投稿元:
レビューを見る
驚いた統計(予想)値
男性の生涯未婚率(50才時点で一度も結婚したことのない割合)
1920-85 1~3%台
1990 6%
2005 16%
2030(予) 29%
投稿元:
レビューを見る
本書は、そんな日本における“2030年問題”の到来を予測してみせる。根拠は各種の人口統計調査だ。緻密(ちみつ)なデータの分析から浮かび上がるのは、リアルで衝撃的な未来図である。
今から20年後、50~60代の男性の4人に1人が一人暮らしになる。一生結婚しない男性は29%、同じく女性が23%、65歳以上の未婚者が男性で168万人、女性で120万人に及ぶという。家族を持たず、単身生活を続ける中高年層が都市部を中心に急増すること。そのとき、いったい何が問題となるのか。
貧困、介護、孤立。藤森はこの3点を強調する。
(朝日新聞書評より)
投稿元:
レビューを見る
もっとも予測しやすい未来、それは人口から推計される未来ではな
いでしょうか。
ビジネス書の世界では、トンデモ本を含め、数多くの「予測本」が
出されてきましたが、当たったものは、ほとんどが人口をベースに
書かれています。
ということで、われわれがこれからのビジネストレンドを読むには、
人口統計を学ぶのが一番。
そういう意味で役立つのが、本日の一冊『単身急増社会の衝撃』です。
著者の藤森克彦氏は、みずほ情報総研の「社会保障 藤森クラスター」
主席研究員で、社会保障政策・労働政策を専門にしています。
本書では、1985年から2005年までのトレンドを分析し、2030年の人
口・社会を予測。
20年後、われわれの社会がどうなっているのか、そして単身世帯増
加にひそむビジネスチャンスは何なのか、ちょっとしたヒントを与
えてくれています。
後半は介護や各国の福祉について述べているため、興味のある方限
定のテーマですが、前半の統計は、ビジネスマンはぜひ押さえてお
きたいところです。
それと、読んでいて気づいたのは、2030年における50代はまさに団
塊ジュニア世代、つまり土井も含まれているということです。
そういう意味で本書は、土井が50代になった時の日本を描き出して
いる、そんな一冊でもあります。
1985年から2005年の20年間の変化をみると、男性では50代以上、女
性では80歳以上の年齢階層で単身世帯数が3倍以上に増えた
2005年現在、日本には1446万人が単身世帯を形成しており、全人口
の11.3%、全世帯の29.5%にあたる
最も単身世帯数が多い年齢階層は20代の男性であり、200万人を超
えている
子供のいる夫婦が離婚した場合、未成年の子供は父親よりも母親と
暮らすケースが多い。このため、30代や40代の離別女性は、離別男
性より単身世帯になりにくい
「夫婦と子供からなる世帯」のうち「夫婦と未成年(20歳未満)の
子供からなる世帯」の割合は62%にすぎない(05年)。残りの4割
弱は「夫婦と成人した子供からなる世帯」である
女性の30代は「未婚」、80歳以上は「死別」の増加
結婚の意思をもつ未婚者に「独身でいる理由」を尋ねると、全ての
年齢階層において最上位にくる理由は「適当な相手にまだめぐり会
わない」というもの
総人口に占める単身者の割合は、05年の11.3%から2030年には15.8
%に高まる。さらに、全世帯数に占める単身世帯の割合をみると、
05年の29.5%から2030年には37.4%に上昇し、主な世帯類型の中で
単身世帯の割合が最も高くなる
単身世帯は人口集中地区に居住する
20代の単身男女の8~9割が人口集中地区に居住している
沖縄県の50代男性の未婚率は18.2%と東京都(17.6%)を上回り、
全国で最も高い。また、高知県の50代男性の未婚率は14.8%と、
沖縄県、東京都に次いで全国3位の水準である
2030年には東京都と大阪府において50代・60代男性の3人に1人が
一人暮らし
高齢期は夫婦二人世帯が経済的に恵まれる
単身世帯は「外食費」への支出が高い
50代の単身世帯の就業率をみると、30代や40代に比べて働いていな
い人の割合が高い。病気によって働けないことや、失業して再就職
しようにも職が見つからないという状況もある。ちなみに、2008年
の全国の自殺者約3.2万人のうち50代が19.7%を占め、最も自殺の起
こりやすい年齢階層となっている
睡眠時間を除いて、単身男性が費やす時間が最も長いのは、「テレ
ビ・ラジオ・新聞・雑誌」であり、一日あたり4時間となっている。
単身女性も「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」が最長であり、一日あ
たり3時間17分を費やしている
◆目次◆
第1部 単身世帯の実態
第2部 単身世帯の増加が社会にもたらす影響
第3部 海外の単身世帯
第4部 単身世帯の増加に対して求められる対応
投稿元:
レビューを見る
ミーシーな文章、というのが第一印象。特に、単身世帯の増加について述べた第一章は統計・調査に基づき論理的。こういう社会学系の本では、ドキュメント的に様々な事例を取り上げ、問題を浮き彫りにしていく方法をとるものが多いけど、それとは異なる手法で、だからこそ説得力がある。決して自分とは関係のない、一部の不幸な人の話では終われない。
ドキュメント的なものが読みやすく、読者の感情に訴えることによって伝えようとしているのに対し、頭に訴える本です。でも読みやすい。個人的には同情を強要するような本より好きかもしれません。
筆者の藤森さん、本業はみずほ総研の方だそうですが、とても頭のいい方なのだと思います。
投稿元:
レビューを見る
各種統計を引用しながら、今後単身世帯の急増が確実に予想される事を詳細に説明している。
2030年には、特に50代・60代男性の25%が単身世帯となり、これは未婚化の影響が大きいと予想。
単身世帯の増加は、とりもなおさず社会に於ける家族機能の一層の低下を意味する。同時並行で進む少子高齢化と、それに伴う国家財政の逼迫化を踏まえれば、血縁を超えた支え合い(地域コミュニティー)の再構築が必要となる。
投稿元:
レビューを見る
いいテーマですが、統計数字の分析の記述が必要以上。その分、返って、主張のインパクトが弱くなっている。残念。
投稿元:
レビューを見る
単身生活を続けることの貧困リスク。結婚はある種のセーフティネットだ。著書の趣旨は社会保障の拡充への提言、家族や企業の共助に頼ることより社会制度の改革を。民主党、もうちょっとなんだ…
膨大な資料と外国の例の使い方がためになった。
投稿元:
レビューを見る
藤森克彦「単身急増社会の衝撃」
この本では社会保障政策を専門とする筆者によって、今後急増すると予想される高齢者単身世帯について述べられています。
筆者はまず、その理由を未婚率の上昇と同居率の減少(核家族化)が原因であると豊富な統計データから導きだし、次に単身世帯における貧困・介護・社会的孤立の問題に焦点を当てています。そして、自助・共助(公助)・互助の観点から「雇用環境の整備」・「セーフティネットの充実」・「地域コミュニティとの連携」が重要であると説いています。
また海外のデータとも比較しているため、日本における単身者世帯の現状について俯瞰的に知ることができます。
その中で以下の一文は日本の現状を端的に表しています。
―いわば、日本は「低福祉・超低負担」といえる(P335)
筆者が指摘するように、今の福祉は将来世代に借金をすることで成り立っています。最近、社会保障政策の先行きが不安だという理由から若年層における年金保険料の未納率が増加しています。制度の安定には財源の確保が欠かせません。負の連鎖を断ち切るためにも、政府は迅速に増税・社会保険料の引上げをすべきでしょう。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれ読書。前半は統計データがずらりと並んでいて、日本の高齢化状況や各種問題提起をし、後半では自助、公助、扶助などの社会政策や社会福祉の枠組みを各国の状況を例示しながら解説をしている。前半部分は数字情報ばかりで読んでて嫌になるので、数字に弱い方はざっくり読み飛ばしてもいいだろう。後半の分析は自助が日雇いや派遣の低所得者の問題提起しかなかったのが物足りないが、公助等の提言は現政権の政治運営とも深い洞察があって面白い。個人的には高齢化とともに、地域コミュニティの崩壊から孤独死の問題は単身独居が増える日本では解決しないといけないと思っている。自分でもワークライフバランスや社会福祉、ロボットによる介助、ソーシャルネットの活用等、貢献できるところもあるので積極的に関わりを持ちたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
高齢化進行による社会保障給付費の増大、ってのはよく言われますが単身世帯の増加も同様に深刻な問題なのに見過ごされてるって内容。
生涯未婚率は1980年頃までは1〜3%で推移していたものが、2030年には男性で29%に達するという。特に都市部においては、若くて健康なうちは一人で生きていくことに何ら不自由はないが、病気や失業により社会的孤立に陥るリスクは無視できない。
公的サービスの拡大のみでは、一括りにできない地域の実情を捕捉することは困難で、コミュニティの再生に本気で取組む必要がある。
投稿元:
レビューを見る
2030年には、20代男性と並んで、50代60代男性のほぼ4人に1人が単身者となる。中高年単身者の増加は未婚が主因。
投稿元:
レビューを見る
単身世帯の増加に焦点を当て、その現状、問題点、対応策などが論じられている。データをふんだんに用いていて論旨明快。単身世帯が急増することで介護や社会的孤立の問題が出てくること、その対応策として生活支援ロボットの促進、地域コミュニティへの参加などが提案されており、説得力があった。ただ、非正規雇用の問題や社会保障の問題は、本書で示された方向性には賛同するのだが、単身世帯の急増とは直接リンクしないような気はした。
投稿元:
レビューを見る
脚注などは丁寧で資料的価値はそれなりだが、いかんせん、分量の割には一般人に有益な情報・知識は少ない。
投稿元:
レビューを見る
高齢化、少子化、それに伴ってこれからの日本が経験することになる社会減少が「単身化」である。
とりわけ中年以降の男性単身世帯の比率は前代未聞のボリュームになるらしい。
本来単身か否かを選択するのは本人の意志であり、それは改めて論ずるまでもないことではあるけれど、現在進行中の単身化は必ずしも「意志」ではなく「結果」としての現象であるらしい。
そしてそれは旧来の「家族制度」が崩壊していることの典型的な現れでもある。
1.男が収入の主たる責任を持つ→非正規従業員率の上昇により、充分に世帯を扶養できる経済力を持った男性が少なくなり、結婚の機会を持てず単身世帯となる。
2.老齢を迎えた親は子世帯が同居して介護にあたる→同居する率が減少しており、配偶者を失った老齢単身世帯が増えている。
単身世帯は特に高齢において既婚世帯よりもリスクが高いという。1.収入の手段が本人の労働しかない2.健康への配慮が足らなくなりがちである3.介護制度は基本的に家族介護の補完としてしか機能していない…
統計数値、グラフデータをふんだんに使った、極めて説得力のある構成、文章であり、あまり楽しくない内容ではあるけれど一気に読まされてしまったのでした。
投稿元:
レビューを見る
1,総人口の11.3%、総世帯数の29.5%が単身世帯。
2,2030年には50から60代男性の4人に1人が単身世帯になる。
3,2005年 1年間での初婚率 40代前半男性2.1% 40代後半男性1.1% 20代後半は8%
女性の初婚率も 40代前半1.7% 40代後半0.7% となる。