サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 真琴さんのレビュー一覧

真琴さんのレビュー一覧

投稿者:真琴

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本佐賀のがばいばあちゃん

2005/08/31 00:49

がばい(すごい)ばあちゃんとの、明るく楽しい貧乏生活。

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 原爆症で父を亡くし、母と兄との貧乏生活から、8歳の時に佐賀の祖母の家へと、騙されて連れて行かれる。今までの生活も貧しかったが、祖母との2人暮らしは前にも増してド貧乏。食べ物も薪も川で拾い、腰から磁石をぶら下げ、鉄を集めては少ない現金と交換し、隙間風吹くボロ家に住み、何と悲惨なお話だろう・・・ってことは全く無い!何て楽しい生き方だ!というお話。
 とにかくこのおばあちゃんはすごい。茶殻は干して煎り、塩をかけふりかけとして食べる。硬くて食べられない魚の骨はお吸い物として、その後さらに粉にして鶏の餌にする。ザリガニを伊勢海老と言って食べる。「金持ちは大変や。旅行にも行かなきゃならんで忙しいし、綺麗な服で汚すわけにもいかん。貧乏で良かったなぁ。」などなど、漫才のネタとしていくつか聞いてはいたが、明るく楽しい貧乏生活がたくさん紹介されている。究極のエコ生活。
 おばあちゃんもすごいが、周りの人々の温かな優しさが堪らない。毎年運動会では担任の先生が何故か腹痛になり、豪華なお弁当と交換してくれたり、豆腐屋さんがわざと売り物をくずして安く売ってくれたり、広島カープの選手に「お母ちゃんが広島にいます、知りませんか?」と言うと「会ったこと無いけど、今度会ったらよろしく言っとくな。」と言ってくれる優しさ・・・。堪らない。
 貧乏を不幸と思わず幸福と思える強さ。本当の人の優しさ。考えることがたくさん詰まった1冊です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本五体不満足 完全版

2005/05/05 05:15

とにかく周りの人とのエピソードが面白い。

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「感動のベストセラー」と紹介されているが、私は感動よりも笑いのほうが多かった。今さら説明するまでもないが「障害者の本」ではなく、「青春の1ページ」といった感じ。文章も軽快で、とても面白い。周りの人との絡みが、とてもとても面白いのだ。
本文中「初めて障害者に出会った時、壁を感じてしまうのはしょうがない。しかし時間が経ってもその人と付き合いにくければ、無理に付き合う必要はない。そこで「差別だ」など言ってきたら「アンタの性格が悪いんだよ。」と教えてあげよう。」だなんて・・・バッサリ。「障害者だから」という言い訳をしないから、周りの人も「乙武洋匡」として付き合っているのだろう。
しかし・・・乙武さんのお母さんはすごい。肝っ玉母さんだ。
中1の息子に対し「友達と旅行?日程決まったら教えてね。母さんも旅行に行きたいから。」
ヤクザ風の人に出会った息子に対し「あの人達はツメても小指でしょ?あんたは全身ツメてんだから敬意を払って当然よ。」などなど・・・。
読み終わると、まるで同級生のような気分だ。自分も同じように学校へ行き、同じように悩み、同じように遊んだ。「こういう活動的な人っていたよなぁ。」という感じ。
「障害者」という言葉だけでビビってしまうが、「特別な人」ではないのだ。障害があることによって不便なことは多いだろう。しかし「特別」ではない。そこの違いをよく理解し、出来ないことをお互いに協力しあっていくことが、「バリアフリー」ではないだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本言いまつがい

2005/05/04 23:41

人前では読まないで下さい。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

間に合うなら今からでも、bk1の100冊「電車で読めない一冊」に投票したい。「落ち込んだ時に読みたい一冊」でもいいかな。
いやぁ、笑った笑った。頭痛・腹痛を誘発するほど笑った。電車に限らず、人目のある所では読まないよう注意事項をつけるべきだ。
タイトルの「言いまつがい」という言葉の他にも、「○○ちぅ(中)」「そうでつ(です)」などはネットではよく使われる言葉だが、実際口にすることは無いだろう。「言いまつがい」は真顔であればあるだけ笑いを誘う。上司に怒られている時など笑えない環境に置かれた時ほど、思い出し笑いをしてしまいそうだ。はぁ・・・どうしよう。
ばぁちゃん子の私としては、お年寄りがまつがえる所は正直笑えなかった。が、投稿している本人も「言うに言えない。」というコメントを残しているものが多く、本人に言えないからこの場を借りて・・という愛情あふれる(?)投稿も多い。
「親切人のためならず」「世間ずれ」など、本来の意味よりもまつがえた意味のほうが浸透している言葉があることを考えると、この本で紹介された言いまつがいも、そのうち正しい言葉になるのかも・・・。
気楽な気持ちで読んで欲しいですね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本蒼穹の昴 1

2005/01/29 00:15

こんなに面白いなんて…。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中国の歴史小説という苦手なジャンルだが、「今まで読んだ本で1番面白かった!」今なら自信を持って答える。(ちなみに2番目は同作者のプリズンホテル。)
寝不足に耐え、4冊一気に読みきった。そしてため息の出るような充実感。
貧乏な家に育ち、糞拾いを仕事としていたが、人との出会いによって出世していく「春児」。
春児の幼馴染で、お金持ちの家に育ち、科挙試験に合格して出世コースをゆく「文秀」。
主人公はもちろんのこと、それ以外の人物も負けず劣らず魅力的だ。(何故か西太后はギャル系…)
単にサクセスストーリーというわけではなく、主に2人の目を通して、中国の歴史・文化等を、自然な気持ちで見ることが出来る。
難しい内容であるにも関わらず、さすが浅田次郎!と思わせる軽快な語り口で、笑い、泣き、頷き。飽きることなく読破出来るだろう。
「外国の話は名前がわからなくなるから嫌。」「歴史の話しなんて興味ないもん。」という私のような読者には特にお薦めしたい。
書評に興味のなかった私も、「とにかく読んで欲しい。」という思いで、投稿させてもらいました。是非読んで下さい!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本模倣の殺意

2005/09/19 05:29

他の中町作品は何故「現在購入できません」ばかりなのだろう。

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 久々に驚きの結末。ミステリーの中でも「種や仕掛けが驚き」パターンや、「構成が驚き」パターンなどいろいろあるとは思うが、久々にびっくり。「ん?んっ?え?えぇっ!」といった感じ。(余計に不明ですね)
 「7月7日午後7時の死」作家の坂井正夫は、自分の作品のタイトル通りに死を遂げた。新人賞には選ばれるが続く作品が書けずに悩み続け、青酸カリを飲み自宅の窓から飛び降りた、という設定から自殺として処理される。が、編集者の中田秋子、ルポライターの津久見伸助の2人は、他殺という設定で独自に調査を始める。2人が怪しいと睨む人物は全く別の人物で、2つのルートから調査を進めて行くが、徐々に近づきニアミスも起こる。最後は1人の人物に辿り着き一件落着・・・と思っていたが・・・。
 「あなたは、このあと待ち受ける意外な結末の予想がつきますか。ここで1度、本を閉じて、結末を予想してみてください。」と、作者から読者に対しての挑戦状が用意されている。最初に睨んだ人間が犯人であることなど、一部の作品を除いては殆ど無いだろうが、確かに意外な結末だった。展開が いがぃ・・・あぁ!言い過ぎ言い過ぎ。
 長年のミステリーファンにとってどれほど衝撃的かはわかりませんが、私にとっては「そぅきたかい!」という展開です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本時生

2005/10/16 09:01

東野作品で泣くとは思いませんでした。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 うん。面白かった。しかも泣いた。
 東野作品は正直「読む」ものであって「感じる」物ではないと思っていた。軽く読めてバズレが無い。という理由で文庫化されれば読んではいたが、今回は謎解きではなく心に響くものだった。
 グレゴリウス症候群という不治の病を患った息子の病床で、父拓実と母麗子は意識の戻らない息子時生(トキオ)を見守っている。そこで父の「20年以上前、俺は息子に会っている。」という告白から、若かった頃の父とタイムスリップしてきた息子の物語が始まる。タイムスリップと言っても「無理あんじゃなぁい?」という展開ではなく、533ページを一気読みした。
 拓実は赤ちゃんの頃実母から捨てられ、養子として宮本夫妻に育てられる。大人になってからは、仕事は続かず喧嘩ばかりしているどうしようもない男だった。そこにトキオと名乗る若者現れ、2人は事件に巻き込まれる。その事件を通して拓実とトキオは、拓実の生まれ故郷大阪へと足を運ぶことになるが・・・。
 事件解決、しかも若者は息子だった。という展開もありかもしれないが、冒頭でトキオが息子であることが書かれていることが、読む側にはとても意味のある展開だ。荒くれ者の拓実も何故かトキオには乱暴出来ない。本来であれば父が息子を躾けるのだろうが、トキオが父に説教する所などは面白い。
 作者自身が大阪出身ということもあってか、大阪人達がとても面白い。気の強いホステス。一言多いタクシーの運転手。ホルモン焼き屋。質屋の親父など。口の減らない拓実でも適わない毒の強い人達。口では煩わしそうには言うが、そこは人情の街。なんだかんだ文句言いつつ心優しく協力してくれるだ。
 さんざん楽しい文章を読んでいる最中で、拓実の出生についての記述があり、ここでウルッとくる。途中も何度かウルッときているところで、父だけかと思っているとトキオは母ともからみがあり、ここでかなりウルッ。
 「トキオっ、花やしきで待ってるぞ。」でダーッと流れました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本99%の誘拐

2005/08/23 00:02

悪人のいないハッピーエンドな誘拐事件

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「この文庫がすごい!2005年版」に選ばれている作品であり、とても面白かった。久々の投稿。
この話は2つの誘拐事件の関わり、そして身代金の受け渡し方法が面白い。
第1の誘拐は、癌で亡くなった父が、事件の被害者である少年のために残した手記によって描かれ、当時5歳だった少年が24歳となり、第2の誘拐事件に関わってくる。
第2の誘拐は、ハイテクを駆使した・・・という謳い文句であるが、今になれば時代遅れの機器も多く、トリックの強引差が目につく。しかしストーリーの展開が面白い為、さほど問題ではない。
第2の誘拐にいたっては、どんどん犯人に感情移入してしまい「どうかこの誘拐うまくいかせて下さい。」と願う有様。そして事件が終わった後、第1の事件の真相が見え、今度はその事件を理解するため、結局2度読んでしまった。前半の事件は後半のフリではないので注意です。後半のほうが前半のフリかも?
この本に悪人は出てこない。悪人はいないけれども個々の感情の行き違いから2つの誘拐事件が起こってしまう。何が正しいことなのか。本当の被害者は誰なのか。何だか・・・少し切ない気持ちで読み終えた。結局、大人の勝手な利害関係による犠牲者は、最後は子供なのでしょうかね?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本ヒートアイランド

2005/08/28 03:19

この悶々とした気持ち!どーすんのよっ!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「IWGP外伝」と似ているなぁ・・・というのが第1印象。
ブラピの「ファイトクラブ」と似ているなぁ・・・というのが第2印象。
 主人公は、渋谷でファイトパーティーを主催しているストリートギャングのヘッド「アキ」。
 ある日カジノで強奪された大金が、ふとしたことでアキの元に転がり込んでくる。
 強奪した犯人達、カジノ絡みの2つの組、この3者からアキと仲間達は追われることとなる。
  ファイトパーティー、カジノ、組・・・女性としては近寄り難く思えたが、気が付けば半分を読み終えていた。さすが「この文庫がすごい!2005年版」に選ばれている作品である。
 IWGPのマコトと比べると、アキは喧嘩も強く頭も切れる。ちょっと出来過ぎ。追う側の強奪犯も出来過ぎではあるが、とても憎む気にはなれない。それは登場人物それぞれ過去の回想部分があり、そこで親近感を感じるどころか、涙を流してしまう部分もあるからだ。「そんなに上手くいく?」「こんなに格好いい男がいる?」という気分は残ったが、すっかり情が移ってしまってからでは、「どちらも上手くいって欲しい。」と願うばかりである。
 一見「今どきの人達」とも思えるが、彼らの魅力は共通して「頑固」。車対し手を抜けないため、流れ作業をするぐらいなら工場閉鎖してしまえ・・・と、この道に入った不器用な頑固者。社会と親に対する反抗心で進学をせず、この道に入った青臭い頑固者。彼等は「今どき」ではなく「昔のおやじ」タイプなのだ。疑問を感じつつも何も出来ず、大量生産大量消費に流されることに慣れてしまった私達にとって、この頑固ぶりはこんなにも魅力的なのだ。
ちなみに続編の「ギャングスター・レッスン」は今のところ文庫化されていません。クゥゥゥッ・・・!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

テレビで見るイメージまんまですね。とにかく真っ直ぐです。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

文章の粗さなど「読みにくい」という理由で、芸能人本は基本的に好きではないが、読み終わった感想は生意気にも「なかなかいいじゃん」だった。
冒頭に美輪明宏さんとの出会いが書かれており、その文章だけで「うわゎ、すごい話だなぁ。」と感じた。
巨大暴走族総長であったことは有名だが、その話ばかりでもなく、「俺は立派に更生したぞ!」という自慢話でもなく、傷つきやすい少年時代の弱さ、出会った人の素晴らしさがたっぷり書かれている。
子供の頃の話では「他人のせいであって、俺のせいじゃない。」と幼稚な自己弁護とも受け取れる内容が多いが、時間の経過と共に、自分の姿を見つめ直しているのがよくわかる。
今の自分から見た過去の姿ではなく、過去の自分に戻って、格好悪い姿もそのまま素直に書かれているからだろう。
宇梶さんと言えば「友情」「出会い」を大切にし、「ちょっと説教くさい」というイメージはあったが、その理由が理解出来た。彼にとって人との出会いは1番大切なものなのだ。そして昔から説教魔だったのだ(笑)。
この本は正直、作家が書くような面白い本でもなく、人生を変えるほど心を動かされもしなかった。「ふ〜ん」と言ってしまえばそれで済ますことも出来るかもしれない。でも何か引っ掛かって残っているのだ。それが何かは自分でもわからない。
「嘘や強がりは、自分の弱さを隠す為の物。本当に強い人間は素直である。」
「人を認めない人間は、人に認められない。」
親から言われ、とっくに忘れてしまっていた言葉を何故か思い出した。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

強く優しい人々を書くのが、本当に巧いですよねぇ。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

平凡な映像ディレクター「小峰」が、カジノの売上金の狂言強盗をするところから物語は始まる。もちろん場所は池袋。
ところが金は横取りされ、カジノを経営している日高組にもバレ、その上借金を背負わされ、ドン底人生が待っている・・・と思われるが、組の構成員である「サル」(IWGP主人公マコトの中学時代の同級生)と共に、犯人探しを始め・・・。
IWGPは若者が中心の話だが、今回は年齢層の高い人々が堪らなく格好いい。IWGPでの出来事も会話の中に何気なく組込まれ、読んだ人には頷ける部分もあるだろう。
最後10ページほどは、まさに手に汗握る展開で一気読み。「お世話になった人に、ちゃんとお礼したほうがいいのに。」などと女の私は思うが、そこで余計なこと言わないのが男の格好良さなのだろう。
IWGP本編でも感じたが、「社会」とは誰が構成しているものなのだろうか?
政治や警察に保護されない立場であることが「社会からはずれている」と言うのだろうか?
保護されない。自己責任が重い。強い生き方を強制される。自分勝手に見える。理解出来ない人が多い。それを「社会からはずれている」と言うのだろうか?
石田衣良はそういう人々を内側から描き、読者に疑問を投げかけてくる。
外からは計ることのできないはずのものを他人に向ける「社会」という基準。
サラサラと読める面白い内容だが、サラサラ読んではいけない重要なテーマが隠れているのではないだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本しゃばけ

2005/02/04 12:42

「若だんな」と「一太郎」の「妖」隠し?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そう、あの映画に似ているのだ。
身の回りの物は、長年大事にしていると「付喪神(つくもかみ)」になれるらしい。
長年大切にされ、付喪神になれた茶器。
親方には大切にされてきたが、人間の勝手によって壊され、付喪神になれない墨壷。

主人公「一太郎」は廻船問屋の若だんな。生まれた時から体が弱く、両親からは赤ちゃん以上に甘やかされ、自由な外出もままならい。
その若だんなに仕えているのが、手代(お店の使用人)である「佐助」「仁吉」の2人。実は名の知られる妖怪なのだ。
2人以外にも、顔は怖いが気の弱い子鬼の妖怪「鳴家」、派手な身なりでふすまから抜け出てくる「屏風のぞき」など個性的な妖怪達が若だんなと同居している。
妖怪同士で相性の良し悪しはあるが、若だんなを守るという気持ちはみな同じ。

ある日若だんなはある事件に巻き込まれ、妖怪達に協力してもらい犯人探しを始めるが、佐助や仁吉よりも上位の妖怪「見越の入道様」に出会う。そして入道様は、妖怪達にも心を開き正直に接し、優しく強い心を持つ若だんなの味方になる。

逞しく成長していく若だんな。心優しいい妖怪達。力ある入道様。付喪神の意味。

どうでしょう? 似ていませんか?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本海猫 上巻

2005/04/10 18:22

感情移入が出来ないのは、自分が美しくないからかもしれません(汗)

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正直、「海猿」と間違えて買った。
透き通るような白い肌をした美し過ぎる女性「薫」が函館近くの辺鄙な漁村に嫁ぐところから物語は始まる。
薫に似た美しい娘にも恵まれ、幸せな日々を送っていたと思えるが、それだけでは小説になるわけもなく、夫の弟と恋に落ち、夫は入院先の看護婦と浮気をし、家庭は崩壊へと向かっていく。
母もロシア人の男性と駆け落ちし薫を産んだという過去があり、2人の娘達も・・・・と、親子3代の激しい恋のお話である。
恋の話ばかりでなく、強く優しい漁村の人々の暮らしぶりや、生まれ育った函館の街並みなど、なめらかに情景が浮かび、そのあたりの描写がたまらなくこの作者は巧いのだ。
道産子の私でもちょっと読み難いほどの函館地方特有の北海道弁も、ストーリーの味を引き立てている。
ただ残念なのが、物語のキーとなるような重要な部分が、他と同じような淡々としたリズムで過ぎてしまい、「ん!?」とページを戻ることがたびたびあった。
「これでもかっ!というぐらい引っ張ってくれれば、ここで泣けたのになぁ。」と・・・(笑)。
恋愛話はそれほど好きでもないので流し読みをする予定が、結局ツボにはまって寝不足に耐え読み続けた。
「さすが映画化!」「さすが島清恋愛文学賞!」「さすが谷村志穂!」 やられましたね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本スクランブル

2005/09/19 04:22

アイデアは面白いのに、いまいち読後のキレが悪い。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 内容はさておき、ちょっとゴタゴタしているなぁ・・という感じ。
 15年前通っていた高校で殺人事件が起き、そろそろ時効を迎えようとしているその頃、仲良し6人組は、そのうち1人の結婚式で顔を揃える。6人がそれぞれ高校時代の回想から、勝手な犯人像も多数含め、本物の犯人に結び付けていく。途中から犯人がわかるような気はするが、はたして・・・・?
 同じ学校、同じ年齢、同じ性別という共通点の主人公6人が、それぞれ苗字、名前、あだ名で呼ばれており、半分過ぎるまで正直区別がつかなかった。読後ゴタついたイメージを持ってしまうのは、このあたりが原因だろう。
 殺人事件ももちろん恐ろしいことだが、主人公達の多感な年頃の回想なので、勉強やらスポーツやら異性やら同性やら・・・共学しか知らない私としては「女子高って本当にこんな感じなの?」と、別の恐ろしさを感じてしまったのだ。
 しかし、高校生の女の子の心理描写はさすがに上手い。殺人事件という大きな流れの中に、小さなテーマをいくつも隠してある。何かに熱中している人を見下しつつも、熱中出来ることを持っていない自分に対する不安。体型に対するコンプレックスからくる拒食症。親から見た「いい子」からの脱却。個性的でありたいが、周りとのバランスも保ちたい。う〜ん、鋭い。年をとってしまえば小さな悩みとも思えるが、確かにこの年齢の頃は大きな悩みだったはず。それだけ真剣に生きていたのか、面の皮が厚くなったのか・・・。
 ため息の出るような面白さでは無かったと思いつつ、他の若竹作品を買い物かごに入れた私です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本クラインの壺

2005/09/24 03:11

好き嫌いの分かれる作品。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『99%の誘拐』が面白く、続けて同作家のこの本を購入した。SFと言うべきなのかわからないが、個人差で好き嫌いが分かれそうな作品。そして何を言ってもネタばれになりそうで、書評のしずらい作品でもある。
上杉が作成したゲームの原作「ブレインシンドローム」の著作権の使用を、謎の企業「イプシロン・プロジェクト」と契約する。イプシオンで製作している仮想現実体験ゲームの人柱として、原作者である上杉も選ばれる。皮膚感覚もあり、味覚も感じられるという、今までにない出来過ぎたゲームであるため、上杉は現実と仮想現実がわからなくなり・・・・読んでいる私もわからなくなった(汗)。
‘89年の作品ということで、主人公達は携帯電話も持っていない。その時代にこの様な発想が出来るという作者はすごい。身近な発想をするよりも、ここまで過激な発想のほうがやはり面白いだろう。
ネタばれになるのでストーリーは紹介しにくいが、個人的には登場人物の着眼点が面白かった。自作のゲームが作品になる上、今まで手にしたことのない大金に浮かれている上杉に対し、5年間で200万の契約は安いと言う義理の兄。結婚した男性と、学生との金銭感覚の違いが出ている。それに加え、物語の途中で出会う七美は「遊園地などに置いてある物で、1ゲーム20分を1人に使わせておくなど採算が合わない。」と指摘する。この指摘が現実のことなのか、ゲームの中でのことなのか・・・・。もしゲームの中だとすると、女は仮想現実でも現実的(?)ということだろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本ランチタイム・ブルー

2005/05/08 03:58

心温まるミステリー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読み始め5ページほどはタイトルの通り「ランチタイム・ブルー」・・・ブルーな気分になり読まなければよかったと思ったが、最後は微笑みながら読み終えた。他の作品も読んでみたい。
29歳独身彼氏なしOL千鶴が、先の見えない不安から転職し、インテリアコーディネーターを志す。
憧れの上司広瀬の元で仕事を始め、徐々に仕事も任されるようになる。同じ会社の森君と恋もし、仕事や生活の中で出会ってしまう事件(殺人事件から下着泥棒まで)を、すったもんだと解決していく短編小説。
読みたくないほどブルーな状態から始まり、その後は仕事も順調、恋も順調、事件も解決・・・と判りやすい内容が単純に気持ちが良い。
日常の生活であれば、仕事のトラブル、上司とのゴタゴタ、恋の辛さ、事件はうやむや(関わることすら少ないだろうが)というのが現実だが、そこは小説。そんなに上手くいくかぁ?とは思いつつ、順調順調ハッピーエンド♪というのは、やはり気持ちが良いのだ。
読後、切なく溜息の出るような小説もいいが、現実逃避気味の爽快感もまたいい。「何か本気で頑張っていれば、いつか必ずいいことがある。」そう思わせる作品だ。特に女性にお薦めです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

15 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。