ポーリィーンさんのレビュー一覧
投稿者:ポーリィーン
紙の本くそったれ!少年時代
2002/05/09 20:20
ブコウスキーの最高傑作自伝的長編
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
子供時代から青年期までを描いた自伝的長編小説。長編作の中では特異な存在でもあるが最高傑作とされており、ブコウスキーファンならずとも楽しめると思われる作品。実際、可笑しくてほろ苦いエピソードの数々には最後まで飽きることはなかった。本書は子供時代が描かれているので年代順に考えると最初に読むべき作品なのだろうが、この辛い思い出したくもない話をブコウスキーが書けるまでには年数を要しているので、なるべくなら執筆順に読むことをお薦めする。長編作のみでは「ポスト・オフィス」「勝手に生きろ!」「詩人と女たち」本書の「くそったれ!少年時代」「パルプ」の執筆順。
2002/07/29 13:00
最高の終幕
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
惹きつけるだけ惹きつけておいて最後にガックリすることが多々ありますが、本書は最後になってようやく衝撃的事実を明かし、余韻までも与えてくれる素晴らしい最終巻となっていました。途中、次々と新しい人物が出てきて少々ウンザリしながらも結局個々の人柄に魅了されていきましたが、その登場してきた人物たちがただその場限りで出てきていた訳ではなく、ちゃんと意味があった(再び登場した)という点でも面白さが倍増されていました。これまでのお話が振り返られる「もうひとつのMONSTER」も面白いのでオススメです。
紙の本Akira 6巻セット
2002/05/16 23:25
長かった…
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本書を読むよりも先にアニメを見たのですが、芸術作品の域にまで達しているかの様な訳の分からなさ具合が最高に面白くて興奮! でも、この世界が漫画だとどうなのか?と不安になりつつ読んでみたら…怒涛の近未来世界にスピード感のあるストーリー、そして原寸サイズであるにも関わらず緻密で正確な描写に圧倒! 最終巻に至るまで長いこと待たされたので、これから読む方は一気に読めて幸せ者と言えるでしょう。今思うと、アニメを後から見ていたら文句を言っていたかも…。
2002/05/09 14:24
初心者もそうでない人も!モローの濃厚な手引書
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上野へプラド美術館展を見に行き、たまたま出口付近に置いてあった次回予告のチラシに小さく入ったモローの「出現」という絵に惹かれてしまった(さっきまで実際に見ていた絵画よりも!)。売店ではプラド関連商品よりもモローの絵葉書や本書に目が行ってしまい購入。美しくも怪しい世界観に心を奪われてしまった。本書は、文庫よりもやや大きいサイズで読みやすく、モローの人となりも分かって読み物としても面白い。なによりも完成された作品だけでなく、風刺画やデッサン、有名絵画の模写、さらには絵の元となった塑像や写真も掲載されているところがいい。と思ったら著者は、モロー美術館の館長だった。納得。
紙の本美貌の果実
2001/10/15 19:37
働き者な短編集
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ピンチにたたされた弱小ワイナリーに謎の助っ人が現れるファンタジックな物語。なのだが・・・話は結構シビア、なのにのん気な登場人物達のお陰でほのぼのとし、その上ラストではジ〜ンとさせられてしまうスゴイ作品だ。そんな表題作の他に、果実園のヤシの実が偶然頭へ落ちたことからバイトをすることになる女子高生のほのぼの物語「愚者の楽園」等、楽しい短編が盛り沢山。暗い生い立ちがあったりするのに、ほのぼの楽しいというのもスゴイ。
2001/10/03 22:10
ハンカチは必須アイテム
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
わははと照れてごまかす通り、ロマンティックとは程遠いコメディチックな世界NO.1を目指すアイススケート物語。日本における男女ペアの競技人口が恐ろしい程少ないことをこれで初めて知りました。明るく楽しく練習に励み、感動のラストには何度読んでも涙してしまいます。掛け合い漫才のような台詞も面白いです。
紙の本今夜、すべてのバーで
2001/08/27 21:52
入院のお供に!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
酒・タバコとも全く受け付けない体質なのにアル中の話を読んでしまった。他人事なので大笑いだったが、読み出したのが入院初日。入院という点では他人事ではない。話にあったトイレにある尿をためる容器で真似して排尿量ナンバーワンを競ってみたりした。そして手術前夜。もしも医療ミスで死んだら先が読めない! とこっそり徹夜で読んでしまい、おかげで麻酔が良く効きあまり痛い思いをせずにすんだ。アル中以外で入院した時にはお奨めの1冊だ(でも手術前夜はちゃんと寝ましょう)。
2001/08/26 02:20
お転婆ウェスタンもとうとう最終巻!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ついに記憶を取り戻したミリアム。前作「荒野の天使ども」のメンバーで悪の巣窟「白の谷」へ乗り込み事件に決着をつける! 大団円の最終巻!! ミリアムとダグラスのその後を描いた番外編「それなりにロマンチック」他1編を収録。本作を読むと前作が、前作を読むと本作が読みたくなってしまう魔力がある。
紙の本銀色絵本
2001/08/25 09:45
ずっと変わらないで欲しいもの
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大学生になっても子供っぽくてドジなことに悩む千津美とそれを優しく見守る藤臣君。そんな2人の前に藤臣君の中学時代の同級生朝子が現れた! 美人な上にただの同級生ではなかったようで!? 千津美に藤臣君が必要だっただけじゃなく、藤臣君にも千津美が必要だったのだと再発見できるシリーズ第2巻。
紙の本アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
2003/07/29 12:41
原作の方が面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
鬼才リドリー・スコットが映画化! などと騒がれたので見てみたが、いったい何がいいのかさっぱり判らなかった。だが、本書の奇妙な題に惹かれて原作を読んでみると…めちゃめちゃ面白い!! それに未来の話なのに映像が頭にスンナリと浮かぶ。そして映画の内容もやっと判った(もう一度見たいとは思わなかったけど)。
2002/07/31 01:15
イザークのアクロバット芸が満載
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典子とイザークの2人旅に、ジェンダ左大公の妻と娘、警備隊長の3人が加わった。一行は、旅の資金調達のために市へと参加をしたが町の保安員に邪魔をされ、しかたがなくイザークがアクロバット芸を見せて客寄せしたところ大盛況。それを偶然、大臣の息子アルカレラが見ていたことから屋敷へと招待されることになる。しかし、「天上鬼は破壊の化け物とは限らない」と発言した囚われの身のクレアジータ臣官長が、護送中にこの屋敷へ立ち寄ることを知り、皆で力をあわせて助け出そうと計画を立てる・・・。見事な計画に胸がスキっとさせられる第11巻。イザークのアクロバット姿もキマッていました。
2002/07/26 00:19
読み返してハマる麻薬系ストーリー
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コミカルな周防監督の映画が面白かったので原作の本書に興味を持ち読んでみました。寺の跡取り息子なばかりに、80年代ニューウェーブ真っ盛りな東京を離れ、お山へ修行に出なければならない主人公が面白く描かれていますが、都会を満喫している部分が長くて初めて読んだときはとっつきにくく感じてしまいました。ですが、読み返すうちに都会とお山の激しいギャップ、その両方で戯れることが出来る主人公の明るい魅力と、クールでカッコイイ女・真朱との恋の駆け引きも楽しく見事にハマってしまいました。80年代は子供だったため、記憶がおぼろなのですが、本書によって追体験ができました。オススメです。
2002/07/23 22:28
始まり
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天才的なオペで難手術を成功させる日本人医師テンマは、ハイネマン院長に目をかけられ、娘・エヴァとも交際し将来を約束されていたが、急患の子供のオペを前にして市長のオペを優先するよう命令されそれを拒否。とたんに地位も婚約者も奪われてしまう。失意のテンマは、子供の命を救ったことに心のよりどころを求めるが、それは恐ろしい怪物を生き返らせてしまったことをも意味していた…。印象的なのは、若く美しいエヴァがこともなげに「人の命は平等じゃない」と言い切るシーン。悲しいけれど、実際それは真実だ。
紙の本セーラー服通り
2002/07/11 22:27
3人そろって「つづき春」!
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体験役、お話作り役、お絵かき役と3人そろって漫画家・つづき春を名乗る女子高生の甘く切ない青春恋愛模様。友達の年上の恋人を好きになったり、姉を好きな年下の男の子を好きになったり…出てくる冴えない担任教師もいい味をかもし出してて素敵です。オススメ!
(追記:ドラマにあった「痛快!セーラー服通り」とはタイアップだったらしいですが、内容は直接関係ないそうです)