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タヌ様さんのレビュー一覧

投稿者:タヌ様

234 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

比類なき一冊

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まれな一冊。こういう本が書ける方は心の持ちようを知っている。
思い煩う暮らしの中で、感じることができなくなっている、静かに流れていく季節の時間。
時を刻んで流れゆく自然の中に生きるわが身を知ることができるのが茶道をたしなむことである。見事なほど静かに文章が流れる。

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紙の本

紙の本危機の二十年 理想と現実

2015/10/10 04:34

必読の国際関係論

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

英語の副題は国際関係論入門であり、まさにそのとおりである。第一次大戦後に書かれたものであるにもかかわらず、現代国際関係論入門であっても十分通用する。
 80年前に書かれたテキストながらいまだに人と国のやりとりになんとかわりのないことか。
 ジョセフ・ナイのテキストでもツキディデスが必読とされるように、私たち人類は2000年の間、技術革新で変わった部分もあるけれど、人間たるものとしてのやりとりになんにも変りはない。進歩だの変化だのとは別の人間性があるんだと。
高校の世界史授業すこしやってないと理解が浅くなるのが前提知識。ただ中途半端な入門書とは比べ物にならない名著。

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紙の本

紙の本レトリック感覚

2015/11/08 09:42

本を読むときに思い出すことになる貴重な本になるだろう

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

決して難解な本ではない。
すこし諧謔的な脱線も織り込んであり、スムーズに読める本である。
そして著者のオリジナリティの視座が存在する著作なのである。
長きにわたるロングセラーであることも頷けるものであった。買って損はないし、ふと参照したくなる座右感もある。
 レトリックというから口頭表現から生じた文章表現という展開で、まさにアリストテレスの読んだけどさっぱり使いこなせない弁論術と詩学の二作をこんな風に汲みとるんだろうなと、そんなことを思わせてくれたはじめての本だった。
 こういう分野が存在することも理解していなかったけど、落ち着いて文書を読みとくそんな作業を手助けしてくれるありがたい本ではないだろうか。

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紙の本

梅原先生はカリスマである

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

神々の流竄という本があった。、出雲王朝などないの大胆な仮説展開を、その後の考古学上の発見を踏まえ、撤回されたもの、という認識で読んだ。カバー画に健啖なご本人がしっかり写っておられ、いやはやお元気なという印象である。
 著者の神話と遺跡の距離の大きさを雄飛するかのようなまことに大胆な構想を持ってつなぎ、独自視点で語りまくるのが著者の真骨頂である。必ずしも裏付けが確保されていないということがあっても、自分はこう思うのだと、剛速球をぶん投げてくる方はまことに珍しく、壮快ですらある。そうカリスマありなのだ。学者なんかを超えたのだ。
 今回のように修正本を生前に出されることは悪いことではあるまい。りっぱだ。賛否も当然ある仮説。でも何が悪いと。影でこそこそ言って表では黙るよりも、人々に面白さをしっかり伝えてくれている。

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紙の本

紙の本沈黙 改版

2015/09/30 22:19

世界に通用する一冊

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本人の手によりここまでのキリスト者の本が存在することはキリスト教と無縁の私には脅威的である。
遠藤氏のきりっとしまった文体が、ストーリーと重畳してすさまじい緊張感を与える。息詰まる展開と救いの無い慙愧。ここまでの話を読むことになるとは。
日本語以外の翻訳もある国際級の一冊であり、読むべきでしょう、これは。

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紙の本

紙の本本居宣長 改版 上

2015/08/31 09:46

小林秀雄の想い

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

以前、単行本を買って玉砕したものである。これが小林秀雄の著作なんだと思うような導入の記述であり、モーツァルト、オフェリア遺文なんかの鮮烈な読後感を覚えている私には、当時あった疑問符つきの書評でなんとなく自分を慰めて積ん読書になってしまったものだった。
20年くらいったったんだろうか、再チャレンジである。あえて二カ月かけた。必要なら古語辞典、古文研究法までひっぱりだして長々引用される本居宣長の原文を読解する努力をしてみた。
導入の迂遠なる記述感は変わらない、ただ引用する宣長の原文のきらめき感がなんとなくわかった。
でもなぜ小林秀雄が手の内を語るように書きつづるのか。なんでこういう書き方なんだと。
今思うのは、彼が読むこと、理解することてゃ作者の魂にふれることなんだよ、ただひたすらそのやり方を読者に伝えたがっているのではないかなと、そして去っていったのだと。
その思いがつまった一冊だったのだなと。

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紙の本

紙の本ニコマコス倫理学 上

2015/10/22 09:56

優れた訳で意味をおえる

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アリストテレスの著作の中ではかなり読みやすいものである。
だが、なんどもこのレビューにトライしてくじけている。たやすくまとめて済ますのはやってはいけない作業と思える基本書であり、これが読み通せなければアリストテレスの他著作は駄目だと思う。よって格闘しつづけるに値するとおもうのだ
細かく二回読んだ。訳はとても日本語になっており分かりやすい。訳者の注は原語と対応する日本語彙の捉え方としても必ず頭に入れておくべき。
 それにしても古代ギリシャ語から日本語に訳する作業とはどれほど大変であったのだろうか。たとえば善や徳を対応させたりするのにも、どれほどの考量をしているのか、注釈を含め読み返すとその営為が見えてくるのである。
 これほどのギリシャ哲学の翻訳を確立した先人頭が下がる思いである。

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紙の本

紙の本羆嵐 改版

2015/09/10 08:35

人は獲物と化した

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

うー、すさまじいでかい熊である。人の頭なんか熊の手より小さい。口には軽々ぱくっと人の頭が入るだろう。記念館の写真をみれば唖然とする。
明治から開拓に入った多くの人たちは北海道の原生なる野生に立ち向かったわけであるが、彼らの聖域に結果入り込むことになり、熊にとっては獲物なる人間と化してしまった。抵抗とかなんとか、これは無理だ。
とても途中で投げ出すことができない戦慄であり、ざぁーと読み終えたい読書となるんだが、後でまた、まてよあそこで誰がどう生き残ってどうなったのか、恐る恐る読み返してしまうのである。生きたまま噛み砕かれる人の骨音が聞こえてくるのである。
知床のように遺産として保護されるのではない日本にまだ人の及ばない原生の野生があった時代。

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紙の本

紙の本思想の中の数学的構造

2016/02/24 07:56

強靭なる哲学思考力に打ちのめされる

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

山下正男氏は世の中にあるものの論理構造を数学で捉える方である。哲学者の思考とはかようなものまで及ぶのだと、その数学的なる論理構造を教えてくれる。
 西洋から東洋までなら共感魔術から易、古代から現代までならエジプトからブルバギまで。生成文法から複式簿記までの構造把握である。際限のない貪欲な博学多才はため息が出る。
 私が手に取ったきっかけはレヴィ=ストロースの群論構造を知りたいだってけど、はるかかなたまでの気分、読み終わったと言えるか自信が無い。到底、凡人には押さえきれない範囲だろう。そして思考することの強靭さである。久しぶりに恐れ入った。機会をとらえ何度か読みたい。

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紙の本

紙の本わたしの哲学入門

2015/10/10 00:52

碩学が先輩として語る入門道しるべ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

沈思黙考する威厳のあるタイプが典型哲学者イメージぶち壊してくれる。
食うや食わずの戦後をしゃにむに生きて、哲学に出会ってこれもむくむくと立ち上がるように哲学専攻に舵を切り学んでこられた方である。
けれんみなく語ってくださ。、造語的な難解な哲学用語が必要だったのは西洋哲学導入の過程創られてきたからで、著者もやはり根っこのギリシャ形而上学まで遡りたどらざるを得なかったんだなんて感じである。
わたしの哲学入門のタイトルどおりの内容、よくある概説程度の入門ではない。こうやってこんな風に勉強してきたんだと先輩が手触りの感触で入門をさせてくれる。

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紙の本

紙の本やっぱりおおかみ

2015/09/13 08:11

成人した息子へのプレゼント

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いい年をしてまだ絵本で驚愕するとは思わなかった。これはすごい、自分の個性が受け入れられない時に完全と一人立つオオカミの強い姿。
まさに子供の世界で、いろんな思いをして、ある日決然とである。
息子が小さい時にこの絵本が大好きと語ったのはもう二十年近く前のこと、ある日フッと手に取り思いだすことができた。当時はまだ子供にはこういうのはどうなんだろうかねと、思ったものだが、今はわかるのである。こういう思いの一瞬があることを、それは大人、子供関係なかったんだねって。つくづくとである。
誕生日プレゼントに大きくなった、いやもう成人した息子に送った。あのときの君のこれが好きといった気持、今わかると。

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紙の本

紙の本わが萬葉集

2015/09/10 09:22

万葉人の想いが伝わる濃密な一冊

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本浪漫派の保田氏は戦後追放にあい、著作も大手出版社からは消えてしまっちていた。文春学芸ライブラリーに収録されてやっと手軽に読めるものとなった。江藤淳氏の戦後の言語空間の世界である。
著者はまさにこの万葉の里の出身者であり、このまほろばの地に感情を織り込むように風土に根付いた和歌を誠に濃密に語り続けるのである。
これを皇国史観とか言う人もいたのだろうけど、万葉の時代の歌人には疑いの無い和歌を詠じる発心であり、寄り添い語る著者は時代を超えて私たちにその心を伝えてくれているのである。
虚心に万葉を味わうことを、あふるる情念を持って後世に残された著者の思いが伝わって来る。

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紙の本

初心者に丁寧に

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ここがわかってくれないと情報理論の基礎がゆらゆらしてしまいます。そこを誠に丁寧に噛み砕いている。著者は初心者や大学一年生に噛んで含める教え方にかなり努力されたのであろう。
この分野のかかる業務についていたりすると、若い人や門外の人に二進法からの基本的説明を聞かれると、やはり少し詰まるのである。
実務的に慣れ過ぎたIT分野の人は、回路の中で実現されている言語よりも電気のオンオフが信号になり「シャノンの定理」にいたる基礎論を思い描くことは少ないけど、知っておいてほしいし、ここから始めてほしい、そういう入門書になっている

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紙の本

紙の本指導者とは

2015/09/02 07:39

見事な指導者の筆

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは驚くべき傑作である。
ニクソン氏は米国大統領として残念な政治キャリアの終り方をした方で、大統領選においてケネディと比較された「テレビ映りの政治」の始り時点から、どこからか印象のよろしくないかたである。ニクソン氏が毀誉褒貶にとむ政治キャリアのなかで、このような一冊を書きあげていたことは知られていたが長らく絶版で入手困難であったものをよく文庫で復刊してくれたものだ。
翻訳も妙手であり、読みやすい。
明瞭、大胆に世界を動かす政治家とは、どうあるべしか、国の指導者になった人たちは如何に決断しているかを、その一翼を担った人がここまで書きあげる力量があることをはっきり示したいる。
自叙伝はどこか生存者や故人の名誉を慮って曇る。オーラルヒストリーはその限界を取り除く試みだろうけど。それ以外ではまことに貴重な語りである。指導者の悩み、意志、国を動かす振る舞い。決然たる指導性が描かれる。一人称視点はまったくぶれない。資料や結果の是非、アト知恵の限界を論評する政治学では不可能な筆である。

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紙の本

紙の本梁塵秘抄

2015/08/31 10:31

丁寧かつ分かりやすい

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

遊びをせんとや生まれけん、というフレーズに魅かれ、日本の中世での歌謡を少し理解したいと思い、いくつか出版されているなかから本書を選択した。
書き下し文と現代語訳の組み合わせで編集されていることがポイントだった。現代語訳はこ日本語としても十分味わえる洗練度であり、注釈のレベルも再検索するような不親切なものではなく丁寧に、きっちり編集されている。これは編者のお人柄がでているつくりであろう。よき人をえたものある。
仏教関係の歌が多くそういうそうい時代であったことへの理解、そして日本の各地で歌われた拡がり、生業や恋愛の歌など、幅広く編纂した上皇の貪欲さを空恐ろしくすら思った。

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