Kusnokiさんのレビュー一覧
投稿者:Kusnoki
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2001/11/27 00:32
極めて特殊な恋愛小説
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
待ちに待った星界の新刊。世界はスペースオペラしてるのに主人公たちは些細な事件に四苦八苦するこのシリーズ。今回はよりその色が強く、ほぼ全編が例によって例のごとくな皮肉の応酬に始終する。極めて特殊な恋愛小説と言えなくも無い。
積み重ねの上に最終的に集約するタイトルにつながる展開はグッと来るものがある。ただ著者も後書きで書いているが、本来のプロットから急に方向転換した感は否めない。
しかしこのシリーズこのペースで今世紀中に終わるのだろうか? 何しろ長寿な宇宙人の宇宙で最後で最大の戦争を初めから描いているのだ。
紙の本〈骨牌使い〉の鏡
2001/11/27 00:31
2度目の「始まりの骨の物語」
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タロットカードに似た「十二の骨牌」。それに象徴される十二の「詞(ことば)」で形作られる世界。街の占い師の少女、アトリは「骨牌」の織り成す数奇な運命に巻き込まれていく。
著者のデビュー作「始まりの骨の物語」を読み、私はファンになったのだが、長く書いておらず本書が復活第一弾。デビュー10周年だそうでタイトルも「骨」つながりでなにか象徴的である。
荒削りで、展開がやや唐突でドラマやキャラが処理しきれていないところがあるが、個人的には大変面白かった。
母と娘について書かれた話で、女性が女性に対し描いたファンタジーという印象。ファンタジーがRPGパロディーに堕落し、オタクの流行として消化されてしまっている昨今、ちゃんとファンタジーを読み、ファンタジーを愛し、ファンタジーを書こうとしてそれに成功している稀有な作品。
作中に満ちる古典ファンタジー(特に指輪物語)に対するオマージュも心地よい。
2001/12/01 14:40
像使いと、王子と、海賊と、幽霊と、宇宙人
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キャッチーな要素を捨てきった表紙がナイスな黒田硫黄短編集2。
中でも宇宙人の手先になってしまった教師と生徒の恋愛を描いた「わたしのせんせい」は秀逸。何度読んでも、ナンセンスとドラマが並走するその加速度感が素晴らしい。
基本的には「茄子」にいたるまでの迷走期というか過渡期というかの作品が集まっているのだが、まとめて読むとやはり面白い。
連作の女の子2人組の短編が、とても男が描いたとは思えないクールさでよい。そして料理漫画が美味そう。
本当に不思議な漫画家だとおもう。作品に対するスタンスが普通と違うのかな? 掴み切れないのだがまたそれが良い。これぞ新世代の漫画なのだろう。
像使いと、王子と、海賊と、幽霊と、宇宙人が一気に読める短編集は他に無し。
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