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商品説明
【読売文学賞随筆・紀行賞(第68回)】ウォールデン湖畔に建てた小屋で自給自足し、森を何時間も歩き、真に自由な生き方を考え抜いた思想家、ヘンリー・ソロー。その膨大なテクストを読み解き、思索のエッセンスを発見する。『みすず』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
〈私は、けたたましい声で笑うアビやウォールデン湖そのものとおなじように、少しもさびしくはない。ほう、あんな孤独な湖にどんな仲間がいるのかね? ところが、あの群青の湖水のなかには、青い陰気な悪魔ではなくて、青い衣の天使が住んでいるのだ。太陽だってひとりである。〉(『ウォールデン』)
アメリカでもっとも著名で独創的な思想家、ヘンリー・ソロー。ウォールデン湖畔に自ら建てた小屋で自給自足し、森を毎日何時間も歩く、たった独りの生活を送った。奴隷制に反対し、2冊の本を刊行し、44歳で生涯を終えた。森で結実したその思索は、現代社会の危機とそこに生きる人間のありかたを示唆し、世界に大きな影響を与えた。
謎に満ちたこの思想家の学舎に、私たちは招かれている。歩くこと、孤独、自然、市民、共同体…『コンコード川とメリマック川の一週間』『ウォールデン』『散策』『メインの森』『ケープコッド』『社会改革論集』そして膨大な日記に誘われ、本書はその思索のエッセンスを発見する。急激な産業化と社会の激動の中で、真に自由な生き方を考え続けたソローのすべてをそっと手渡す一書。【商品解説】
目次
- 序
- I まっ白なノート
- II 定住する旅人
- III 意志あるものとしての野生
- IV より高次の法
- V 死者たちの岸辺
- VI 翼ある思想
- VII 書かれない書物
- VIII 音楽と沈黙
- IX 孤独であることの華やぎ
著者紹介
今福 龍太
- 略歴
- 〈今福龍太〉1955年生まれ。文化人類学者・批評家。東京外国語大学教授。著書に「わたしたちは難破者である」「ジェロニモたちの方舟」など。
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