紙の本
組織マネジメントについての本です
2008/11/22 21:38
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投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
経営書。
組織マネジメントについての本です。
表紙には、「マネジメントをイノベーションせよ」とあるとおり、従来の組織マネジメントの手法をどうしたら改善していけるかがテーマです。
いくつかの具体的な優良企業を例にしていますが、ポイントは「いかにして現場中心」のシステムをつくるかということです。従来の伝統的な管理システムは、ビラミット型。トップの意向をいかにして組織全体に浸透させるか、がポイントでした。
しかし、組織が大きくなってくると、トップがすべて経営環境を把握することは困難になってきます。そのための分業システムである官僚組織では、情報伝達速度が遅い。
現代のビジネスの進み方は、数年前のそれに比べ格段に速くなっているため、官僚組織で運営していれば、その速度についていけなくなるのは必定です。しかも、企業は常にイノベーションを実行していかなければ生き残りが難しくなっている昨今。
ビジネス環境の変化を早く察知し、対応させるために「ボトム主義」を採用している企業が増えているのです。
ただ、そのシステムをいかに馴染ませるかは、トップの仕事です。ただ、「ボトム主義」にすればよいということではなく、そのための仕組みづくりが最も大切なのです。
本書は、その具体例も大企業のものが多いですが、中小企業でもこの手法は使うことができると思います。
組織が小さい分、「ボトム主義」が定着しやすいと思います。その場合でも、大切なのは仕組みづくり。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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投稿者:ビーケーワン - この投稿者のレビュー一覧を見る
謝辞
はじめに
第1部 なぜ経営管理イノベーションが重要なのか
1 経営管理は終わったのか
2 究極の優位
3 経営管理イノベーションの挑戦課題
第2部 経営管理イノベーションの実行例
4 目的で結ばれたコミュニティを築く――ホールフーズ・マーケット
5 イノベーションの民主主義を築く――W・ L・ゴア社
6 進化する優位を目指す――グーグル社
第3部 経営の未来を思い描く
7 束縛から逃れる
8 新しい原理を見つける
9 周縁から学ぶ
第4部 経営の未来を築く
10 経営管理イノベーターになる
11 マネジメント2.0を築く
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http://blog.livedoor.jp/daimon27/archives/679118.html
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経営管理イノベーションをどうするか?
経営にイノベーションを持ち込めれば、より発展できる。
どうすれば、そのイノベーションができるのか?
W.L.ゴア、グーグル、ホールフーズ(Whole Foods Market)
http://www.wholefoodsmarket.com/ の右上には、
「Talk to us」があり、そこには、Twitter、Facebook、Flickr、Our Blog と続く。
ト、2009.6.4
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ゲイリー・ハメル、ビル・ブリーン著、藤井清美訳「経営の未来〜マネジメントをイノベーションせよ」日本経済出版社(2008)
以前読んだんだけれど、もう一度、気になる部分を抽出する意味で読んだ。MBA学生必見。コアコンピタンスのゲイリーハメルの新著。
*21世紀の企業が直面する厄介な3つの課題
?規模の大小を問わず、どの企業でも、戦略変更のペースを劇的に加速させること
?イノベーションをすべての社人の日常的な業務にすること
?社員を奮起させて各自の最高の力を発揮させる魅力的な労働環境を築くこと
*自分自身の経営管理イノベーションの挑戦課題を評価するための基準
?私は十分に大きく考えているか
?説得力のある主張を展開できるか
?根本原因を十分に深く掘り下げているか
*大きな理想を包摂する目標に向かっていると社員が感じない限り、社員から大きな貢献を得る事はできない
*創造的な経営管理イノベーションは、厄介なトレードオフの問題を解決することができる
*経営管理のイノベーションは次の3つの条件の1つ以上を満たしているとき、競争優位を生み出す傾向がある。(1)長年信じられてきた正当理論を非正する、まったく新しいマネジメント原理に基づいている(2)体系的で一連のプロセスやメソッドを含んでいる(3)前進のペースが説きとともに増して行く、信仰中の加速度的な発明プログラムの一環である。
*平凡な問題やつまらない問題は、凡庸な答えやつまらない答えを生み出す。だから、大きく考える事が必要である(イギリスの生物学者 ピーター・メダワー)
*競争での勝利に貢献する人間の能力は階層に並べる事ができる。一番下に来るのが従順さであり、支持やルールに従う人間の能力になる。これがベースライン。次に来るのが勤勉さで勤勉な社員は信頼ができる。彼らは手抜きをせずまじめにきちんとしている。次の階層には知識と姿勢がくる。ほとんどの企業が知的能力が高い社員を採用しようとする。自分のスキルを積極的に高め、他の人々のベストプラクティスを進んで取り入れる頭のいい人間を高く評価する。知性の次にくるのは自発性だ。自発性のある人は頼まれたり指示を出されたりしなくても自分から行動する。新しい挑戦を求め価値を加える新しい方法をいつも探している。一番高いところにあるのが創造の才である。創造的な人は探究心が旺盛で好奇心をおさえられない。ばかげたことを口にするのを恐れない。「もし、、、、だったらすごいと思わないか」と突拍子もないことをよく語りかける。そして最後に一番上に来るのが情熱である。情熱は人間にばかげた行動をとらせることもあるが、意図を達成に変える秘密のソースである。情熱のある人は困難を乗り越え決してあきらめない。
*次の4つの条件が満たされていればトップダウンの規律はあまり必要がなくなる。(1)現場の社員が結果に責任を追わされている。(2)社員がリアルタイムの業績データを入手できる(3)業績に影響を及ぼす主要変数について社員が決定権を持っている(4)結果、報酬、��価の間に綿密な関連がある
*成功する自主参加型システムは貢献者が様々な通貨で心理的収入を得る事ができるシステムである。
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読書中。
一番強い組織は業務よりも<製品<戦略<経営管理のイノベーションを起こすこと。
現場から生み出されるアイディアとイノベーションを経営管理できる組織が
経営管理のイノベーションを成し遂げた組織と言える。
たとえば、グーグルやホールフーズのように官僚型でない組織。
しかし、そこにある課題大きい。
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1994年「コア・コンピタンス経営」において戦略イノベーション(レバレッジ戦略/ストレッチ戦略)を語った著者が、経営管理イノベーションの必要性と必然性をうたった本です。ちなみに著者は経営管理イノベーションを戦略イノベーションを含むその他のイノベーションよりも上位においており、「経営管理イノベーションには、容易には模倣できない優位を生み出す比類ない力がある」と述べています。ビジネスモデルに関する本は多いですが、新しいマネジメントモデルに関する本であるという点は評価できる点かもしれません。
「最も大きく変わったのは、変化それ自体である。今の時代をこれまでの時代と分かつものは、...恐ろしいほど加速している変化のペースなのだ」、したがって今、経営管理のイノベーションが必要となっている、というのが著者の主張です。そして具体的にはホールフーズ、W.L.ゴア、グーグルの例を挙げて、解説を進めています。
結論(もしかしたら出発点かもしれないが)として、現在の経営管理における階層型管理構造が、目的を達成するための理論的な最善の方法であるということではなく、過去におけるコミュニケーションや情報共有に関する制約条件から導き出されたものであると捉えられています。IT関連技術によって取り払われる制約条件を考慮した場合、今の経営管理をどのようにイノベートすることができるのか、IBMやベストバイの例を挙げての説明は説得的です。
「コア・コンピタンス経営」のときからすでに、集権制を批判し、社員の情熱と想像力("野心"という言葉が好んで使われていた)の発現を重視していたのですが、本書でも扱う主題は異なるものの、この姿勢は一貫していると言えます。また、イノベーションに関するリスクマネジメントについての視座も一貫していると言えるでしょう。やはり合わせて読むとよいかもしれません。
2007年出版の本ですが、「マネジメント2.0」という言葉を採用していることからも分かるように、言ってみればWeb2.0ブームに"かぶれている"という印象も強いです(例えばベストバイの例を挙げて、集合知の利用を賞賛していますし、グーグルもものすごく持ち上げています)。しばらく経った後には陳腐化している箇所も出てくる恐れもありそうです。
そんな印象もあり、そんなこといっても現実は...とかなりシニカルになるところも多いのですが、そういう自分がいるのを戒めつつ、まあ星5つで。
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非常に面白い。企業が業績をあげ続けるには、経営管理イノベーションが重要であるということを述べている。
では、経営管理イノベーションとは何だろうか。一言で言うならば、「企業という組織が従う法則を作成すること」である。
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ここ5年くらいの経営書の中では「ウィキノミクス」と並ぶトップクラスの名著。経営管理にもイノベーションが必要ではないか?という問いかけはシンプルだが、ものすごく意味のある問い。これから必要なのは未来志向のマネジメント。日本の会社にも活用できる示唆が山ほどある、ものすごい名著。
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ボトム主義経営が近代経営管理を凌ぐという主張・事例が書かれている本。ゴアテックス、グーグル、ホールフーズなど勝ち続けている優良企業をベストプラクティスとして、現場では何を考え、決断し、責任を取っているのかを追っている。
が、正直読みにくくてもう内容ももう古い…。
しかも今後も優良企業であることに変りはないであろうものの、例えばグーグルは社内幹部が独立してベンチャーを立ち上げたり、中国から撤退するもののマーケット規模のデカさ故に開発部隊は依然と残こしている等、、、挙げられた優良企業でさえ、何かしらの成長発展の限界も超えなければならない局面を迎えているのだから...。
ということで、(本書は経営管理のイノベーションには企業の”長期的”な優位性を築く力を信じて説いているが)、残念ながら100%信じ切ってしまえば結局経営管理のイノベーションが起こらない。
本書の結びでも同様な事が書かれているが、覇権を争奪する、ルールを書き換える、歴史に名を残す企業に成長させる上で、唯一の問題は「誰がそれを行うか」であることは誰でも同意出来ると思う。
従ってこれを読んでも僕は、経営管理を行う人物を人材ベースで掘り下げる必要がある気がしてならない。
さらに、この人物が決してCEOや幹部チーム、中間管理層だけではなく、最もアウトサイダーなプロパー新卒社員にさえも明暗が懸かっていることを肝に銘じなければならないと思った。「誰が会社を動かしているのですか?」まぎれもなく、それは従業員たち全てなのである。
自分たち自らで社員の努力が結集され、組織化される手法の劇的な変化を”体現”しなければならないのだ。
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経営管理のイノベーションこそが時代の潮流を生き抜く手段であり、その火付けとして本書を読んでほしいと著者は言う。
めまぐるしい変化、新たなサービスの林立、世界的不景気などに対応していくに当たり、様々な戦略や製品のイノベーションは起きたが、それを連続的に生み出す会社はほとんどなく、巨人はやがて死んでいく。
そうしたイノベーションが散発的、特に個人に端を発して起こって大企業となり、100年変わらないヒエラルキーに飲まれ鈍化していく。85%の会社員が「自分は100%の力を発揮できていない」と考えているという。会社の仕組みを変えなければならない。優れた少数の専門家に舵をゆだねるのではなく、社内の集合知をアイデアや判断に使うパラダイムシフトが必要だという。
また方法にも工夫が必要だ。幾つかの先駆け的企業における、多くの自由とわずかな管理、優れたアイデアへの起業並みの報酬などを例示する。
またそうした企業でも変革に時間を要したことから、経営者が、またはいちマネージャーがどこからどうやって経営管理のイノベーションの火を広げていくべきかを提案している。
もちろん現実には数多くの失敗も起きるだろう。それこそ起業のように。
しかし積極的に働きたくなる組織が結果として勝つというベクトルには大いに賛同したい。
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発売当時(2008年2月)に相当話題になった本。当時買ったが今まで読んでいなかった。当時読んでいればもっとおもしろかったかな、という印象。
平たく言うと、経営陣によるトップダウンでの管理ではなく、現場社員の自発的なイノベーションを創発するようなボトムアップの組織運営をどう実現するか、という話。
ただ、ケースとして取り上げられているグーグルの立場が、現在それほど確固たるものではなくなっていること等を考えると、完全に納得というわけにはいかない。
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グーグルは、最初にプラスアルファとして「幸運」があったと、彼らは認識している。優秀で情熱がある人間がたくさんいる中で彼らが成功したのは「幸運」にすぎない。「幸運」の効き目が残っているうちに、別のプラスアルファを用意しなくてはならない。そのプラスアルファが、企業文化、マネージメントスタイルの優位であり、エリック・シュミットなのだ。
そういう「切り札」として招聘されるシュミットの凄みは何かと言えば、上記の引用部分に表れている「自己改造」の能力だと思う。
シュミットは、自分が経営者として長年培ってきた自慢の特殊能力が通用しないことによって、一瞬で「グーグルとは何か」を理解した。そして自分の役割を認識した。
天才、達人の技である。
そして、この本の面白い所は、この天才の技を並の管理職者が身につける為の体系的なノウハウに落としこんでいく後半だ。
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集合知をマネジメントすることによる次世代経営への進化を示唆した良著。何度でも読み直したい。具体的な事例もあるが、開かれたばかりの新しい経営スタイルに対しての視点が鋭い。
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究極のボトムアップ経営とは、民主主義であり、市場の原理であり、都市の魅力を体現するものだ。
ただし、国家レベルに規模感を、そしてグローバルに拡大した企業がそれを体現するのはひどくむずかしい。
それをサポートしうるスキームをどう生み出すか。それが作者の問いであり、僕ら自分自身への問いになるだろう。
そういった広義の経営管理プロセスのお話。