レビューアーランキング
先月(2016年7月)

レビュー

hontoに投稿された本、雑誌、電子書籍のレビューやレビュアーのランキングページです。丸善、ジュンク堂、文教堂の書店員のレビューも掲載しています。著名人のレビューも随時更新中です。

今週のイチオシレビュー

人魚の眠る家

人魚の眠る家 - 東野 圭吾(著)

やっぱり凄い

評価 4 投稿者:ゆきは - この投稿者のレビュー一覧を見る

東野作品はほとんど読破していますが、さすがにもうネタがないだろうって思っても、また次に凄い作品が。どれだけ引き出しを持っておられるのか…。
愛する我が子の不慮の事故、残酷な選択を迫られる夫婦の葛藤。そして狂気とも言えなくもない母親の行動。裕福だから出来ることとはいえ気持ちは痛いほどわかります。
私自身、愛する人に延命措置を行うのか…心臓マッサージは?と決断を迫られました。
悩みに悩んだ結果、出した答えは無理な延命はしないということでした。
きっと一生、これで本当に良かったのか…悩み続けるでしょう。
愛する人にはたとえどんな形であれ、生きていて欲しいと思うのも真実なら、楽にしてあげたいと思うのもやはり真実です。

私はずっと前から臓器提供の意志カードを持っています。自分の脳死後に誰かを救えるならと思うからです。けれども、主人は反対し続けていました。耐えられないと。

考え方は様々ですが、ラストは少し穏やかに読み終えることが出来ました。
さすが、です。

コズモポリス (新潮文庫)

コズモポリス (新潮文庫) - ドン・デリーロ(著),上岡 伸雄 (訳)

駆け抜ける青春21世紀版

評価 4 投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

いわゆるオンライントレードという仕組みにより、パソコンの前にいるだけで巨大な富を得てしまう人々が生み出された。エリックはその中でももっとも成功した男であるが、もちろんそれは幸運によるのでなく、彼が数字の中から現実を読み取る能力に優れているためだ。そして最新鋭のオフィスを構え、資産は莫大に増えて世間から注目される存在となる。しかし成り上がるのがまたたく間であったように、没落も一瞬のこと。生活実感をまったく持たないところで、人生の浮き沈みが演じられている。
その本人だけでなく、彼の周囲の人々も、結婚相手も愛人も敵対者も翻弄されることになるわけで、その絡みあいのドラマが描かれている。彼もそのブレーンも投機に関する異能の才を持っているが、それ以外は高めの自負心を除けばごく尋常な若者たちであり、精神的な脆さ、不安定さが彼らの地位を支え得るかは実にスリリングな興味と言える。チャートを通して世界の動きを的確に見極める能力に絶大な自身を持つ彼は、為替市場で「円」の下落を見越して買いに走ったが、なぜか円は上がり続け、彼は莫大な損失を蒙る。それは既に彼の動きこそが相場を動かす要因になっているという逆説を示しているのかもしれず、挽回不能な敗北の原因になるのかもしれないが、我々を取り巻く秩序が実は様々な予測不能な要因に依存していることを、むしろ示唆していそうだ。
クローネンバーグが映画化したとおり、彼の絶対の自信にも関わらず崩れていく世界は、ハイテク機器を装備したリムジンで床屋に行くという一日で、その容貌の一端を覗かせ始める。大統領の通過にともなって大渋滞するマンハッタンの街路を通過しながら、とりとめなく発散する彼の興味と、彼を襲って来る得体の知れない憎悪が次から次へと現れるのが、新しい世界秩序を端的に表している。果たして彼は金融ビジネスにおける賭けに負けたのか、それとも数値化できない世界の曖昧さを捉えきれなかったのか、表象だけを見ていては答は得られないのかもしれない。
次々と泡のように現れては消えていく時代の寵児たち、それぞれに主張があり、挫折もあるのだろうが、いずれ一瞬の光芒に過ぎない。たとえ世界の富の半分を所有したとしても、すぐに忘れ去られていく彼らの生き様のなんと蠱惑的なことか。金融とITの結合が進む世界で続々と生まれてくるであろう、モンスターでありながら平凡な青年でもある彼らは、まったく新しい生きるスタイルを持っているが、それは現代において我々みんなが辿る道筋でもある。

ふしぎな部落問題 (ちくま新書)

ふしぎな部落問題 (ちくま新書) - 角岡伸彦(著)

部落問題の現在

評価 3.5 投稿者:マサルさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

部落差別や解放運動が今どうなったのかがよくわかる本。

部落問題入門のようなところから始まっているので、あまり詳しくない人でも読みやすい。

ネット上で「どこが部落か」の情報が氾濫しているのが現在の状況である。

「誰が部落民か」は難しい問題で、差別反対を言うためには自分が名乗る必要があるにもかかわらず、差別を解消しようとするためにそれをなくすべきなのか、残すべきなのか「ふしぎな」ところが、他の差別反対の運動と違うのだという。

部落解放運動も今、変化の時を迎えている。この本では、今までの運動の反省から未来の方向性を模索する若い人たちの姿が描かれているのがいい。

橋下元大阪市長の週刊朝日問題についても、取材に基づききちんと批判し、映画『にくのひと』の上映拒否問題にしても、支部の態度を鋭く批判している。

私も角岡氏の考えに同意する。

解放同盟の中から、この本の指摘を受け止め、新しい《解放運動》を生み出す若い世代が出てくることを願う。

よく書けた本だと思う。

書店員レビュー 丸善・ジュンク堂・文教堂

丸善

書店員レビュー

ねこのほそみち 春夏秋冬にゃー
堀本 裕樹 (著)
猫で詠む日本の四季

丸善 天文館店店員

すばらしきかな人生−ふたたび友郎− 1 (ビッグコミックス)
北原 雅紀 (原作)
人生やり直し

丸善 天文館店店員

オニのサラリーマン
富安 陽子 (著)
サラリーマン(オニ)

書店員レビュー一覧を見る

ジュンク堂

書店員レビュー

妖怪プログラミング アルゴとリズムの冒険 しっかり考える小中学生の本格プログラミング システム界は大混乱の巻
宮嵜 淳 (著)
プログラミングを学んでみませんか?

ライオンはとてつもなく不味い
山形 豪 (著)
※グルメ本ではありません

異世界居酒屋「のぶ」
蟬川 夏哉 (著)
王道でもあり邪道でもある不思議なグルメ小説

書店員レビュー一覧を見る

文教堂

書店員レビュー

ボスの遺言 昭和四十九年、人間ロケットで富士山を飛び越した男
西村 眞 (著)
赤坂に実在した、あの火災で・・・

書店員レビュー一覧を見る

著名人レビュー

「哲学からサブカルまで」書評一筋半世紀、読書人のレビューをhontoで紹介!
「哲学からサブカルまで」
書評一筋半世紀、
読書人のレビューをhontoで紹介!

「読書人」は、いわゆる知識人階級だけでなく、市井の読書層まで含めた「日常的に読書をたしなむ人々」の意味をもつ中国語に由来します。文学・芸術、学術・思想から一般書、サブカルチャーまで幅広く、文化界の最新トピックスを、第一線の研究者や著名作家による定評ある署名入り書評と、巻頭のロングインタビューや対談、座談会などで詳細に紹介します。署名入り書評掲載点数は日本一で、創刊1958年の伝統ある新聞です。


マンガHONZ×honto
読みたい本が、きっと見つかる!

マンガHONZとは、毎年数多く出版されるマンガの中から埋もれている良著をそっとすくいあげ、世に広く紹介することを目的としたサイトです。マンガを心の底から愛する、厳選された読み手が、心からお薦めできるマンガだけを選び抜き、紹介しています。 緻密に描かれたマンガ、個性が光る著者。独特の視点から選び出したマンガリスト、編集者やマンガ家自身など作り手による思いなども紹介していきます。マンガの世界をご一緒に楽しみましょう。

著名人レビューやインタビューの一覧を見る

レビューの書き方 あなたもレビュー書いてみませんか?

レビューは商品ページまたはMy本棚から投稿できます。

商品ページからレビューを書く

1. 商品ページの「レビューを書く」をクリック

2. レビュー・評価ページで「ニックネーム、タイトル、内容、評価」を入力すれば完了です

My本棚からレビューを書く

1. My本棚の「レビューを書く」をクリック

2. レビュー・評価ページで「ニックネーム、タイトル、内容、評価」を入力すれば完了です