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商品説明
キプリングの人格が転移された現代の日本人英文学教授が150年前のインドとイギリスを生きることに―二つの国を生きる作家の苦悩と作品誕生の由縁を、恋愛、友情、両親、妹との関係を軸に壮大なスケールで描いた小説+ポストコロニアル批評の前提を問う重厚な作品論によって、「法と秩序の帝国」と「支配と抑圧の帝国主義」の矛盾を生きたキプリングがインド庶民に向けた共感の深層を掘り起こす。【「BOOK」データベースの商品解説】
インドとイギリスの2つの国を生きる作家・キプリングの苦悩と作品誕生の由縁を、恋愛、友情、両親、妹との関係を軸に描いた小説。ポストコロニアル批評の前提を問う作品論も収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
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書店員レビュー
存命中から早々と時代遅れの烙印を押され...
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店さん
存命中から早々と時代遅れの烙印を押され、その政治的後進性を嘲けられ、評価の対象になるどころか、永い間ほとんどまともに読まれさえしなかったキプリング。その後、エドマンド・ウィルソンのような俊英な批評家や、あるいはボルヘスやアンガス・ウィルソンなどの新時代の小説家が、特に中後期の短編に見られる重層的な語りの独創性に着目し始めたことで、ようやく再浮上の目も出てきたかと思えば、今度はいわゆるポストコロニアリズム批評の格好の標的として槍玉にあげられる、という具合で、とかく毀誉褒貶入り乱れ、いまだ評価の定まる気配がない。それは言い換えれば、どのような出来合いの批評基準を当てはめてみたところでどうにも「すっきりと消化しきれない澱のようなもの」を、作品自体が内包していることの証しともいえようが、そのことをもって〈多義的な魅力〉などと呼ぶには、何かしら危ういものが目に付きすぎるのだ。つくづく因果な作家ではある。
数年前、そのキプリングに関する意欲的な編著を公刊した著者による、さらなる大胆な試みである本書。意表をついた小説仕立てのうちに、英領インドをめぐる一つの精神史がゆらめくように立ち現れる。井上