紙の本
合わなかった
2018/09/24 07:19
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投稿者:ぷりしら - この投稿者のレビュー一覧を見る
実生活での食にはそう熱心ではないが、食べ物エッセイ(小説も)は好き。
自分の知らない食べ物や自分の好みではない食べ物について読むのも面白いことが多いのだが…この著者に関しては余りにも自分と嗜好が違い過ぎて、読み物としても合わなかった。
それと、完全に個人的なことだが、一人称が「あたし」の文章にはどうも抵抗がある。
小説の主人公がキャラの記号として「あたし」と言うのは気にならないのだが。
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詩人でもある著者の「食」に関するエッセイ。
流石、平松洋子、枝元なほみを友人にもつだけあって「食」に関しては面白い一家言を持っている。
また詩人ということもあってだろう、言葉を巧みに使い、食材、料理を表現する文章は普通の食エッセイとは一線を画す。
自身の生活してきた場所が日本以外にも社会主義末期のポーランドで生活、その後生活拠点はカリフォルニアで、現在は熊本とカリフォルニアとを往復する生活をしているという。ゆえにバラエティにとんだ「食」文化を体験しているとも言える。また本人も言っているが偏食であることもこのエッセイを独特のものにしているのかもしれない。
今までにない食エッセイで楽しく読めた。
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ウマし、めっちゃ面白し!
コトバを操るプロが書いてるんだから、もちろんウマさがバリバリ伝わってくるのだが、平松洋子と枝元ほなみが友人、という時点で「ズル過ぎるゾ」伊藤比呂美!
かつて平松洋子のエッセイを読み、どーしても「豚丼」を食べたくなったワタシが、北海道までは行けないので、生協の冷凍ものを注文。ところが、あっという間に家族に喰われてしまった過去がある。エダモンの料理は、毎日新聞にて毎週西原理恵子とともに美味そうに食べる様子を拝見している。
そんな食に関する雲上人と友人とは・・・
「カリフォルニア在住のおばさん」である著者が、夫亡きあと好きなものを食べている、その自由っぷりが羨ましくて仕方ない。
便利な世の中になったもので、気になる食材「マーマイト」などを検索しつつ読めるのも楽しい。
個人的に一番心惹かれたのは「おでん」。
同じころ、板橋のお隣、豊島区で生まれ育った私は「そうそう、そーなのよ!」と赤べこ人形くらいウンウン頷きたくなった。
軽やかで美味しいエッセイ、ついついいろんなものを口に入れながら読みたくなるので、読了後はちょっと太ってしまったかも。
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不覚にも伊藤比呂美さんの食エッセイ初めて…さすが詩人、食べ物への渇望、そして味の描写の見事さ。そして、こんなにも取り憑かれたように卵を愛する気持ちにも同意。卵ってなんでこわなに魔力があるんでっしゃろ
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熊本で老父と啜る卵ごはん。カリフォルニアで娘とほおばる分厚いパンケーキ。女として、妻として、母として東奔西走する詩人の食卓。
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面白かったぁ。
日本の料理はそのスナック菓子でさえ繊細で品があるらしい。カルフォルニア在住の著者が言うからまちがいないのだろう。アメリカのドーナツはくどく、しつこく、カロリーとういパンチが効いてるそうだ。
でも、けして否定しているわけではなく、日本に欠けているのは雑草めいた獣のような生命力だそう。
アメリカの甘いものにはそれを感じるそうだ。
それを食しているから国民性とも言えるのかも…。
鰻、クリームパン、あんこの和菓子、更科そばが好物。
でも、カルフォルニアに住んでいればふくよかになるのはもう風土病だとか、だよね。
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いわゆるグルメ的な食エッセイではなく、カッパえびせん
や魚肉ソーセージなどに言及する、半径3メートル以内の
生活に根ざした散文と言っていいと思います。
例えばポテチをサンドイッチに挟むと美味い、とかね。
著者は海外在住なので外から見た日本の食事事情の比較が
新鮮な内容に感じます。
何んとなく普段の何気ない食事にも工夫がしたくなる
一冊です。
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「食欲が湧く描写」という一点では村上春樹のエッセイが一番と思う。この本は食がテーマのはずなのに、どの話題からもみなぎる生命力が強過ぎて、食欲はスーッと引いていく。でも話そのものは面白い。かっぱえびせんやうどんなど、話題が身近で嬉しい。
短い話が大量で、茶を淹れる間とか人を待っている時に重宝した。さらっと読めると思ったらむっと迫るような生命の匂いが濃くて、胃がもたれそうな心地になった。唐突に涙がしみる一幕もあって油断ならない。
お人柄なのか、サバサバし過ぎな文章が時に読み辛い。
ハムサンドにクラッシュポテチは、本当に美味しかった。少し馴染ませてキュウリの水分でしとっと落ち着いた頃なんてもう……
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食に対する姿勢がファイティングポーズなんですよね。凌駕し取り込み貪欲にエネルギーに変換してゆく。比呂美さんはグルメではなく食の格闘家だなぁと思います。
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さすが伊藤さん。ウマし。名店のシェフの料理がどうウマいか書いてある本はいっぱいあるけど、これは店で食べたもの、自分で料理したもの(ここらがウマそうなのは、プロの書き手だから当然とも言えるが)、スーパーで売ってる袋入り菓子パン、インスタントラーメン、さらには公園に生えてるキノコ、咳止めシロップまであるんだから。
その食の幅たるや。高野秀行の『辺境メシ』とは違って、食べてる場所はカリフォルニア、熊本、東京だけなんだけど。
ミートソースにトマトを入れる前、牛乳を入れて「くつくつ煮込む」と「乳に煮られた肉がふんわりとなめらかになり、悲しいことに、滋味と深みがずっしりと加わる」(P62)。やってみたい。
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詩人である著者の食にまつわるエッセイ。
と言っても、著者の詩は読んだことが無い。自分にとってはこれが初の読書。
一言で言って、「オモシロ楽しい!」。
詩人ならでは?の、言葉を自在に選びつつニュアンスをぶっ込んでくれる! そのセンスたるや凄まじい破壊力だ。
小難しい言葉は使わない。
感覚に直接訴えかけてくる、根こそぎ共感させられてしまう。降参。心が久し振りにうひゃうひゃしてしまった。
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日経プラス1の料理本ランキングで紹介されていた中で、いちばん読みたかった本を選ぶ。
著者の軽妙な語り口が文章と同時に聞こえてくるみたい。
海外の食の違いに驚かされたり、もちろん日本の地域性にも。
いつか(しばらく先だ・・・)、それぞれの国に行って、ジャンクな食べ物に触れてみたい!
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あいかわらず勢いのあるエッセイ。
意外にも一人でレストランに入れない人。
努力の末に、いくつかは可能に。
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詩人らしく リズミカルで
軽妙な語り口
流石太平洋を股にかける女
パワフルですてき
今までの著作から
熊本か 再婚して住むカリフォルニアの
イメージが強かったんですが
実は生まれは東京下町なんですね
食の懐かしい話は
下町っぽくて驚きました
食の好みが合わなくても
美味しそうだなと思うエッセイって
すごいですよね
ごはんのお供にいい本です
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「美味しい」の表現や食感のバリエーションを増やしたいと思って読みました。
ただのグルメ記ではなく菓子パンや駄菓子などのジャンクフード、海外の庶民料理など、とにかく著者が好きなものへの想いを飾らない文章で綴ってあり、惹き込まれました。
「脂ぎった炒め汁がジューシィ」の表現は真似したいなと思いメモしました。