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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.3
- 出版社: 技術評論社
- サイズ:19cm/175p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7741-4528-0
紙の本
日本的ソーシャルメディアの未来 (ポケットカルチャー ソーシャルメディア・セミナー)
著者 濱野 智史 (著),佐々木 博 (著),ソーシャルメディア・セミナー (編)
集合知とアーキテクチャって何? ネットワーク社会の仕組みと考え方を、対話を通じて考える。2010年8月開催のセミナーの内容を収録。セミナー実施中に参加者から送信されたコメ...
日本的ソーシャルメディアの未来 (ポケットカルチャー ソーシャルメディア・セミナー)
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商品説明
集合知とアーキテクチャって何? ネットワーク社会の仕組みと考え方を、対話を通じて考える。2010年8月開催のセミナーの内容を収録。セミナー実施中に参加者から送信されたコメントも多数掲載する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
濱野 智史
- 略歴
- 〈濱野智史〉1980年生まれ。株式会社日本技芸にてリサーチャーを務める。専門は情報社会論。
〈佐々木博〉1970年生まれ。株式会社創庵代表取締役。ソーシャルメディアを活用した地域活性支援などを行う。
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書店員レビュー
ソーシャルメディアを...
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
ソーシャルメディアを社会学的見地から分析すると、その新しさは、人びとのつながりのあり方を変え、新たな時間性を実現したことにあるという。
「ある人、集団と時間を共にすること(コミュニティの形成)が、自ら選択でき、また簡単に集合・解散する」
このことは、それまでにも距離のある人びとを結びつけていた新聞やテレビなどのマスメディアでは実現されることのないことだった。
マスメディアは一方向・同時・大量送信により、メッセージが届く人々を画一に結びつけたあったが、
”社会的”メディアは、多種多様なコミュニティを、それぞればらばらの時間軸で、想像力にはたらきかけることなく生じさせる。
メディアの構造は、その特性によりそれ自体意味を有していて、人びとのコミュニケーションのあり方を規定する。またそれが社会を表す。
この多様性のプラットフォームは、それまで画一的な「企業共同体」に依ってきた集団主義的な日本社会に流れ込んで、どのような反応を起こすだろうか。
「これからの社会」を予見し、参加者としてその可能性を捉えるための重要な論点を、本書は明らかにし、期待感とともに示してくれる。
PC担当 木山
本書は「ソーシャルメ...
ジュンク堂書店福岡店さん
本書は「ソーシャルメディアとは何か」をテーマに、ユーストリームにおいて配信されている「ソーシャルメディア・セミナー」の内容を書籍化したものであり、シリーズの第2弾にあたる。
濱野智史氏を講師に迎えた第2回の内容を収録しており、社会学的観点からソーシャルメディアについて分析している。
こう書くと難しそうな印象を受けるが、文中で難解な用語は使われておらず、また元となるセミナーが対話形式で進められているので、非常に分かりやすいものとなっている。
ネットは「ソサエティ」か「コミュニティ」か
なぜ年配の人はネットを敬遠するのか など
個人的に興味深い話も多く、考えさせられる1冊。
コンピュータ書 担当
紙の本
よくわからないソーシャルメディアというものが必須になりつつあるこの時代のお供に
2011/11/19 21:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T_Mizutani - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近は、mixiだのtwitterだのFacebookだのGoogle+だのLinkedInだの、ソーシャルメディアなるものが乱立している。
お隣の中国では基本的に世界的なSNS(例えばFacebook)には接続できないことになっているが、ではこういうものが全くないかと言うとそういうことはなくて、
MSNメッセンジャーみたいなQQやtwitterみたいな微博、Facebookみたいな人人网など、代替的な国内産サービスが普及している。
東南アジアでもFacebookを使っている人は多くいると聞くし、世界的な規模で普及しているらしい、このソーシャルメディアとやらは。
で、そもそもソーシャルメディアってなんなんだ、というところから始まり、あわや日本の教育の問題にまで発展しかけたのがこの本である。
本書の大前提の知識として、共同体(コミュニティ)と社会(ソサエティ)の違いが最初に述べられる。
共同体(コミュニティ)は成り立ちに置いて生得的で、規模は一般的に小さく、メンバーは同質的で、全てのメンバーが同じ時間を共有する(地域共同体の祭りをイメージするとわかりやすい)という長期的な関係を結ぶ。
一方の社会(ソサエティ)はこの逆で、メンバーの契約によって成り立ち、規模は大きく、メンバーが多様で、メンバー同士が過ごす時間は短期的で流動的である。
これが社会学の基本的な認識らしい。
少し前までは「ネットコミュニティ」という言葉が一般的だったのが、現在は「ソーシャルメディア」という言葉が台頭してきたことからもわかるように、
インターネットの世界は共同体(コミュニティ)と社会(ソサエティ)の両方の性質を兼ねそろえている、というのが筆者の基本的な認識である。
この認識から始まり、なぜおじさんはソーシャルメディアを使いこなせないのか、なぜソーシャルメディアに疲れるのか、などの話に発展するが、詳しい内容は本書を読んでのお楽しみである。
この認識を応用することで、様々なインターネット上のコミュニティを分析できる。
例えば、Lang-8というSNSがある。
言語を勉強できるよう、書いた日記を添削し合うことのできるSNSである。
例えば英語を勉強している人が英語で日記を書くと、英語を母語とする外国人がその日記を見て誤りを訂正してくれる。
逆に、日本語を母語とする私が、日本語を勉強している外国人が日本語で書いた日記を見て添削することもできる。
このSNSを共同体(コミュニティ)と社会(ソサエティ)という観点から分析してみると面白いのではないかと思う。
Lang-8の特徴を挙げると、次のようになる。
1.ユーザーが全世界にいる
2.関係が比較的流動的
3.フレンドの性質が多様
これらの特徴は、社会(ソサエティ)の特徴と適合的である。
つまり、Lang-8は社会(ソサエティ)的な要素が強いということができる。
ここからさらに、次のように分析することもできる。
すなわち、色んな人に日記を見てもらえるのはLang-8の強みではあるのだが、逆に弱みであるのかもしれない、と。
もう少し共同体(コミュニティ)的な要素を強くしてもよいのではないかということである。
例えば、同じ興味を持った人同士が集まった方が、お互いの日記を添削しやすいことがある。
具体的には、スポーツや自然科学など専門用語が使われる記事を添削する際には、言語能力とともに、テーマに対する知識も必要である。
中国では野球はマイナースポーツなので、中国語で野球について書くと、なかなか添削がつかない。
しかし、野球の好きなフレンドを探しやすくする、あるいは野球が好きな人には野球の記事が表示されやすくなる、などのシステムがあれば、この問題は解決できる。
同質的なフレンドと出会いやすくする、つまり共同体(コミュニティ)的な要素を入れることで解決を図るのである。
これからの社会ではソーシャルメディアとの付き合いや、話題に上る機会がますます多くなるだろう。
本書はそんな社会を考察する足掛かりとして有用である。
本書の著者の一人、濱野智史氏の『アーキテクチャの生態系』を併せて読むと、ネットメディアについての理解がさらに深まるだろう。