきであろう。日本の経済危機に関する考察をインターネット上で展開した後,活字化した本書はこのようなことを考えさせてくれる。
(C) ブッククレビュー社 2000