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鈴木クニエさんのレビュー一覧

投稿者:鈴木クニエ

11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本

「なぜ間違えたのか?」「何がわかったか」の重要性

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本来は高校生向けの本だが、大学生でも社会人でもきっと「あー、そうだった」「なるほど」と、振り返ったり納得したりしながら読め、かつ現在の生活に役立つだろう。特に、教える立場の方々はジャンルに関係なく、ぜひ読んでいただきたい内容だと思った。
 著者は、もともと理系の勉強をしたくて大学に入ったものの、大学での数学がわからなくなったという経験を持つ。それだけに「わからないということ」への関心が、「わからない立場」への理解とともにある。そうした背景に加え、10年以上、地域の子どもたちの学習相談に乗るという活動を通して、「人間の学習についての研究」を続けている。

 冒頭の単位換算の話を紹介しよう。小学5年生のK子ちゃんは「20平方メートルは何平方センチメートルか」がわからない。2000平方センチと書いてバツ。では1平方メートルは何平方センチかという問いに、「100平方センチ」と答える。理由は、1メートルは100センチだから。
 問答は延々と続く。が、けっして「1平方メートルは10000平方センチなんだよ」とは教えない。「1平方メートルってどういうこと?」「1メートルと同じ?」「1平方センチは?」と、一つずつ一緒に考えてみる。しかも、途中で図まで描く。そうしてやっと100×100にたどりつき、10000平方センチがでた。しかもそこで勉強は終わらないというのが、著者の立場だ。「なぜ間違えたのか」「何がわかったか」まで自分で納得できるところまでいって、「わかってよかったね」となるのだ。

 こうした問題解決への姿勢こそが暗記した内容以上に大事だということは、往々にして年をとるとわかる。が、せっかくこういう本があるのだから、先達のアドバイスとして利用させてもらえばいい。何も効率の悪い時間をわざわざ過ごす必要はない。一言加えれば、年をとってからも利用させてもらえる内容だった。
 例として登場するのは、英語、漢字、歴史、理科、小論文など多岐に渡るが、現実的に相談内容が多い数学の話が割合としては高い(それだけ数学は嫌われているのだ)。が、数学だけに留まる分析ではないので、ほかの分野へも応用は十分できる。

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紙の本

紙の本日本語のしくみがわかる本

2001/01/31 12:14

『日本語練習帳』の次には、この本を読むべき

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 帯の「愛娘に『言語学者なのに、こんなことも知らないの?』と言われたことがきっかけだった」という言葉がふるっている。愛娘は中学生。要は、中学の国語で習う「国文法」が「こんなこと」だ。対する著者である父親は新進気鋭の言語学の専門家なのに。
 帯の結びには「現在の日本語文法どこが間違っているのか、またなぜおかしくなったのか、その実体が、えらく軽い口調で(笑)明かされる」とあるが、まさにその通り。文章を読んでいるのではなく、著者の語りを聞いているかのように思う本だ。
 具体的には、「文節」の橋本進吉、「入れ子型構造」「言語過程説」の時枝誠記、『日本語練習帳』の大野晋が、哀れな(?)まな板の上の鯉となる。
 文節でつまずき、その後、国文法に恨みを持ち続けた私は、本書に書いてある内容に「そうよ、そうよ、そうなのよ」と大きな声で叫びたい。「なんでここが文節で、こっちは違うんじゃぁぁ!」と切れたクチのご同輩、必読ですぜ。著者は文節の定義を詳しく見直し、結局、トートロジー「文節とは、文節である」としか言っていないと喝破する。そんなもんがテストに出て、そんなもんで成績つけられていたのか!
 岩波新書の大ベストセラー『日本語練習帳』もそれはそれで面白いが、著者からすると「ちょっと待った」という箇所がいくつかあった。『日本語練習帳』で言葉に興味を持った人ならば、ぜひその次にこの本を読んでみてほしい。「は」と「が」という日本語最大の難関には、当然、いろいろな考え方があるのだ。
 第3章は、著者の専門が前面に出ている。『生成文法がわかる本』という著作もあるように、著者はチョムスキーが提唱した生成文法に詳しい。本書ではチョムスキーのチョの字も出てこないが、いかにも生成文法的な解説かなー、という印象をもつ。
 最後に。「夫は浮気をしているに違いない」と「夫は浮気をしているはずだ」の違い、わかります? 「に違いない」と「はずだ」の違いが本書の最後のトピックです。

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紙の本

紙の本発掘捏造

2001/08/01 13:09

2000年11月5日毎日新聞朝刊、あの衝撃をもう一度

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 去年の11月5日、私は朝刊を見ることなく出掛け、夕方帰ってきて朝刊を開いて、驚愕した。「なに、これ?」。いまでも覚えている。テレビをつければ、黄色いパーカーを着たままうなだれる藤村氏の姿があった。確実に久々にゾクゾクするようなスクープだった。
 本来重要なのは、この事件が起きた考古学研究の問題点だ。それは第1章の「スクープの背景」と第4章の「報道の影響と課題」に関係する。この後にあふれたいろいろな検証や反省が今後どうなっていくかを見つめ続けなければならない。

 たしかにそうではあるが、やはりこれだけの大スクープの裏側を描いた2章と3章が、この本の真骨頂だ。警察だけでなく記者さんも好む単語「端緒」から、取材チームを組んで対象を追い続ける物語は、調査報道という「ジェットコースター」に同乗しているようだ。
 途中、非常にマヌケな失敗(と不運)で決定的な場面を取り逃がし、その後の発掘現場で再び決定的瞬間をおさえるまでのあれこれ。まさに『プロジェクトX』ばりにどん底からの復活劇が描かれる。
 考古学研究の問題としてではなく、ジャーナリズムという観点から読んでいてスカッとする本だ。

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紙の本

教える内容の如何に関わらず読んで損はない

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 「生徒のS台、講師のYゼミ、机の河合」。私がまさに受験生だった頃、こう言われていた。実際、東京・千駄ヶ谷にある河合塾の校舎は美しかった。それにひきかえ、御茶ノ水のS台予備校の本部校舎は…。
 その「机の河合」が「なんだかおもろいことをやっている予備校だったんだ」と気づいたのは大学卒業後。S台の名物講師たちにも惹かれるけれど、河合は予備校をあげて「なんかヘンなこと」をやっている。受験に直接は結びつきそうもない講演会や研究会を数多く開き、いまや大学の入試問題作りを請け負う予備校である。
 そんな河合塾の教育本部長が書いた本書は、とても面白かった。大学入試に出題される悪問を切り口に日本の教育事情の一断面を率直に明らかにしたこの本は、「教える」ということに関わる人びとにとっては広く有益だろう。
 まず、教育には、「教える」ことと表裏一体で「評価」「選抜」がつきまとう。大学入試はその評価や選抜の一つの現れだ。どういう評価がより有効なのか、そもそも評価とはどういうことなのかといった点で考えさせられる。実際に河合塾が模擬試験などを通して実践してきた内容や考え方は、そのまま他の「評価」や「選抜」でも応用できそうだ。
 特に「抑制がきいている」ということをきちんと考慮に入れる視点はハッとした。良い問題を作っても、実際に問題に取り組む受験生がどういうレベルかによってその問題が「良い問題」として機能するかどうかは変わってくる。そういうことまで考えて出題できるかどうか。
 もちろん「教える」ことそのものについても、教え方が収入に直結する待ったなしの生活をしている講師たちの積み重ねがそこここに紹介される。生徒のニーズや状況を捉えることの重要性は、教える内容の如何に関わらず、まず一番にくる事柄なのだ。

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紙の本

これぞエッセイ!

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 読み始めて少しして、「ああ、ほんとうのエッセイというのはこういうものだったんだなぁ」と感じた。そしてまた、「教養というのは、本来こういう人を表現するための言葉なのだろう」とも感じた。
 そもそも、身辺雑記にすぎない日本人の多くの“エッセイ”なるものと比べるのが、著者グールドに対して失礼なことだったか…。
 1994年の日食のとき、ニューヨークの見知らぬ人たちの間に発生した日食観察共同体をグールドはみていた。そのトピックを彩るのは、ガリレオであり、フラクタルであり、聖書であり、科学教育への批判であり、聖フランチェスコが太陽を賛辞した詩なのである。わずか12ページの一編のなかにこれだけの話が無理なく盛り込まれているのだ。
 上巻に収められている16編どれも読み応えのあるものだが、個人的にはぜひ5章をたくさんの人に読んでほしい。典型的なモンスター映画であるハリウッド式「フランケンシュタイン」と、その原作であるメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』との乖離を指摘し、多くのフランケンシュタイン映画でそぎ落とされてしまったものを丁寧に見つめ直している。原作で描かれていたのは、映画で植え付けられた「テクノロジーの危険性への非難」でもないし、「自然の秩序へ逆らおうとした過大な野望に対する警告」でもなかった。原作からグールドが読み解いたものは、単純化してしまいがちな「氏か育ちか」という見方そのものへの批判だった。
 もちろんご存じの方にはグールドらしい展開ではある。しかし、グールドの専門である生物学を超えて、だれの心の中にもあることがらを改めて気づかされた。
 もしこのエッセイを形容する言葉を選べといわれたら、私は「豊饒」という言葉にしたい。

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紙の本

紙の本サイエンス21

2000/10/07 09:12

目次

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前書き
 第1部 ヴィジョンズ
第1章 物質、生命、知性の振り付け師

 第2部 コンピュータ革命
第2章 姿の見えないコンピュータ/第3章 インテリジェント惑星/第4章 考える機械/第5章 シリコンを超えて−−サイボーグと究極のコンピュータ/第6章 もう一つの考え−−人間は時代遅れになってしまうのだろうか?

 第3部 バイオ革命
第7章 個人のDNAコード/第8章 ガンを克服する−−遺伝子を治療する/第9章 分子医学と精神と身体のつながり/第10章 永久に生きるのか?/第11章 神を演じる−−デザイナー・チルドレンとクローン/第12章 もう一つの考え−−素晴らしい新世界の遺伝学?

 第4部 量子革命
第13章 量子の未来/第14章 星に到達する/第15章 惑星文明に向けて/第16章 空間と時間の支配者

訳者あとがき
解説
機関/企業索引
人名/文献索引
事項索引

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紙の本

目次その1

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<目次>
訳者まえがき
読者のみなさんへ
ロシア文字とギリシア文字
主な数学記号一覧

   〜〜数学の歴史〜〜
古代の記数法
 古代エジプト人の象形文字記数法/ローマ数字/その他の象形文字記数法/アルファベット記数法/六十進法(バビロニアの)記数法/マヤ族の数え方と数字/位取り十進記数法
エピソード
 数詞は語る/数字の歴史から

 〜古代オリエントの数学〜
古代エジプト
 最初のテキスト/計算方法/ピラミッドの国の幾何
メソポタミア
 バビロニアでは問題をどのように解いたか
古代中国
 算術/代数と数論/幾何
エピソード
 四角形の面積公式について/円周率πの最初の近似値はどのようにして現れたか/六十進法はどのようにして起こったか/バビロニア人は2次方程式をどのように解いたか/ピタゴラスの定理になる問題

 〜古代ギリシアの数学〜
タレスと最初の証明
ピタゴラスとその教団
 算術/幾何学/天文学と和声学/無理数の発見
幾何学的代数と無限の概念
 無限についての理解
ヘレニズム期と古代ギリシアの末期
 古代ギリシア数学その後の発展
ユークリッドの『原論』
アルキメデス
ディオファントスの『算術』
エピソード
 テアイテトス/ゼノンの逆理/ローマ測量士たちの幾何/ユークリッド『原論』の内容

 〜中世とルネサンス〜
中世のインド
 インドの計算/代数と数論/幾何/三角法
東アラブ諸国
中世のヨーロッパ
 中世前期の数学の著作/《12世紀のルネサンス》と幾何学/計算盤上での算術/数学と運動学
ピサのレオナルドとのその時代
ルネサンス期.輝かしい諸発見
 秘密の公式/虚数の出現
文字記号の起こり
 未知量のための記号/中世ヨーロッパの数学者たちの代数記号/最初の文字計算
エピソード
 アル・ホレズミ/ウマル・ハイヤーム/古代ギリシアの哲学者に反対した中世のスコラ哲学者/絵画と幾何学/ルカ・パチョーリ/ニッコロ・タルターリャ/ジェロラモ・カルダーノ/フランソワ・ヴィエト/ファン・ローメンの学問的挑戦

 〜新時代〜
解析学の形成
 解析幾何学/対数の発見/面積の計算/関数の級数展開/曲線に接線を引く問題/微積文学の創造,ニュートンとライプニッツ
理想的な数学者−−レオンハルト・オイラー
19世紀.抽象性の獲得
 ガウス,アーベル,ガロアの発見/《仮想の》幾何学/クラインの《エルランゲン・プログラム》
ニコライ・イワノヴィッチ・ロバチェフスキー
20世紀
 世紀の変わり目/数学の学派/20世紀の数学の動向/数学と物理学/数学と軍需産業/数学と科学的世界観/いくつかの数学の問題とその解決

   〜〜数〜〜
 〜算数の基礎〜
位取り記数法
 二進記数法/任意の底の位取り法
大きな数の呼び方
四則演算
 足し算と引き算/掛け算/割り算
割り切れるか割り切れないか
負の数
パーセント(百分率)
累乗と累乗根
平均値
エピソード
 はかり分けの問題/キロバイトはいくらか/ダースの数え方/
中国の石取りゲームとフィボナッチ数/宇宙の砂粒はいくつか/《巨大な数》/アル・ホレズミのインド計算法/昔の寓話から/根号はどのようにして現れたか/平均値の作図法

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紙の本

社会生活面での権利も確立を

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 やはり少し続けておきたい。
 96年に流れた「埼玉医科大学で性転換手術承認」のニュースは、衝撃的だった。テレビ各局もかなりの時間を割いたが、なかでもTBS『ニュース23』はこれまでの性転換手術の様子まで取材を行っていた。従来のアンダーグラウンドで手術を行う医者が、患者を罵倒する声が流れる。「文句言うんだったら、やらないよ」といった脅しともとれる言葉を言われながら受ける手術は、どれだけ屈辱的で辛いだろうか。過去に性転換手術を行った医師が優生保護法違反に問われて以来、そういう状況が続いてしまった。しかし、埼玉医大のようにきちんと検討し、心と体の性の不一致に悩む人々が(必要としているならば)正当な治療を受けられ、患者としての権利をもてるようになってほしい。本書によると、性転換手術という言葉も、最近は「性別再適合手術」と呼ばれ始めているという。本来的な表現が使われるのは喜ばしい。
 私は、女の体を持ち、自分を女だと思い、男に惹かれる。圧倒的なマジョリティに属す。しかし、なぜ自分を女だと思い、男に惹かれるのかは、不思議でならなかった。無自覚でいられるマジョリティだからこそ、自分たちの性について自覚的に問い続けたい。また、私を含めた社会が、どれほどの負担をマイノリティに強いているかについても。
 男女の性には、少なくとも[生物学的性・性自認・性指向]の3つの軸があると、私には思える。その軸の上でグラデーション的に、性が位置づけられる。決して二項対立ではない。一般的になっているとはまだいえない、この性の問題が、本書や関連書を通じてせめて知識としてだけでも知られてほしい。そしてできれば、少しでも理解を得られるようになってほしいと願う。単に医療的な措置だけで完結しないからだ。二分法で性別記載される戸籍の問題、就職の問題などが課題として現在も残る。医療面同様、重要な課題である。性分化の仕組みや医療面について詳しい本書とあわせて、伏見憲明氏や虎井まさ衛氏の著作なども読んでいただきたいと思う。

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紙の本

84人の科学者は…

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 「84人が誰かは本でお確かめあれ」とも思ったが、やはりリストを出しておこう。どういう人かは本書でどうぞ。ちなみに、各人について著者が改めて調べ直してまとめているので、これまでの伝記や略伝と異なっている解説も多い。正確性をあげようという著者の態度には敬服する。−−さぁ、84人、どうぞ。全部わかれば、間違いなく「科学者」博士だ。
●古代・中世:ターレス、ピュタゴラス、デモクリトス、アリストテレス、テオフラストス、エピクロス、アリスタルコス、アルキメデス、エラトステネス、ルクレチウス、大プリニウス、ヘロン、プトレマイオス、アル・ハイサム、R・ベイコン
●1400〜1500年代生まれ:レオナルド・ダ・ヴィンチ、コペルニクス、ギルバート、サントリオ・サントッレ、ガリレオ・ガリレイ、ケプラー、ハーヴィー、デカルト
●1600年代生まれ:ゲーリケ、トリチェリ、パスカル、ボイル、ホイヘンス、レーヴェンフック、フック、ニュートン、カメラリウス、ヘイルズ、レオミュール
●1700年代生まれ:フランクリン、リンネ、トレンブリー、スパランツァーニ、インゲンハウズ、プリーストリー、ガルヴァーニ、F・W・ハーシェル、ラヴォアジェ、ヴォルタ、ランフォード伯、ドールトン、ヤング、アンペール、マリュー、アヴォガドロ、ガウス、エールステッド、デーヴィー、ブルースター、フラウンホーファー、フレネル、オーム、ファラデー
●1800年代生まれ:ホイートストン、リービッヒ、ダーウィン、シュヴァン、ジュール、フーコー、メンデル、パストゥール、ファーブル、カニッツァロ、マクスウェル、ノーベル、メンデレーエフ、堀内利国、レントゲン、エジソン、モホロビチッチ、エイクマン、長岡半太郎、モーガン、キュリー夫人、ライト兄弟、ラザフォード、アインシュタイン、ウェーゲナー、フリッシュ
 以上。ちなみに法学部出身の同居人は84分の40だった。

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紙の本

紙の本小森陽一ニホン語に出会う

2001/06/03 17:04

意識的に言葉を捉えたコドモの記録

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 「漱石」研究などで知られる東大教授の小森陽一氏は、子供時代、日本語が「敵」だった。日本近代文学専攻なのに何故と思うと、小森氏はまだ「帰国子女」という言葉がないころの「帰国子女」だったのだ。必然的に、文化や社会の貼り付いた日本語と闘わなければならない。
 その闘いの記録である本書は、土着の言語環境で育てば意識しないだろう言語習得の過程の意識化が綴られている。小学校低学年で旧チェコスロバキアのプラハへ。プラハで通った学校はソビエト大使館付属のロシア語学校。授業はすべてロシア語だ。家では日本語、街ではチェコ語、学校ではロシア語で暮らしながら、言葉にかなり神経を集中させて情報獲得する癖がついたという。
 小学校6年になって日本に戻れば、そこにも言葉の障壁があった。小森君が話す日本語は文章語だったからだ。友だちには笑われる。「日本語は言文一致じゃない」と身をもって感じた彼は、再び言葉に注意を傾ける。
 その後、中学・高校から大学教員になって小中高校の国語授業を引き受けるまで、時系列に続く。段々と「国語」という問題がメイントピックになっていく。
 無自覚に話すこと/聞くことを身につけてしまったために、自分の鈍感さが悲しい。コミュニケーションの道具として使われる言葉に、言葉以外も含めてどれほどの情報を持たせているのか気にし続けるのは不可能に近い作業だ。だから小森氏の辿ってきた言葉の歴史を読むことは、自分の言語環境を振り返るきっかけになる。
 後半はまさに国語教育の問題。「段落わけ」では私も同じように苦しんだ。30字以内で書く「主人公の気持ち」に唯一の正解がある不思議さ。国語への恨みは共通だ。気楽なタッチで一気に読んでしまうけれど、何気なく通り過ぎてしまった事柄に気づかされてドキッとすることも多かった。
【目次】
第1部 日本語に出会う
 第1章 ことばとの出会い(東京・プラハ/小学校時代)
 第2章 帰国してから(東京/中学校時代)
 第3章 ことばの実践としての政治参加(東京/高校時代)
 第4章 「国文科」進学(札幌/大学時代)
第2部 日本語と格闘する
 第5章 アルバイト教師時代(札幌/大学院生)
 第6章 日本文学を教える(東京/大学教師)
 第7章 アメリカで日本語と出会う(カリフォルニア/客員教授)
 第8章 声と身体で表現する日本語(東京・カリフォルニア)
第3部 日本語を教える
 第9章 道場破り−−小学校の巻
 第10章 道場破り−−中学校の巻
 第11章 授業というライヴ−−高校の巻
あとがき

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紙の本

紙の本左と右の科学

2001/05/19 13:27

詳細目次1

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はじめに
Super Index
1章 どっちが左で、どっちが右か?
なぜ鏡は左右だけを逆にする?…左と右について知る第一歩「鏡の問題」を考える
左と右の区別はこうして生まれた…上下、前後の後に意識された左右
意外に難しい左右の決め方、伝え方…「天体」や「人体」で左右の別を表現
あらためて左と右を定義する1…物体の形によって左右の決め方が変わる
あらためて左と右を定義する2…絶対的な左右を決めるには上下と前後が必要
左右の別より難しい左回りと右回り…時計回りを右回りとする理由
吸い込む渦と吹き出す渦…同じ形でも左巻きと右巻きがある
螺旋の左巻きと右巻き…回転運動と直線運動の合成で螺旋ができる
左回転、右回転と左螺旋、右螺旋…3次元構造を持つ螺旋には鏡像がある
左右への動きをまとめてみると…回転と垂直な動きの有無で左右が変わる
コラム(左から読んでも、右から読んでも1)

2章 歴史、文化、生活、芸術のなかの左と右
常に比較され、序列づけられた左と右1…左と右の区別は古代政権の重要な問題だった
常に比較され、序列づけられた左と右2…古代から世界の主流は右尊左卑
文字の書き方、並べ方を探る1…左から右、右から左。言語によって流れもいろいろ
文字の書き方、並べ方を探る2…右から左へ書く合理的な理由
文字の書き方、並べ方を探る3…一見、不可解な牛耕式にも合理的理由がある
文字の対称性を平面で考える…平面の世界で鏡像体と対称軸を考える
立体の世界で鏡像体の有無を探る…立体はキラル、アキラルの2つに分けられる
対称性(シンメトリー)と非対称…人類は本能的にシンメトリーを好む
美に隠された左と右、対称と非対称…絵画や彫刻、音楽、文章に至るまで対称性が使われる
生活のなかの左と右、対称と非対称…アキラルな道具とキラルな道具
再び『鏡の問題へ』…重力による強い上下の認識に問題のカギが
実像と鏡像を空間座標で表すと…鏡が逆にするのは左右ではなく前後だ
いつも鉄棒の上で生活すると…鉄棒人にとって、鏡は上下のみを逆にする
鏡像の正体1…「左右だけ逆」は、人間の思い込み
鏡像の正体2…実像に対する鏡像は常に1つ
左と右を宇宙人に伝えるには1…上下、前後は簡単だが、左右は難しい
左と右を宇宙人に伝えるには2…左と右を区別するような自然現象はあるのか?
コラム(左から読んでも、右から読んでも2)

3章 マクロの世界の左と右
巨大な渦巻き“銀河”を考える…銀河を回る銀河、銀河が回る銀河団
なぜ銀河系は渦を巻く…星の回転する速度と、銀河の腕が回転する速度は違う
太陽系の惑星はどちら回り?1…太陽系の表裏、上下を決める
太陽系の惑星はどちら回り?2…全惑星左回りは、太陽系誕生を解くカギ
惑星の自転はどちら回り?…惑星の自転には謎がいっぱい
衛星たちはどう回っている?…惑星の自転と逆に公転する衛星は6つ
鏡像関係にある北半球と南半球…北半球では右に流され、南半球では左に流される
コリオリの力と台風、ハリケーン…北半球の台風はいつも左巻き
フーコーの振り子でコリオリの力を試す…振り子の振動の軌跡で、地球の回転を証明
マクロの世界で左右は伝えられるか…マクロの世界で左と右を区別する現象は見られない
コラム(15パズルを鏡に映すと)

4章 生物の世界の左と右
多くの生き物の外見は左右対称…左半身がわかれば右半身もわかる
いつから動物は左右対称になった…動きの素早い左右対称動物だけが生き残った
左右対称を可能にした保留細胞…ほ乳類と昆虫は別系統で進化したが……
左右非対称の動物たち…外形の左右非対称は、まさに環境に左右された結果
内蔵が左右非対称になった理由…進化とともに複雑な変化を遂げた内蔵
人類はどうして右利きになった…心臓説、大脳説など諸説あるが
動物にもある?左利き、右利き…三葉虫は左利きだった?

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