紙の本
出版社コメント
2003/12/16 19:15
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投稿者:日本経済新聞社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ人は誤った選択をしてしまうのか? 心理学の成果を応用して、一見不可解な人々の行動を論理的に説明するユニークな学問が、行動経済学だ! そのエッセンスを、豊富なエピソードを交えてわかりやすく解説する。
■著者紹介
多田 洋介(ただ・ようすけ)
1973年生まれ。1996年 東京大学経済学部卒業。同年 経済企画庁(現内閣府)入庁。ハーバード大学大学院修士。東京都立大学経済学部非常勤講師。
■目次
第1章 行動経済学とは何か?——「限界知らずの経済人間」への挑戦
1 経済学の世界に生きる人間の3つの限界
2 人々は確率を「正しく」判断するか?
3 ゲームのプレーヤーはすべて合理的か?
4 間違いの多い経済学の「くじ」選び
5 将来の消費の選択は難しく移ろいやすい
第2章 人間はどこまで合理的か?——限定合理性の経済学
1 人々は日々合理的に過ごしているわけではない
2 物を考えるにもコストがかかる
3 限定合理性の存在を示す事例
4 非合理的な人間の存在は市場を動かす
第3章 近道を選ぶと失敗する——信念や判断に潜む罠
1 我々につきまとう「近道選び」の誘惑
2 法則がないところにあえて法則を見出す
3 手っ取り早く手に入る情報を優先する
4 情報は時に必要以上に影響力を持つ
5 企業や投資家を惑わす自信過剰の問題
6 人は間違いを認めたがらない
第4章 プロスペクト理論——リスクが存在する下での選好理論
1 不確実性が存在する下で人々はどういう行動パターンに従うのか
2 プロスペクト理論とは
3 プロスペクト理論の応用例
4 お金の捉え方次第で人の行動は変わる
5 人は曖昧さを嫌う
第5章 非合理的な投資家は市場を狂わす——行動ファイナンスの世界
1 行動ファイナンス=行動経済学の最先端の応用分野
2 伝統的に正しいとされるファイナンス理論とは?
3 非合理的な投資家のせいで市場裁定が機能しない
4 逆張り戦略は有効か?
5 株式プレミアム・パズルと近視眼的損失回避性
6 合理的な投資家も非合理的な投資家も共犯?
第6章 人間は「超」自制的か——先送り、その場の快楽、自己制御
1 時間を通じた行動を現実的に捉える試み
2 いつまで経っても「今」が大事?
3 双曲的割引モデル
4 双曲的割引関数を持つ意思決定者のパターン
5 双曲的割引モデルを使った応用例
6 時間を通じた選好に関するその他のモデル
第7章 人間は他人の目を気にするもの——「目には目を歯には歯を」の経済学
1 「超」利己的な人間像は完璧ではない
2 人が純粋に利己的ではないことを示す3つのゲーム
3 利己的? 利他的? 第三の道?
4 相互応報的な行動がもたらすもの
5 さらなる応用例
終章 心理学的アプローチの限界と今後の展望
参考文献
注
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流行の行動経済学の本、本の内容としては行動経済学及びその応用分野の学説やらを紹介する感じ。本のサイズからもっと気楽な本かと思いきや、いきなり数式などが出てきたりする。色々なことを紹介しようとしているせいか、一つ一つの内容が薄い気もするが、読みやすく面白い。
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経済学と心理学が融合している学問、行動経済学。難易度は低め。さらさら読めます。今までこのような学問は無かったので、非常に新鮮な感じがします。
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ノーベル賞を受賞したことで俄然注目を集めている行動経済学。経済学と心理学を融合したような学問であるが、新しい学問でもあり誤解されている面も多い。まずは入門編として本書を手にすることをオススメします。
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まだ読み途中・・・
ミクロ経済学やゲーム理論の知識は必須
人間は合理的な判断の下行動する
という経済学の前提を
覆す!
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経済学、とくにミクロ経済学の分野では人間は合理的で完璧な自制心と極端な利己心を持った合理的経済人(=ホモエコノメトリカス)であると仮定される。でも現実には違う! 衝動買いもするし時に利他的になって募金をすることもあるし、逐一自分の効用を計算しているとは考えられない。そこの穴を埋めるのがこの「行動経済学」という分野。この本では、完璧な合理性へのアンチテーゼとして限定合理性や近道選びの理論、完璧な自制心を修正するものとして双曲的割引モデル、利己主義を修正するアプローチとして相互応報的行動原理が説明されている。ゲーム理論や期待効用の理論を応用していて数式が多いのでちょっと難しいですが、浅く広くいろんな理論が紹介されています。経済学者はモデルの簡便さを追及するあまり現実性を軽視してしまっているというラビン教授の意見は同感。現実の人間の行動なんて複雑怪奇。理論的に説明することなんてかなり難しい。だから経済学者は人間を非人間な仮定の中において分析を行い、冷徹と言われてきた。その経済学が、心理学の分野と融合して進化する過渡期にあたるのがこの行動経済学だと思うんですよね。たぶん。
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行動経済学の入門書です。
行動経済学は、今までの経済理論(標準経済学)に心理学の要素を持ち込んだ新しい経済学です。
標準経済学では「経済人(経済学で扱う人の総称)は合理的に利益を追求する」と前提が置かれています。
しかし、実際の人間はそんなはずないだろ!と。誘惑だってあるし、意志が負けてしまうかもしれない。
そんな理論上の合理的な人間ではなく、もっと人間味溢れる現実的な人間を対象に扱っていくのが行動経済学です。
その入門書として、この本は最適なのではないでしょうか?
基本的にわかりやすく書かれていて、経済学をやったことがない人でも平気だと思います。
ただコラムになると一気に難しくなるので、読み飛ばしても問題ないと思います。
関連に、神経経済学や経済心理学などもあります。
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たくさんの事例をもとに、非常にわかりやすく行動経済学を解説している良書であると感じる。
本書で紹介されている各ケースは、他の行動経済学に関する書籍でも品用されているものが多いが、学問として行動経済学を学ぼうとする方にとってはいちばん適したものではないだろうか。
明日からすぐにビジネスはもとより実生活で活用できる行動経済学の世界に触れてみてはいかがでしょう!
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大学時代に一番興味を持った経済学の分野。合理的なだけでなく、心理学的な側面をもって人間は行動するという当たり前のことに大いに興味を持った。経済学と心理学というのはビジネスをしていく上でも重要だと思うし、セブンイレブンなど流通分野では積極的に取り入れている。
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寝たり食べたりしながら生活してる人間という種族は、適当なところが多々あって、で、ファジー。この前提で話を進める経済学が行動経済学。とゆーことは、それまでの経済学で扱われてた人はみんな完全に合理的でとっても利己的だったんだ。なんでそうだったのかっていうと、頭のいい人たちにとっては、そんな利己的な人を扱った方が面白かったからだと思う。人の営みを上から眺められて神様気分になれるんだと思う。
人間味が出てきて僕たちに少し近づいてきた経済学だけど、ファジーな僕にはやっぱり関係ない話だった。
面白かった部分を1つ
ミクロな部分で激しい変化があっても(折れ線グラフが激しくジグザグしても)大きな目で見ると自然と一定値に収束していく。これはなんとなくわかると思う。
ここから話が飛躍する。例えば部下がミスをして上司が激しくしかる、同じミスを繰り返さないように。ここで上の折れ線グラフをイメージしてみよう、ミスの後には自然とミスじゃない一定値に戻るんじゃないだろうか。上司がしからなくても。
だから、「いやだけど部下のためにオレは怒ってるんだ」とか言ってる人には言ってやろう。あなたはただ感情的に怒っているだけで、そこに~のためとかの人生論を持ち込むなと。
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<おそらく最良の行動経済学入門書>
光文社新書から出ているものも十分いいんですけどね。
図書館の返却期限が来てしまったのでキーワードを挙げる程度に留めます。
•ベイズルールが未だに分からん
•アレのパラドックスーくじの話;危険回避性
•オイラー条件ー異時点間の消費決定モデルの最適解の導出方法
•ハーバード•サイモンの満足化仮説
•勝者の呪いーオークションでは失敗する
•ケインズの美人投票モデルに限定合理的な人間がいたらー非合理的な人間の存在は市場に結構なインパクトを与える。東京大学の正富はこれを「ゴエモンインパクト」と呼んだ。
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行動経済学の教科書として最適。クラシックな経済学の限界からスタートし、行動ファイナンス理論までを具体例を交えて扱う。後半はゲーム理論を活用した事例も多数紹介している。ある程度の基礎知識があってから読んだ方が良い。
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経済学に、より現実的な人間の行動モデルを取り込んだ新しい(?)経済学の解説書みたいな。教科書っていうほど学術的ではない、論点の紹介とかそういう感じ。
そもそも現実的な人間を表現しようとしているから本質的にスッと入ってくるし、文体も読みやすいし、具体例もふんだんに盛り込まれていて良かった。
限定合理性とか、学科の授業でちょっとだけ触ったなーとか思い出しながら読んでた。
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第1章 行動経済学とは何か?
第2章 人間はどこまで合理的か?
第3章 地位か道を選ぶと失敗する
第4章 プロスペクト理論
第5章 非合理的な投資家は市場を狂わす
第6章 人間は「超」自制的か
第7章 人間は他人の目を気にするもの
終章 心理学的アプローチの限界と今後の展望
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経済学の基本を知っていればもう少しわかったかもしれない・・・
いろいろな現象が存在することは多数例が出ていたのでわかった.
プロスペクト理論
・利得よりも同じ額の損失に対してより深刻に受け止める「損失回避」
・得をする局面では危険回避的選択をするのに,損をする局面ではむしろ危険志向的な行動をとるという「非対称性」
・わずかな確立であっても発生する確率が正であれば,その確立を過大に認識する「確立ウェート関数」
アノマリー:予測される人間行動と現実の人間行動の乖離
双曲的割引関数
近道選び:不確実性に直面する人間の判断につきまとう3つの代表的な近道選び
①代表制(representativeness)
②利用可能性(availability)
③係留(anchoring)
統合効果:AかつBである確立よりもAである確立が低い
認知不協和:人は間違いを認めたがらない
プロスペクト理論:不確実性下の行動モデル
心の家計簿(mental accounting):最大限支払ってもいいと考える価値,どこで購入するかによって違う,参照点が違う
ナイト流の不確実性(knightian uncertainty):曖昧性の回避(ambiguity aversion)
ホモ・エコノミカス:「超合理的」(効用を最大化),「超自制的」(計画通り行動),「超利己的」(自身の利益のみ追求)
ベイズ・ルール
ゲーム理論の均衡概念
期待効用仮説→アレのパラドックス
効用最大化モデル
ナッシュ均衡→利得の最大化で行動
囚人のジレンマ
ルール・オブ・サム(親指の法則)→根拠のない判断
満足化仮説→途中段階で満足
限定合理性