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紙の本
少子高齢化時代の私鉄サバイバル 「選ばれる沿線」になるには (交通新聞社新書)
著者 森 彰英 (著)
世情の大きな変化を受け、事業スタイルの変革を迫られる私鉄。取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャーが、定住化促進、子育て支援、学校誘致、宅地開発といった私鉄沿線の「まち...
少子高齢化時代の私鉄サバイバル 「選ばれる沿線」になるには (交通新聞社新書)
少子高齢化時代の私鉄サバイバル
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商品説明
世情の大きな変化を受け、事業スタイルの変革を迫られる私鉄。取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャーが、定住化促進、子育て支援、学校誘致、宅地開発といった私鉄沿線の「まちづくり」現場を歩き、その将来像を探る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森 彰英
- 略歴
- 〈森彰英〉東京都立大(現首都大学東京)卒。光文社編集者を経て、フリージャーナリスト。著書に「「ディスカバー・ジャパン」の時代」「東急の文化戦略」など。
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紙の本
沿線というよりまちに特化した本
2017/10/23 19:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
少子化時代では旅客需要が減少していくのが当然であり、鉄道各社は沿線の魅力を向上させて選んでもらえるように努めなければならない。しかし私は本書で書かれているような一般的な話ではなく、構造自体を変革させるべきなのではないかと思う。すなわち都心にオフィスがあり、郊外から通うというそのスタイルが、そもそも鉄道での混雑の問題に繋がるわけで、沿線で全てが完結するような、そんなスタイルを確立して欲しい。本書で最も興味を惹かれたのが二子玉川のオフィスである。完全な都心ではないこの地に楽天本社が移転し、それによって二子玉川のみならず、隣駅の二子新地も乗降客数が増加したようだ。このように沿線にオフィス街を誘致するというのが選ばれる沿線になる最良の方法ではないだろうか。
政策として都心に集まりすぎるのを防ぎたいのであれば、23区(とりわけ中央3区)での雇用数とそれ以外の雇用数での割合によって税率を変えるのも手ではないか。大阪から東京に本社を移転する企業もあり、東京でも中心部に働く場が集まりすぎているのはやはり問題がある。横浜・さいたま・千葉という首都圏の郊外や大阪・名古屋という都市圏、仙台・広島などの地方都市に本社機能を置くことはできないのだろうか。何も消費者庁の移転騒動で話題になった徳島などの田舎に移転せよというのではない。東京中心部以外にするのが良いと主張しているのである。そして東京中心部のオフィスには高率の税を課すのが良いのではないか。オフィスビルではなく、住宅などをむしろ都心部で増やしていくべきなのだろう。人は働く場に合わせて住む所を決める。都心に痛勤する文化を変えるべきだ。
定期旅客ではなく、観光目的での需要を狙うのは、そもそも観光資源がなければならない。本書で紹介されている事例では『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』の舞台となった秩父が、若者を観光目的で呼び込むことに成功したというものである。これも鉄道会社が狙ってできるものではなく、偶然のブームをうまく活かすことができたという点が素晴らしいものである。