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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.2
- 出版社: ブロンズ新社
- サイズ:20cm/239p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89309-217-0
紙の本
ピアノへ 10人のピアニストたちが語る20世紀のピアノ名盤そして私がピアニストになるまで
白鍵黒鍵の恐るべきメカニズム、鍵盤の中にいくつもの世界が広がるピアノ。矢野顕子、山下洋輔、国府弘子等10人のピアニストが、ピアノの魅力と「20世紀のピアノの名盤」を語る。...
ピアノへ 10人のピアニストたちが語る20世紀のピアノ名盤そして私がピアニストになるまで
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商品説明
白鍵黒鍵の恐るべきメカニズム、鍵盤の中にいくつもの世界が広がるピアノ。矢野顕子、山下洋輔、国府弘子等10人のピアニストが、ピアノの魅力と「20世紀のピアノの名盤」を語る。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
山下洋輔 | 山下洋輔 談 | 10-41 |
---|---|---|
矢野顕子 | 矢野顕子 談 | 42-57 |
リクオ | リクオ 談 | 58-77 |
著者紹介
谷川 賢作
- 略歴
- 〈谷川賢作〉1960年東京生まれ。舞台・映画音楽の作・編曲などのほか、現代詩を歌うバンド「Diva」結成、自身のレーベル「トゥルバドールカフェ」主宰等、幅広く活躍中。
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紙の本
ピアノとの新たな出会いができる。繊細なのに熱血なピアニストによる、10人のピアニストへのインタビュー集
2001/04/09 18:16
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投稿者:片岡直子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
繊細なのに熱血なピアニスト、谷川賢作氏による、10人(本人も含む)のピアニストへのインタビュー集。装丁もふるっている。カバーだと思ったら、帯だったりして。
ピアノとの出会い、クラシックとの出会いは、幸せと不幸せに分かれる。「お稽古」で、ピアノと出会った場合、ピアノ教室の先生の良し悪しや、先生との相性で、運命が決まってしまい、それがうまくいかなければ、ピアノ自体が、大嫌いな対象となるし、ピアノでクラシックばかり弾かれされたばかりに、クラシックそのものまで嫌いになることもある。
私自身は、いまだに後遺症を引きずる、不幸な出会いの方かもしれない。そんな私にとって、本書は、よく知っているはずのもののベールを剥ぐ、画期的な本だった。
ピアニストも、悶えているし、躍動している、そして、恋をしているようでもあるし、ピアノと、一体にもなり、そして、何より、心が飛び跳ねている。
本書を手に取り、ページをめくると、まず、目次からすごい。
フェビアン・レザ・パネの、帯にも引かれている言葉に、「気持ちいいと思える時間を、自分がどれだけ過ごしてきたか、ピアノを弾くと、それがすべて表れるのです」。
恋を知ってから弾いたピアノの音色が、自分の耳にも、違って聞こえたことや、文章においても、それは現れてくるものなのですよなどと、自分に照らし合わせて、対話してしまう。小山実稚恵の「『これだけ弾けます』ではなくて、『これだけ私は感じています』を伝えること。それができるのが、音楽の力」を読んでも、他の分野との共通点を感じずには、いられなかった。
他に、山下洋輔、矢野顕子、リクオ、国府弘子、三柴理、舘野泉、加羽沢美濃と、編集長の谷川賢作との対話によって生まれた会話体の文章、それぞれのピアニストの選ぶ、「20世紀のピアノの名盤」、そして、谷川自身の話と、大変読みやすく、かつ、深いところにまで手の届く本の作りになっている。
子供時代の周囲の子供たちとのやりとりも微笑ましいし、「音楽で食べる」に移行してゆく瞬間の、青年期の話は、読む者にも、びしっと力を送り込んでくる。
ピアノと出会ったこと自体は幸福だったとしても、「言葉」のほどは幸せになれず、それから、ここ数年は日常的な音楽の騒音に悩まされてしまった私でも、本書に載っていたピアニストの作品や、「20世紀のピアノの名盤」のCDを買いにゆき、10枚くらいいっぺんに買って、立て続けに聴いた。
まだまだピアノを聴くことが、習慣にならない私だけれど、本書には、大変感謝している。ピアノと別の出会い方をさせてくれた、それだけで、苦い思いが消えてゆく気がする。 (bk1ブックナビゲーター:片岡直子/詩人・エッセイスト 2001.04.10)